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同居人が増えていきます
違反冒険者が見つかった。
5人組の密猟者でケットシーを捕まえに来た。あと少しの所で取り逃がし依頼者に違約金を払わされた。それからは何をやっても上手くいかない。
いつもの簡単な依頼さえ石に躓いて魔物に気づかれ逆に襲われた。武器は壊れるは腹は壊す。女には振られる。金はなくなる。
それもこれもケットシーを捕まえそこねたせいだ。腹いせに森の女神の泉を穢した。
「女神の泉なんか関係ない。汚れを落とすのに利用しただけだ」
魔物からは必要なとこだけ回収した。こんな奥地ほっといてもほかの魔物が処理してくれると泉の近くに放置した。
まさか瘴気を生むきっかけになるなんて思わなかったらしい。女神の泉は森の水源だ。そこが汚染されれば森は死んでいく。密猟だけでも罪は重い。
冒険者達は領主預かりになる。教会の浄化費用を払わなければならない。 せっかく高ランクになったのに冒険者資格は剥奪。全財産没収。鉱山労働が死ぬまで続く。とロッジおじんが教えてくれた。
泉の浄化は教会が請け負うことになった。魔物の穢であるから聖水を広域に撒く。泉にも聖水を入れ祈りをささげる。女神に許しを請う。
瘴気のお祓いは聖女の勤めでは?と思ったら、今回は場所が限定されているので教会で大丈夫とのこと。
聖女見てみたかった。聖女って黒目黒髪異世界召喚?て聞いたら、金髪で青い目先代王様の末娘。王都の大聖堂で暮らしている。落人とは違うようだ。
教会が戯れを払った夜 ポポが鳥を背に乗せて
『ララ、女神が泉に一緒に来てほしいって。
泉の浄化が完璧でないんだって』
「ララ力貸してやれ。お前にしかできない」
偉そうにメメが言う。コロがうなずいている。
「この時間だと門は、閉まっている。
夜は魔物が活発で危険って前言ってたよね」
「大丈夫。今日は女神がいる。魔物は静かになる。転移で移動する」
メメが私に抱き着く。鳥が肩に乗った。
グニュッと視界が歪んだ。気が付いたら青い泉の前に立っていた。
前は黒く汚染されていた。今は森は静かで泉は青い。
肩の鳥が泉の中央の浮島に飛んでいった。
『ララ、女神様が最後にこの浮島に聖魔力をかけて欲しいって』
私は鳥のように飛べない。浮島は泉の真ん中までは魔法でも届かない。
転移で行くのか?
『ララ、ここは転移使えない。ポポの背中に乗って。俺が運んで行く』
ポポの背に跨るとポポは静かに泉の上を歩いていった。
泉の上を浮いている。犬かきで泳いでいくのかと思った。
浮島の緑の葉は萎れている。まだ瘴気で汚染されてる。
「ポポ、浮島の地に向けて聖魔力をながせばいいの?」
ポポがうなずいた。両手を地につける。戯れが祓われるように、鳥さんが元気になるように、ポポたちが遊べる元気な森になれと願う。
両手からボワッと鈍い金色の光が浮島を満たす。浮島を中心に光が広がっていく。まだ足りない。もう少し、もう少し。
青々とした木々、碧の泉、薬草花も咲く風景が頭に浮かぶ。
ララは、意識を失った。
「ララやりすぎだ」
そんな声で目が覚めた。
ポポ・メメ・コロ・ジュモーとモッジ、みんなの顔があった。あれ?綺麗なお姉さんが手を握っている。 誰だ?
