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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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 門からの大道りを歩いていくと、冒険者ギルドが見えた。冒険者ギルドは、大体作りは似ている。両開きのドアを開けて中に入る。ベテランそうな受付嬢に声を掛ける。


「こんにちは、他所から薬草の採取に来ました。この森の情報が欲しいです」

「いらっしゃい。初めてなのね。ギルドカード見せていただいても?」

ギルドカードの確認。最下ランクEなので威張れたもんではない。ちょっと恥ずかしい。

「ランクEで、南から西に来たのですか。運が良かったんですね」


「あちこち回りながらゆっくり旅をしてきました。狩りが得意でないので採取系の仕事を主にしています。今日は、森の様子を調べたいのと、果物や薬草を納品したいです。値段にもよりますが」

「有難うございます。もしよろしければ右の奥が素材担当になっています。ご利用ください。森の情報ですね。森が元気がない。原因はわかりません。ギルドや領主が中心になって今調査してます。もうしばらくすれば、分かると思うのですが」

はっきりしない口調だった。


「いつ頃からですか」

「半年前ごろから、徐々に薬草や木の実果物の採取系が少なくなりました。おかしいなと思っていたら、魔物系が活発になって、森が荒れてきた。今は、攻撃力の弱い方は、一人で森に入らない方がよいと思います」


「半年前ね…1年前ごろから変わったこと。よそからの冒険者が増えたとか、街で何か変わったものが売れたとかは、ないですか」

「えーそうね 森に新しく入ったのは・・まあ冒険者が多いけど そうそうここの街の貴族のワインダー様の私兵が、森に入ったことぐらいかしら」


「どうして森に貴族の私兵が」

「なんでも珍しい動物や植物を集めているんですって。本来ギルドに依頼するんだけどね。生け捕りしたいらしくて。でも捕獲したとは聞いていない。今は、森に入る回数は少なくなった。前は頻回に森に入っていた。貴族のすることに口は挟まないから」


「すごいのね。人に頼まず自分でするなんて。素敵な方かしら」

「いや、素敵という年でないよ。もう老人と言っていい年だと思う。でも最近は羽振りが良いみたい。跡取りも決まったみたい」

「ふーん。貴族にかかわることない。ありがとう」

何気ないふりして右奥に向かう。素材売り場には話し好きそうなおじいちゃんがいた。


「こんにちは、前の町で仕入れた薬草・木の実があるんですけど買い取ってもらえますか」

「久しぶりのお客さんだ。何を卸してくれるんだ、最近ここに来る人がいなくて暇だった。売っていいもんなら見せてくれないか」

「これ蜂の巣、魔力草、アマドコ、オトギ、なんてどうかしら」

話つつカバンから出して、テーブルに並べていった。


「おおー素晴らしい!新鮮だし、品質も最高級品だ。これでポーションが作れる。貴族が、買い占めするから常時材料不足なんだ。これらが、青の森で採れたら良いのにな…採取の仕方もいい。保管も完璧。

金貨1枚でよいかな」

「えっ、高くないですか」

高額にびっくりしてしまった。


「最近取れないから、生は高値なんだ」

「ポーションが無いと冒険者は困りますね」

「そうなんだ。街に薬師が少ない。人も物も不足しているんだ」


「森が、暗くて、じめじめしているのは、最近ですか?」

「そうじゃの。ここ1年前ごろから、採取品の品質が落ちてきて、半年前から、森からの納品は無くなった。森から流れる川の水も濁っているしな。街全体が、よどんでいる。余計なこと言った」

きまり悪げにテーブルの上の薬草などを片付け始めた。ライはわざと声を上げた。


「あっ、この子の登録するの忘れてた」

「おっ。珍しいな。カーバンクルの赤ちゃんじゃないか」

「森で倒れてた所助けたら、懐かれちゃったの」

「大事にしな。おでこの星を欲しがる者もいる。登録は、わしでもできるから この紙に名前やいた場所を書いて、カードを寄越しな」


 慣れた様子で手続きしてくれた。メメと同じ黄色のメダルをよこした。これが登録済みの証明になる。メダルを首にかける。


「ありがとうございます。ところで、おすすめ宿を教えてください」

女の子一人で従魔連れならと、乙女亭を紹介してくれた。


 おすすめの宿。乙女亭は名前通り女性の利用が多い。お風呂も付いている。部屋はこじんまりしているが、衣類棚や小テーブルに椅子のセットが置いてある。料理もおいしいらしい。転移して森を歩き回り、ギルトで慣れない情報収集、くたくただったので、ちょっとお高いが、ここに泊まることにした。


