表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/277

52.情報収集

キリア王朝(^^♪

「才藤さん、稲生さんって、どんな方なんですか?」

才籐のあまりにも素っ気ない言い方に

びっくりした九之池は才籐に尋ねた。


「あー奴はすけこまし野郎だからな。

ふん、また、会うことになったとは言え、

積極的には会いたくないね」

とまたも素っ気なく才籐は答えた。


「はあ、そうなんですか。

嫌だなぁ、同じ日本出身なのに。

メープル司祭の話しぶりですと、

随分と紳士的な方に

感じていたんですけどね」

九之池は会う前から、どうも稲生に対して、

苦手意識を持ってしまったようだった。


「まあ、それはそうと、才籐さん。

ここは初めてではなさそうですね。

すみませんが、冒険者のギルドを

教えて貰えませんか?

それと、お薦めの食べ物とか」

九之池なりの関係の修復を

図っているのか普段より、

才籐へ積極的に話し掛けていた。

エドゥアールとの間にはお互いの接点が

見つからず、改善のきっかけを掴むのが

難しいが、才籐はどうにかなりそうと、

九之池なりに努力してみた。


「まーいいけど、帝都の時みたいに

騒ぎにならない程度に気を付けてくれよ。

ってか、なんでそんなに素材にこだわるかね」

と才籐は皮肉りつつ、了解した。


「実益を兼ねた収集家ってやつですかね。

何となく素材をコンプしたくなったんですよ。

まーやり込み系のゲームのせいですかね」

とのんびりと答えて、ギルドに向かう九之池、才籐、

そしてルージェナだった。


 高級感のある屋敷が並ぶ中の一つを

メープルは訪ねていた。

「将軍、お久しぶりです」

と挨拶をして、軽く会釈をした。

「これは、司祭!ようこそ。

して、司祭が来るということは、目的は奴かな?」

そう答えて、豪快に笑った。


「まあ、そういうところです。

彼は、今、どちらに滞在ですか?

教えて頂けると助かります」

とメープルは、努めて冷静に答えた。


「確かハルバーンにいるはず。

もしいなければ、ノルドかメリアムの家で

何かしているだろうよ。

そうそう、司祭、知っているか?

2人目だそうだ。

奴もよくやるな」

と今度は好色な顔つきで笑った。


「ワイルド将軍、いちいち余計な情報は

伝えなくてもいいです。

将軍には、話しておきますが、

才籐とは別に彼と同じ世界出身の

ベルトゥル公国の召喚者が

同行しています」

と内心いらいらしながらも能面のような表情で

メープルは他の随行の人員に関して、伝えた。


「ほう召喚者が同行しているとは、

非公式とは言え、何か起きたら洒落じゃすまんな。

上手く取り計らうだろから、エイヤにでも伝えておく。

ちなみに稲生は、今、リンと仲良く子育てに

大忙しらしいな。手伝ってやってくれ」

と豪快に笑った。


「ありがとうございます。

それと、一々、彼のプライベートの情報を

伝えなくても結構ですっ」

と顔を真っ赤にして、珍しく動揺していた。


「ふむ、すまんの。ここを訪ねてきたのは、

稲生に関する情報収集が主かと思ってな。

まあ、いい、ところで、その召喚者はどうだ?

稲生や才籐と比べて、秀でているのか?

話せる範囲で教えてくれて」

ワイルドが居住まいを正して、真剣な表情で尋ねた。


「内に潜む何かは、稲生様や才籐と

比較にならないほどのものがあります。

おそらく、ヘーグマンを同行させているのは、

彼が暴走した時に殺すためでしょう。

一度、その力が発現したところを

見たことがありますが、私や才籐では

手に負えないでしょうね。

ただ、それ以外に目を引くものはありません」

とメープルは嘆息した。


「それほどかっ。

稲生は、先祖に妖怪とかなんとか

言っていたが。

よほど強い血が混ざっているのか。

まあ、面白そうな奴が増えたということか。

その力、見てみたいな」

とワイルドは、何かしら、問題が起こるのを

楽しみにしているようだった。


久々の登場、ワイルド将軍でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