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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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60   穏やかな日常 

 守り竜も子竜も元気になった。ララたちは、少しづつ転移の転移の回数を減らした。子竜が、人に慣れすぎて守り竜として、生きていけなくなってはいけないからだ。子竜も分かっているようで、泣く事はなくなった。アイザックでの生活が戻ってきた。


 みんなとご飯を食べ、午前中は高級ポーションを中心に調剤、お店に出すハンドクリームに、最近化粧水に顔用のクリームも作りだした。精霊たちが、花のエキスを集めてくれるので香料を作ることが手軽にできる。それぞれの品に、希望の香りを追加できるようになった。


 お店には、お茶のコーナーが増設されていた。ジュモーとモッジがせっせとお菓子を作って、喫茶店を起こしていたのだ。ベガの作ったハンカチやスカーフは、若い女性に人気ですぐに売れてしまう。さらに余った糸でコサージュなど作っている。妖精たちは、大きな籠に銅貨や銀貨を山のように載せて「ララこんだけ稼いだよ」と手渡してくれた。


 彼らにはお金は使い道がない。ポポやメメ、泉の女神と相談した。ララの家の裏の空き地を買って、そこに木々や花を植え、池も作って、妖精や精霊が、自由に過ごせる空間を作ることにした。ララが土地を購入しただけで、あとは皆が、どんどん参加して作り上げていった。植えた木々は、どんどん大きくななり、花々は季節に関係なく咲く。小池には、泉が湧き、清らかな水をたたえる。木々の間の小道を歩くといつの間にか森に出ていた。

 

「おかしいんじゃないの?」

「気にしないの。森に入れるのは、限られた人だけ。だって街中に大きな森は作れないだろ」

「森の仲間も、ララのとこに来たいんだよ。だから気にしない気にしない」


ポポもメメも楽しく裏庭を作っていた。リゼルさんは、天気の良い日は裏庭でお茶をするのも良いかもと椅子とテーブルを設置する。サマンサさんやフィアおばあさまが来て楽しくお茶をしている。リゼルさんは精霊に好かれている。彼女の周りに時々集まってお菓子を貰っている。不思議な裏庭は、外からは、普通の木の多い庭にしか見えない。夜になると、森から妖精や精霊、ベガ(蜘蛛)の友達もやってくる。蜘蛛は、勘弁してほしい。 


 定期的に冒険者ギルドにポーションを納品している。帰りにロッジおじんと話をする。東の守り竜のことも良く知っていた。フランク国の四方の大森林には守護するものが存在する。今の若い者は知らないだろう。竜なんて素材集めか腕比べだと思っている輩もいるくらいだ。だが竜に会えることはめったにない。会ったら生きて帰ってはこれないだろうと話してくれた。ロッジおじんに裏庭の事を話した。


「ララじゃ仕方ないな。妖精も精霊も気ままな者たちだからな」

ロッジおじんと裏庭から、森に採取に出かけることが増えた。


 ララの住むアイザックの森の近くの街フォレストアインジャン(森の入口)では、夏祭りがある。今年は、店の前に夜店を出さないかと リゼルさんに誘われた。お店も軌道に乗ったので、参加してもいいかも。最近バタバタしていたので、お祭りに参加は、みんなも楽しいかも。リゼルさんは、ここで喫茶に出しているお菓子を出したらよいと言ってくれた。お祭りといえば、食べ歩きが楽しみ。


 木の実や果物に串を刺して、蜂蜜絡めて軽く乾燥させてる。小麦粉で薄皮状に焼いてアイスやカット果物を巻き付ける。可愛い木のカップに氷の入ったジュース。小袋に入れた焼き菓子、一口ケーキ、みんなで、相談。決まったものを商業ギルドに申し込んで、お祭り参加となった。

 

 まずは、試食。それぞれを作って食べてみた。世の中甘いものが少ない。そのなかで、蜂蜜を潤沢に使えるのは、森の仲間のおかげ。沢山の試食品は、それぞれの仲間の所に運ばれていった。もちろん大歓迎だった模様。お祭り前に、アイスも蜂蜜漬けもジュースもお菓子も沢山作って、保存しておいた。残っても、食べる者は沢山いるので困らない。


 お祭り当日、店前にテーブルを出し可愛い若葉の模様の入った布を掛けた。クレープを焼く台をとジュースの樽を設置した。蜂蜜果物は、串を個別に並べて立てかけた。クレープは、焼いているのを見せた方が、楽しいというので、ララが焼くことにした。試しに、クレープを焼いて、アイスとカット果物を巻いていると子供が並んでいた。1個5鉄貨の表示をしてあった。手には小遣いを確認している子供がいた。


 夜の祭りは、親と一緒でないと参加できない。昼間は、一人でもお買い物できる。お祭りは、子供にとっても楽しみなのだ。


「食べてみる?」

「これで買える?」

「大丈夫よ。あったかいけど、冷たいからね。果物は、大丈夫?」

握られた5枚の鉄貨を受け取り、出来立てを葉で包み手渡した。柔らかなクレープを両手で受け取り そっと口に運ぶ。

「甘ーーい。冷たい、美味しい‼」

周りの子供が 息をのんで反応を見ていた。

「こんなの初めて、美味しいです」

食べながら、色とりどりに並んだ蜂蜜果物を見ていた。それからは、子供たちが並んでいるので、開店前なのにクレープを作り続けた。


子供たちは、普段小遣いなど使うことも貰うこともない。慎重に品定めをする。女の子なら 可愛い髪飾りやリボン 男の子は、串焼肉だ。大人は、夜店でもう少し高額の物を購入することが多いい。ギルド近くの広場には、お祭り目当てのお店が多く出ている。


 ララは、祭りを楽しむ多くの人の笑顔と笑い声に、穏やかな日常が大切に思えた。お祭りに行けない私のために、母はお砂糖菓子を作ってくれた。雲のように軽くてふわふわして甘いお菓子だった。口に入れたらすぐに溶ける。不思議なお菓子だった。思い出したが、作り方を知らない。今度母に聞こうと思った。忙しくお店を切り盛りして、夏祭りは、終わった。大成功であった。


 そんな穏やかな日々を送っているときダリアから手紙が届いた。王都にいるはずのネイルがいなくなった。確かもう一度学園に行って薬師の資格を取ると言っていた。ジークの双子の姉だったはずだ。同級生であったがあまり接点はなかった。


 学園の寮に入っていたが、自宅から外出したまま行方が分からなくなった。寮には、荷物を残したまま。後日、心配しないでと知らせがあったらしいが、家族も学園も大騒ぎになっている。

 普段から実家に良く帰っていたので寮を不在にしても心配していなかった。学校を休む日が続いて大騒ぎになったようだ。色々調べても分からなかった。


 ネイルは魔法薬を作れるようになりたいと話していたようだ。ネイルには魔力があるが魔法薬を作るほどの魔力はないはずだ。数年の間に魔力量が増えたのかもしれない。そんなことはめったにない。ネイルは薬師2級も取っていない。家族も突然のことで驚いている。このことが、自分に深くかかわることになるとはララは思っていなかった。

誤字脱字報告ありがとうございます

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