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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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51   王都目指して

 青の森で行った森の回復宴会の翌日。ララとメメとゼリーは、王都を目指すことにした。ポポは、最後まで一緒に行くとぐずったが、コロに諭されフォレストルミノに帰っていった。メメといえど王都までララたちを連れて転移が出来ない。駅馬車を乗り継いでいくことにした。


 お金はカバンに入っているのでどうにかなる。いざとなったらカバンの中の物を売ればいいか。王都へ向かう馬車を探すと直行便はなく領のところで乗り換えるらしい。王都からアイザックはすぐ隣なので乗り換えが無かったのだ。

50代の御者が居る馬車に乗り込んだ。メメは膝の上で静かにするように頼んだ。ゼリーは、ポケットの中にいる。

 

「嬢ちゃんひとりかい」

「私これでも成人越してるの」

「ありゃ、すまないね」

「心配してくれてありがとう。王都に用事があって出かけるとこなの。よろしくお願いします」

と言いつつお菓子袋を渡した。


「おっ、ありがとう。今のところは老夫婦と同じくらいの女の子が乗る予定だ。あとはエレメンタリーで警護の冒険者が合流する。俺は、王都まで一緒だからよろしくな」

良かった御者さんが、王都まで一緒なら乗り間違えはない。ほっとした。『ララ気を抜くなよ』とメメがじろりと見た。


「ご一緒させてもらいます」

馬車の出入り口のドアが開く。声かけながら、おばあさんが乗り込む。後ろからおじいさんが大きな荷物を抱えて乗り込んできた。そのあとにピンクの三つ編みをした女性が、乗り込んできた。


「わー可愛い 私猫好きなの」

突然しゃべりだし、メメを抱きかかえようと手を出したした。


「ギャー痛い!なにこの猫魔物じゃないの。一緒に乗れないなら捨ててきてよ」

「お姉ちゃん。猫はなれん人には爪を立てるのが当たり前じゃ。声も掛けんで抱こうとするからよ。さっきまで静かに寝ておった」

「だって」


「ごめんなさい。これ傷薬使ってください。この子メメといいます。普段は静かな猫なんです。初めての旅で少し気が立っているかもしれません。私がしっかり捕まえています」

「私も悪かった。薬貰ってあげる。隅っこに座って猫近付けないで」


 なかなか気の強い人だった。御者の合図で馬車は走り出し静かな振動が体を刺激する。誰ともなくうとうとしてくる。ララは窓から移り行く景色を眺めていた。事件のせいで街を見てまわる暇なかった。事件が無かったら森で珍しい薬草などを収穫したかった。でも事件が無ければ国の西の端に来ることはない。採取できなくても仕方なかったと、取り留めないことを思っているとブロウ街に着いた。今日はここに宿泊だ。明日は、早朝に出立して隣の領に入る予定だ。


「おじいさん、荷物重いでしょ。宿まで持つわよ」

と先ほどの三つ編みの女が、無理やり荷物を取ろうとした。

「わしらは、金がないから、この馬車にとめてもらうつもりだから」


「ちぇ」と声がした。ララの方を向いた。

「わ・わたし猫いるから馬車に泊まる」

「けち臭いな~」

三つ編み娘は馬車から降りて行った。


 馬車は同じ方向に行くいくつかの馬車や荷馬車が、固まって移動する。単独は魔物や盗賊に狙われる。中に警護担当の冒険者が、乗り込んでいる馬車が必ずある。持ち回りで代金を負担するらしい。


「あのお嬢さん、カモ探しに行ったようだね」

「カモ?」

「あの子若作りしてるけど30は越しているね。旅の途中の宿屋、食事代を寄生するんだよ。たまにいるんだ。金持ちでも見つけたら騙して金でも巻き上げるだろうな」

「爺さん、余分なこと言わないの。ごめんなさいね。爺さん若い時騙されてるから」

「余計なこと言うなよ」

仲良い夫婦は見ていて楽しい。夫婦は荷から固そうな干し肉とパンを出していた。

 