「ララ、泉の女神だ。あの白い鳥だ」
えっ白い鳥が女神⁉
「ララさん。無理させてごめんなさい。ポポに怒られちゃった。
でも、森すごく活性化されたの。瘴気は跡形もない。葉は茂り、実はみのり、花は咲き乱れてる。天界のようだ。
お礼にいっぱい収穫しておいたから。厨房の横に収納部屋作って収めておいたわ。森ももうすぐ落ち着く。
そうそう、助けたコウモリ君は、ララのとこで働きたいって。彼ね細かいことが好きなの。あと洞窟のマンマの実さえあれば幸せなんだって。
一生分収穫してあるそうよ。保管部屋結構広いから管理してもらったら。
今回のことで精霊王が感謝してたの。精霊王ががララに会いに行くかも。ポポに任せておけばいいわ」
『俺やだ。あいつら言う事聞かない。ララに迷惑かける。メメみたいなのいらない』
美しい女神は泉に帰らずなぜかツリーハウスに住んでいる。元気になって転移ができる。泉迄転移で出勤。さえずるのでなく普通に話す。
ティータイムは可愛い女の子になってお茶とお菓子を食べる。
たまに店番に参加する。良いのか?泉の女神は泉にいるべきだろう。
大丈夫だそうだ。自分の半身を泉に置いてきたから何かあったらすぐ戻る。
聖魔力が溢れてるからしばらく瘴気の心配はない。
女神はずっと森を管理していて疲れた。ブラックな職場だと言っている。
ララの魂は面白いからここにしばらく居たいそうだ。
ララは家主だ。家に住むなら働いてもらう。女神だろうが、聖獣だろうが、ケットシーが何だ。コウモリ君は三つ揃いのスーツを着た子供だった。
人の世界の執事が気に入ったらしい。
「セバスチャンと呼んでください」
うやうやしく頭を下げた。我が家の執事勤めをするそうだ。
ジュモーとモッジ二人とすぐに打ちとける。商品の管理について打ち合わせしてる。 馴染みすぎだ。
私は一週間寝込んだ。
ギルドから納品に来ないとサマンサさんが来た。風邪で寝込んでいるとリゼルさんに説明してもらった。
ロッジおじんとリゼルさんにはメメが魔力使い過ぎで倒れた。
寝たら治る。と説明した。
女神の少女とコウモリ君はジュモーとモッジの妖精仲間でここに住むことになったとメメが話す。なんとも慌ただしい新年の始まりだ。
リビングのツリーハウスが大きくなってる。家が増えている。ジュモーとモッジの家、女神(鳥)の家、コウモリの家、メメの家、スライムの家、蜘蛛の家 と住人増えてた。
空き家が3軒ある。ロッジおじんが作った時は家は5軒だった。成長している。
スライム君はゴミの片付け。蜘蛛さんは糸をはいて布を織っている。知らぬ間に我が家で働いていた。家の中も見た目より広い。
空間拡張だとメメが言った。女神がしたらしい 。
久々に冒険者ギルドに納品に行った。ピーターソンさんが2階から飛び降りてきた
「ララちゃん大丈夫? 風邪だって薬師の不養生だよ。
君一人の体でないから大切にして」
心が籠っているのかいないのか? 納品依頼書を渡された。初級ポーション10本。街の薬師が作るポーションに比べると効果が高く予約が多い。
ポーション作りに専念してほしいと言われた。さらに中級・高級を作ってほしいと無理を言われる。
街の薬師と争いたくないので他の物はお店に出そう。ギルドは錬金ポーションだけになりそうだ。
薬師1級取ってから半年。そろそろ中級ポーションを目指す。失敗しても材料は沢山ある。恵まれている。
師匠の魔道具に鑑定機があった。鑑定しながら仕事はさらに進む。
森が豊作でそれを狙って獣が集まる。ギルドは大賑わいだった。
アイザックに来て1年を迎えた。
来たときは一人だったけど今は楽しい仲間がいる。この家を買い取ることにした。妖精があちこち改築していて返すことが難しい。クロフィード様に売却をお願いした。快く承諾してくれた。
代金はいらないと言われた。ベルの治療したことで公爵様からお礼を言われた。薬代は頂いたが治療費はもらわなかった。
あれが治療だか分からない。その分を公爵様が領主様にお礼したようだ。
お金より公爵家との繋がりが出来たことが良かった。家の一軒二軒なんてことないらしい。
それでも気が引けるので樽買いの洗濯洗剤を無料で納めた。
金貨1枚分。少ないがお金は受け取ってもらえないので仕方ない。
気を引き占めて今日から中級ポージョンの作成。
アマドコ・オトギ・サンシク・黄花をそろえてと思ったら、セバスチャンが準備していた。手帳とペンをもって傍に控えている。
「記録はお任せください」
と助手ができた。薬草はどれも新鮮で、黄花は日の月に咲くように鮮やかだった。これで失敗するわけにいかない。
埃も汚れもない薬草は水洗いすることなく軽くクリーンをかける。オトギとサンシクは全草を細かく刻む。アマドコは根を洗いひげを落として外皮をむいて、棒で叩く。刻んだ薬草と叩いたアマドコを磨り潰す。
この時魔力は込めない。時間がかかるが丁寧に磨り潰す。ここで力を入れすぎると材料が熱をもって成分が変わってしまう。細かい目の布で濾す。鍋に入れ弱火にかける。細い魔力を混ぜながら煮る。
沸騰してはいけない。最後に黄花を散らして一瞬魔力を強めにして火を切る。 濡れた布の上で粗熱を取ったら瓶に詰め鑑定する。
4時間ほどかかって出来上がる。セバスチャンが鑑定機に魔力を込める。
「素晴らしいです。初めての中級ポーションAです」
初級ポーションAを5本 中級Aを3本を納品することにした。
体力・気力・魔力・時間を取られる。しばらくこれで頑張ろう。
と思ったのに1回目より2回目、2回目より3回目、どんどん効率が良くなっていった。
これは女神効果か、妖精効果か分からなくなった。
誤字脱字報告ありがとうございます。
2度目の帯状疱疹で腰からお腹が痛い。 発赤疹も出てきた。
皆様も季節の変わり目体調に気を付けてください。