「ララ、メメは街中の猫から情報を集めてくるよ」

「気を付けて、お手伝いの猫さんたちに、お礼は何がいいかな…」

「猫にはチーズだよ!セバスが、沢山持たせてくれたから、これ使うよ。おい!アルマン!ボーっとしてるなよ。お前は俺の代わりにララを守れ」

アルマンの返事も聞かずにメメは転移していった。


 アルマンは、森に棲んでいたので、街の中は初めて。不安でララの腕にしがみついた。メメは、なかなか帰ってこない。アルマンは、メメを待つことなく寝入ってしまった。翌朝メメが帰ってきた。


「ララ街から、薬師もいなくなったけど、若い女の子も数人いなくなっている。街から出た様子はない。女の子は若い男に誘われて出かけたあと、自宅に帰っていない。この街の北側にワインダー男爵の屋敷がある。それなりに大きな屋敷なのに人気がない。薄暗く、嫌な臭いもする。そこは小さな庭や木々が沢山あって猫もだけど小動物もたくさんいたが、今は何もいない。屋敷の近くの川は、魚も住めない」

メメは話した。


「動物がいなくなって川が死んだようなら、森と一緒だね」

「たしか、森に入ったのは、ワインダーの私兵と言っていたよね」 

「アルマン今度は街の木々にいる動物から情報集めてこい」

引っ付きむしのアルマンしぶしぶ返事をする、


「わかった」

「アルマン!今回の目的を忘れるな!お前も森の守りだ。しっかりしろ!」

メメが怒る。

「アルマン。小リスになって、木から木へ転移して」

「ありがとう。行ってくる」

メメの言う通りだ。自分を助けるためにポポたちは…森の仲間が居なくなり不安で仕方なかった。今は一人ではない。アルマンは、素早く窓から木の枝にわたり、駆け出して行った。アルマンの姿を目で追う。

 

「メメ、なぜポポは、遠くの青の森に来ていたの?メメでも連絡取れないよね。ポポたち捕まっているのかな。アルマンが、自分をララの所に送るのに力使い切ったせいで戦えなかった。と言っていたけど」


「ララ、知らないのか?ポポはこの世界を管理している神々の中の自然を司るアルメーラ様のお使いなんだ。最近代替わりした新米なんだ。ポポは、国中の森を見守らなければならないんだ」


「ポポ一人では無理でしょう」


「それは無理だけど。泉の女神や、アルマンみたいのが、それぞれの泉や森を守る。子分?みたいのがいるんだ。今回みたいな大事の時にしか出向かない。だからポポは、よく森に出かけていただろう」


「そうか、てっきり遊びに行っているのかと思っていた。それだけ森が危ないんだ」


「人が思っているより重症だね。森が消滅するかもしれない。森がなくなれば、荒れ地が生まれる、荒れ地から植物は育たない。森がなくなれば、水が汚れる。雨水は留まらず濁流となる。妖精も精霊も住めなければ、いずれは死の大地になる」


 フランク国の四方に大森林があるのは、国を守り国土を豊かにするため。アルメーラ様が、人と自然が共存できるような地にしたいと願ったのだ。もちろん、アルメーラ様だけではない。世界の管理者が、協力してくれたから今がある」


「世界の管理者は、ほかにもいるの?」

「いるよ。最高神は創造の大神様だけど お酒の神・火の神・風の神・水の神・大地の神、命の大神、もっといるかもしれない。アルメーラ様は大森林を守ることで、自然界を管理しているんだ。他の神々と助け合っている。俺は、森に関したことしか知らん。ララは、命の神とアルメーラ様の加護が付いてるよ」


「加護?」

「神様に愛されてるってこと」

「ふーーん。分からないな」

「まあ、そんなことはどうでもいいよ。水鏡で連絡した?」

「あっ、忘れてた。昨夜寝ちゃった。メメ休んで疲れたでしょ。アルマンが、戻ったら起こすね」


「ゼリーもメメとお布団で寝て、昨夜はずっと見張りしてくれていたね。

メメ朝ごはんまだだね。何がいい?」

「ドライフルーツケーキ、蜂蜜たっぷり」

「朝食だよ」

「頭脳労働は甘いものが必要なの」


 セバスチャンは、メメのことも分かっていて甘いものが沢山入っている。テーブルにケーキを1本出したら睨まれたので2本と魔法瓶。ゼリーはメメのケーキを指さしたので同じものを用意した。早々たいらげ、二人はお布団に潜り込んだ。 


 ゼリーは、透明な体の中に白い核がある。透明のゼリーの中でケーキがゆっくり溶けている。満腹になると、ダラーと水たまりのようになって寝落ちする。いつもはツリーハウスの自分の家で、寝てるのでこの姿を見るのはめったにない。メメとは食べ物繋がりで仲が良い。頼りになる二人、お休みなさい。

誤字脱字報告ありがとうございます。


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