「もし良かったらこれ食べませんか」

ララが、出したのはゼバスチャンが入れてくれたサンドイッチ。 

「コップお持ちですか?スープもどうぞ」

「あら、こんなに美味しいもの頂いていいのかしら。私たちは、明日エレメンタリーで降りるの。あなたはまだ先が長いのでしょ」

「大丈夫です。家の者が、沢山作ってくれたので」


 遠慮する二人に手渡し、御者さんにも渡した。美味しく食べたあと一度馬車を降りて体をほぐした。メメはふらふらと散歩に出た。ゼリーはポヨンと跳ねていた。翌朝三つ編みの女は、帰ってきた。出発してラッパーの街を超えてエレメンタリーに入る。老夫婦は、ここで降りて行った。娘さんに子供が生まれたので会いに来たのだ。大きな荷物はおむつや産着 食べ物でお土産に持ってきたものだった。


 エレメンタリーから警護の冒険者2名と商人三人が加わった。警護の冒険者の一人は、御者の横にもう一人は、出入り口の席で後方を確認していた。三つ編み女が商人風の三人の中で一番若い男に声かけた。


「ねえねえ 何処に行くの」

「えっ、王都に」

「私もなの。何の商売してるの三人一緒?」

「王都に店を持つ。痛て」

隣の男がこづいた。

「余計なこと話すな。いつも言われてるだろ。お前は口が軽すぎる」

「すいません」

「そんなに怒らなくても これから一緒に旅するんだから 仲良くしないとね」


 三つ編み女はララの方を見た。まるでララも仲間のように。ララは無言で外を見た。それからも、何か聞き出そうと声を掛け続けるも話は進まず馬車の中は静かになった。

 冒険者は、馬車隊の警護を数人で担当しているので夜は野営する。商人は、街に出かけた。女は、そのあとを追いかけていった。ララはメメとゼリーに守られて馬車に泊まった。


王都前の最後の山道で、急に馬車が止まった。警護の冒険者は、外に出た。

 

「ここにいてください。決して馬車から出ないでください。盗賊だと思うので」

『ララ10人ほどの盗賊だ 冒険者6人で大丈夫だろう』

「キャーどうしよう私怖いわ」と娘は商人にすり寄る。

「静かにしてくれ。旅には盗賊はつきものだ。警護の冒険者もいる」

年かさの商人が、低い声で話す。


『ララ 盗賊が増えた。馬車隊に中に仲間がいたようだ。ちょっと様子見てくる」

メメが消えた。慌ててまわりを見ると先ほどの年かさの商人が、目をむいていた。あっ、見られた。さすがにこんな時、相手も声を上げなかった。バタンとドアに何かがあたりドアが開いた。


「おおー、ここにはかわいい姉ちゃんが居るね」

血の付いた剣を持ったごろつきが顔を出した。騒ぐ女と盗賊に気を取られた隙に魔力弾を撃つ。「ウっ」と言って、乗り込もうとした盗賊が、あおむけに倒れた。あけ放たれた扉の向こうで、冒険者が戦っていた。怪我をしている者もいる。


『ララ助太刀してくれ』メメの声。すぐさま馬車の外に出た。倒れている御者にポーションを飲ませる。向かってくる盗賊に魔力弾を撃つ。怪我をした冒険者にもポーションを手渡した。さすが護衛を任されている冒険者ポーションを飲んだらすぐに盗賊に立ち向かっていった。ララも魔力弾を撃ちながら 怪我人を探してポーションを手渡し続けていると少しづつ優勢になってきた。前方より騎士隊が来て、あっという間に鎮圧した。


「遅くなってすまなかった。怪我人はいないか」

彼らは、モンブル領の警護隊であった。以前より盗賊が出没していたが、なかなか捕まえることが出来なかった。襲われた者は、攫われるか皆殺し、物は、盗まれて行方が分からずで手こずっていたようだ。生きている盗賊は、縄で縛られ死んだ者は穴を掘り埋める。


「急いでいると思うがこの先の街で事情を聞かせてくれ」

警護隊に先導され5台の馬車が街に向かった。

誤字脱字報告ありがとうございます

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