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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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魔力を感じよう

 生誕の儀の結果、魔法が使えるようになることは分かった。儀式は思ったより怖くない。その後の街歩きの方がとても楽しかった。美味しいケーキ、買ってもらった白いリボン。夢のような時間だった。疲れたけど、前より体力ついたみたい。


 今日から母様の弟子になる。私が勝手にそう思っている。魔法、魔法、魔法が使える。それだけでワクワクして夜も寝られない。

 私にも魔力があると昨日、牧師様が言った。母様が教えてくれる。まだ魔力の器が小さいが虹色なら、魔法の力は弱くても、いろいろの魔法が使えるらしい。


 5歳の時死んでいたかもしれない。そしたら母様に出会えない。生きてるだけで丸儲け。母様がいるんだから最高!に幸せなのにおまけに魔法。とても嬉しい。朝からララはドキドキしている。

ララは張り切って店の開店準備をする。母様は指を動かさない。「風よ吹け」とも言わない。


「まずは、魔力を感じようね。そして魔力を動かす。これができたら風をおこそう」


 母様の言葉にがっくりした。指動かしたら、魔法の言葉使ったら、風が起こせるのかと思ったのに。そう簡単にはできないらしい。夜な夜なクルクルして頑張ったのは無駄だった。


 おへその奥に温かな塊があるらしい。これが魔力の器。その中に固まった魔力がある。毎日。毎日。探した。探して、探して3ヵ月経った。息の白くなるような朝、お腹の中の温かな塊を見つけた。 


 次は、毎日。毎日。動け。動け。動けと願う。ほんの少しずつ動かすことができてきた。1年かかった。長かったけど頑張った。

 

 温かな魔力が血液のように体をめぐる。指先に集めることもできた。母様の前で、小さな風を起こせた。夜、明かりを灯した。コップ1杯の水を出すことが出来た。ララは病気だったせいで体が小さい。魔力の器も小さい。分かっていたことだけど、ちょっとがっがりしてしまった。

 

 母様のようにはなれない。仕方ないかな……。でも、マーガレット様が訓練を続けると魔法は上手になる。魔力量も増えるといった。それにララは力は弱くても、いろいろの属性を使える。器用貧乏!そんなことない。それを生かせるかはララ次第だって言ったもの。

  

 魔法以外にもお店に出している、傷薬や簡単な風邪薬、胃腸薬を作れるようになった。髪飾りや刺繍入りのハンカチ・エプロンも作れる。ララは心も体も、魔法の器も大きくする。 


 魔法ができたら、なんでも簡単にできると思った。そんなことなかった。生活に必要な手助けはしても、すべてが魔法でできるわけではない。ラノベの読みすぎかな?ラノベ?なんだろう? 


 ララは何かを忘れている。時々何気ない言葉や、風景が頭に浮かぶ。ララは知らないはずなのに。まぁ、いいか。今は魔法に集中。体の弱いララのために母様は、一人でも生きるための術を日々、手取り足取り教えてくれる。体調を気にかけ、教え導いてくれる。母の思いを本当の意味で理解するのは、もう少し後のことだった。

誤字脱字報告ありがとうございます

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