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55.洞窟探索

迷宮への探索!ロマンじゃ

「さて、九之池殿。

ほぼ外に出てきた魔犬は倒しましたね。

巣穴の中央に向かいますかな」

とヘーグマンが戦闘直後にも関わらず、

全く呼吸の乱れていない様子で言った。


 一方で、才籐と九之池は、はぁはぁ

と大きく呼吸を乱しながら、何とか頷き、

「ちょっと、休憩してからにしましょー」

と伝えた。


 九之池と才籐が体力を回復している間に

ヘーグマンとルージェナが魔犬から

魔石を回収していた。


 何の躊躇もなくサクッサクッと

魔犬にナイフを刺し、魔石を

取り出すルージェナであった。

先ほどの光景とのギャップに

村人たちには、若干、ビビり気味だった。


「さてと、粗方、魔石も回収できたし、

では、洞窟にむかいましょうかね。

集落のみなさん、お手数ですが、

これらの死体を集めて、燃やしておいてください。

余計なものをおびき寄せる恐れがありますので」

と九之池は伝えると、松明をかざして

巣穴の奥に向かった。


 巣穴の奥に向かいながら、才籐が

「おっさんよぉ、そろそろ、種明かをしてくれよ。

なんであんなに魔犬の動きがとろかったんだ?

ルージェナに何かやらせたんだろう。

それにこの依頼を受けた本当の理由だよ」

と言った。


「いやー。あれはですね、RPGでいう

スリープの呪文に似たようなのを

広く薄くかけてみたんですよ。

ほら、こっちだと、麻酔の代わりによく、

魔術師がけが人を強制的に

落ち着かせるためにやっているじゃないですか!

その応用ですよ。

ルージェナは、公国の軍にいたこともあるから、

多少なりとその手の魔術も使えるみたいだったから、

試してみたんですよね。

思いほか上手くいきましたね」

と九之池が満面の笑みで答えた。


「けっ、ゲーム知識かよ。

まさか、そのために

この依頼を受けたのか?」

と才籐が再度、尋ねた。


「いえ、ここには魔犬以外に何か必ずいます。

ギルドで指示された魔犬の数も異常に

多いのもおかしかったですし。

それに魔犬の討伐なんて、本来は集落で

終わらせているでしょ」

と真面目な表情で九之池が答えた。


ふーんと才籐が頷くと、九之池は、更に続けた。

「まあ、うがった見方とすると、

ここまで大きな群れになるのに

集落に何らかの協力者がいるかなと。

もしくは、もどき絡みの何かしらがあれば

ラッキーと思ったりですかね」

と説明した。


 巣穴とされていた洞窟には

分岐点がなく、罠もないようだった。

先頭を進むヘーグマンは、慎重に

確認をしながら進んだ。


「っか、ヘーグマンさんって何者なんだ。

噂では、ベルトゥル公国の最強格の

剣士って話だけど、何でもできるじゃねーか。

兵を指揮したり、魔術を扱ったりまで

やれそうじゃね」

と才籐が先頭を進むヘーグマンを

見つめながら呟いた。


 九之池は、詳しいことを知らないため、

さあと返事をした。

少なくとも九之池にとって、

ヘーグマンは、この歳で言うのも情けないことだが、

自分を良い方法へ導いてくれる人であり、

自分が暴走したときに殺してくれる人であった。

 

 ヘーグマンが立ち止まり、右腕で停止するように

指示を出した。

巣穴の最深部は円状の広場となっていた。

その中央付近にいくつかの魔術陣が描かれており、

人間らしきものが座っていた。


えっ、、、分岐点ないじゃん!

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