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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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 森の家に救助されたネイルが、ぽつぽつと話し続けた。

「ダークが居なくなったの。心配になって領主館に行ったらダークなんて息子は、いないって。だから 森に探しに出かけた。魔物が暴れていて逃げ惑ううちに・・・」

「もうマソの溜まる水はないのね」

「もっと研究したら・・・・」

俯きながら力なくつぶやく。ララは、ネイルをもう一度張り倒した。


「な、何するの」

 ネイルは驚く。赤くなった頬を抑えてララを睨んだ。ララは、一気に怒りがこみあげた。


「あなた!今の状況が分からないの! 魔物が増加して、森が荒れ地に、街から人がいなくなり、農地がなくなった。森に魔物の食糧がなくなったら、どうなるの!街に出て人を襲うの!人が死ぬの!そして次に隣の街。その隣の街。いずれは、魔物が国中を襲うの。そのきっかけをあなたが作ったの」


「だって ダークが・・・」


「まだ分からないの!ダークは、あなたを利用したの。この森と魔物の死骸を見て、何も感じないの?あなたは、森も街も破壊した犯罪者なの。あなたこそ魔物なの」


「私は、そんなこと望んでいなかった。ダークの願いを・・・」

うつろな目で ぶつぶつとつぶやく。


「まだ言い訳するの。もういい。あなたに構ってる暇はないわ。メメ!ポポ!集まったマソを減らさないといけない。マソの悪循環を止めないと」


 すがるようにララを見るネイルを置いて、メメとポポとで対策を考える。街に出ないように魔物を森奥に追い込む。森に集まったところで結界を張る。あとは、知能の高い魔物から冒険者と騎士で攻撃をしてもらう。マソを多く含んだ植物を刈り取る。

 

 魔物がアンデッドにならない様に教会から聖水を集めて、荒れた森と農地に撒いて穢れをはらう。思案していても時間がない。出来る事から始めよう。


 母に連絡を取る。魔物の事をギルドと騎士隊に伝えてもらう。メメに大神殿に転移してもらう。大司教に事情を説明して、聖水を運んでもらう。領主より王都に魔物討伐のための援軍を依頼。


 ララは冒険者や領主騎士たちと、知能の高い魔物を攻撃しながら森奥に追い込む。マソを多く含んだ植物を風魔法で刈り取る。異空間収納に収納する。魔力ポーションを飲みながら繰り返した。魔物が街に出ていかないように残った力を振り絞り結界を張った。ふらっと目眩がした。


 森の中からも冒険者や騎士の声、魔物の声、人の悲鳴、耳を塞ぎたくなる。 ぶわーと空から強風が吹いてきた。見上げれば、頭の上に島があった。


「ララ~~ママ、会いたかったです。その広場に下りるよ。よけてね」

暢気な声が聞こえてきた。子竜が、守り竜の背に乗っている。


「メメから話は、聞いたよ。森の魔物俺がふみ散らしてやるよ」

大きな声が森に響いた。それだけで魔物は、森奥に向かって移動を始めた。


「オスト領は、大丈夫なの」

「ララのおかげで大丈夫だよ。このままでは、ララが倒れそうだとメメが泣きついてきた」

「ララママ、僕緑の魔法使えるようになったの。見て見て」

「子竜よ、魔物を蔦の檻に閉じ込めてくれるかい。森は、広いから空から魔物の群れをめがけて魔法を使うんだ」

「まかせて! ララママ、見ていてね」

「我が、檻の魔物ごと踏み潰してやる。結界のおかげで魔物が逃げ惑っても森からは、出ていかない。子竜、思いっきり動いて良いからな」


 子竜が、植物の蔦を魔法で育て魔物を捕らえながら蔦を絡めて檻を作り魔物を閉じ込めた。広い森を無盡に飛び回り、魔物をとらえた檻を何十と作っている。魔物ごと守り竜が、踏みつぶしていく。ララは、魔物がいなくなった森の植物を刈り取っていく。竜の力はすごかった。人では、何か月かかるかもしれない魔物を半日で倒してしまう。


 最後の檻を竜が、踏みつぶした。

「ララ、残ってる植物を刈り取ったら、森の再生魔法をかける。ララは、聖なる癒しを共にかけろ」


 竜は、荒れた森に緑の癒やしを。ララは、ポポや森の妖精や精霊と力を合わせて、魔物の戯れを祓う。聖なる癒しをかけた。魔物の死骸は、アンテッドにならず消えて行く。刈り取られた大地に緑の芽が息吹き、見る間に森が再生していく。


「これで大丈夫だろう。我たちは、帰るから、また森に遊びにおいで」

「ララママ、またね。お菓子待ってるね」


 竜は来たときと同じように、ぶわーと風を起こして、あっという間に飛び立っていった。魔力を使い果たしたララの周りには、ポポやメメ、森の妖精や精霊が集まる。今度は、ララに魔力と癒しを与えてくれた。


 ララが、目を覚ましたのは、母の店の寝室だった。竜を見ていた冒険者が、倒れているララを街に連れ帰ってくれた。


「ララ、目が覚めた?ご苦労様。東の大森林の守り竜が来てくれたのね。騎士や冒険者が驚いていたわ。まさか、竜がお手伝いに来てくれるとは思わないから、竜が暴れたらスノウは、終わりだと大騒ぎになったのよ」

ララでさえ信じられなかったから、仕方がない。


「それから、大神殿から連絡を受けた多くの教会から聖水が届いたの。これもララたちが、手配したのよね。荒れた農地や、魔物がいた所に聖水を撒いたわ。街は、落ち着きを取り戻した」


「農地は、刈り取ったマソ入りの草を肥料にしようかと思っている」

「それは、良い考えね。マソの不足している農地には、効果的ね。体が回復したら相談しましょうね」 

母は、そっと布団をかけてくれた。


 「あっ、森の家にネイルを置き去りにしてきたまんまだ」

「こっちに連れてきたわ。ララが言ってた魔物の増加の原因の人かしら。とりあえず怪我もしていないようだから、ここに連れてきたわ。部屋で休んでもらっているの。ララが、一番事情がわかっているから。彼女を領主館に連れて行ってあげて。


 アイザックから人というか妖精?鳥?魔物?なんか沢山来ているんだけど

どうしたらいいの?」


困り顔の母の後ろにセバスが顔を出していた。

「ララ 魔力ポーションもっと飲む!?」

ゼリーが、ぽよ~んと跳ねていた。

誤字脱字報告ありがとうございます

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