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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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 ララは、悩んでいた。教会に生誕の儀以外は行ったことがない。まして大聖堂なんて勝手に行っても入れるのか。もともと、教会はララは避けていたところだった。でも悩んでも仕方ないので大神殿に向かうことにした。メメは、女将の仕事でいない。


 宿からも見える大きなドームと鐘楼を目印にゼリーと歩き出す。歩きながらお店を見たり、屋台で串焼き食べたりしながらてくてくと歩いた。宿から見えたのにいくら歩いてもたどり着かない。少しずつ建物は大きくなっているようだ。やっと大通りの奥に教会が見えた。


 生誕の儀で行った小さな教会と違って大きい。中央の大きなドームと左右の小さなドーム。その間に尖頭がある建物が組み合わさった建物だった。大聖堂の階段下で見上げたら空の半分以上が教会の建物だった。領主館も大きいと思ったが桁違いだ。履き清められた石階段を上がる。訪れる者拒まずの姿勢か両開きのおおきな扉は開いていた。ゆっくり、恐る恐る入っていくとその先に太い柱に囲まれた礼拝堂が広がっていた。


「お祈りですか」 

長い黒い服に短めのストラをつけていた聖職者が声をかけてきた。 

「あの、大聖堂は、初めてです。実は大司教様に会いたいのですが」

「どのようなことでしょう」

「魔を祓ってもらいたい物が、あるのですが」

「そうですか、今日来て今日は、難しいですね。こちらに願い箱があります。これに願いを書いてください。来月の初めに祈りに来ていただけますか」

「来月ですか?分かりました。願い箱に書いて入れていきます。ありがとうございます」


 お礼を言って紙にお願いを書いた。魔のこもった薬の小瓶のお祓いをお願いしたいと書いて願い箱にいれた。その後、青の森の復活を祈った。帰りにお布施をして教会を出た。そうだよね 大聖堂の偉い人にそう簡単に会えないよね。来月もう一度来てみよう。


 私は大聖堂の助祭の一人です。大聖堂は、大祈禱祭や四季のお祭りや生誕祭などの大きな行事以は、門を開いていることはない。なんで今日正門が開いていたんだろうと思いつつ扉近くに行った。女の子が、一人で大神殿に入ってきた。思わず「お祈りですか」と声を掛けた。驚いた様子だがすぐに大司教に会いたいなどと告げてきた。知り合いではなさそうだったので用件を聞けば、お祓い希望だった。

 

 慌てて大司教に連絡とることもない。願い箱を説明した。彼女は素直に書いて投函していった。よくあるのだ。呪いを解いてくれ、運気を上げてくれ、加護が欲しいなど。感謝をして祈りをするところなのに欲にまみれた者が多い。


 しかし彼女は違った。帰り際にしっかりお祈りをしていた。それ自体は普通のことだが、祈っている間 彼女の周りは、キラキラと輝いていた。神からの祝福の印だった。聖職者でも真摯に祈り勤めをする者が祝福を得られることはあるが稀なことなのだ。彼女が立ち上がる時には光の粒は消えていた。声を掛けようか悩んでいるうちに教会を出ていった。



 私は、王都の聖堂を預かる大司教ベネクト。長い白い髭のせいで白髭じいと若い者に陰で呼ばれている。まあ愛称があるのは好かれているからだと思うことにしている。長い年月教会に勤めているうちに 大神殿の大司教になってしまった。


 私は、地方の助祭で終わりたかった。洗礼や生誕の儀、信者の悩みに寄り添い、神の教えを伝え導く、地元に根差した毎日が送りたかった。今は毎日国の安寧と民の幸せを神に感謝とともに祈っている。そして 書類仕事に追われている。


 ところが数日前夢を見た。素晴らしいことにアルメーラ様の夢だった。世界神の一人 アルメーラ様は、『わたしの愛し子が届ける小瓶の中身の魔を祓ってほしい』と言われたのだ。愛し子は、男か女か、大聖堂で祓わねばならぬほどの魔の物はいったい何だろうか。それからは気になって気になって夜も眠れない。いつ来るのかアルメーラ様に伺いたいがどうにもならない。


 魔物の汚染、アンテッド、悪霊、呪い、いろいろのものが魔を祓う対象になる。だが大神殿に持ち込まれるものは少ない。どちらかというと どうでもいいものが貴族から持ち込まれるこの方が多いい。良縁を探せ、病を治せ、子供を授けろ。


 教会で最近大掛かりに魔を祓ったのは、2・3年前アイザック領で、森が魔に汚染されたときのこと。ブラウニー領の教会から禁術を使った物が上がってきたばかりだ。そう頻回にあることでない。そのものも瘴気は残っていたがそれほど難しいことではなかった。それ以外にも古城からのアンデッド、遺跡から発掘物、呪いなど報告は上がっていたがすべて地方の教会でことたりていた。戦争が終わって穏やかな治政が続いている。だが平穏の中に魔は忍び寄ってくるものだ。そして魔を招くのは人なのだ。


 大司教ベネクトは、執務室で書類仕事をしていた。公的な行事は枢機卿に任せているのでその分書類仕事が回ってくるのだ。皇教や王室・貴族と社交には私は向かないのでどんなに書類が増えても乗り切れる。そんな時 礼拝堂に光の星粒がキラキラと降りていた。もしやと思い階下に降り礼拝堂に駆け寄った。


「今誰か祈りをあげなかったか」

「女の子が」

「どこに行った?」

「今出たのでまだいると思います」

「悪いが彼女を迎えに行ってくれないか」

助祭は走って外に出ていった。お互い走ってはいけないが 今回は許していただきたい。


 ララは、大聖堂を出た後もう一度見上げていた。教会に囲われぬようにと師匠のとこに弟子入りしたことを思い出していた。なるべく教会に関わらないようにと回復魔法も使わないようにしている。まさかお世話になるようになるとは思わなかった。などと思っていたら 先ほどの助祭様が、小走りしてこちらに向かいながら手を振っている。


「お待ちください。先ほどは失礼しました。もう一度礼拝堂におこしいただけませか」

息切れしながら話しかけてきた。慌てた様子なので先ほどの礼拝堂に戻っていった。


「ありがとう。助祭様、疲れたでしょう。休んでください。彼女は私が、対応します」

と言って白いアルバに紺色の前開きの長いカズラを着ていた聖職者が、声をかけた。追いかけてきた助祭様は、気にしながらもその言葉でこの場を去った。穏やかだが威厳のある白い髭を蓄えた老人がいた。


「こんにちは。初めまして、大聖堂を預かる大司教ベネクトといいます」

「初めまして、薬師をしていいるララといいます。アイザック領に住んでいます私は、ブラウニー領のブラウフォレスト青の森から来ました」

「あなたがみえるのは、アルメーラ様から伺っていました。すぐにお会いできずご迷惑を掛けました。詳しいことは、ここではなく奥の応接室で伺いましょう」

そう言って前をゆっくり歩き始めた。

誤字脱字報告ありがとうございます。

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