36 お店を開こうと思います
「ケットシーは自分の好きな人にとり憑くだけ。少し幸運値が上がる。憑いた人に悪いことすると人呪う。足の小指何回もぶつけたり、食べ物が不味くなったり ほんのちょっと不幸になるだけ。ただずーーーと続く。メメはポポとララが大好きだから傍にいる」
ちょっと心配したけど、足の小指ぶつける位ならいいか。地味に痛いけど。
「ララちゃん。ロッジおじんの妻のリゼルだけど、今時間あるかしら」
奥さんとはこの間会ったばかりだ 見守りの魔法に反応しないのでドアを開ける。シルバー色の艶々髪のリゼルさんが立っていた。店の中にテーブルと椅子がある。そこに座ってもらおうと声をかける。
「ララちゃん!試作品、どれも素晴らしいの。私の髪が、灰色からシルバーグレイ 近所の奥さんからどうしたのかと騒がれちゃった。問い合わせが多いけど、どうしたらいい? 洗濯液もびっくり。綺麗になるし手荒れしない。体用もお湯に溶かして体をふくとすごくさっぱりしたの。香りがほんのり残る 販売しない?」
おっとりとした奥様がすごい勢いだ。
「ほかの人にも渡してあるので、その様子でここで売ろうかと考えています。ただ、手が足りない。ギルドの薬納品もあるから誰か店番を探そうかと思っています」
「絶対売れるわ。ハンドクリームも売ってね。店番・・・いい人見つかるまで私が手伝うわ。
調剤と洗剤の作成大変だもの。店番のことは別として、お店ぜひ開いてね」
恥ずかしそうに帰っていった。
前にカレンさんにも喜ばれた。やはり女性はきれいな方が元気が出る。
「あんなに喜んでるなら店開けば。俺手伝う。ここに乗って店番できる。嫌なやつ来たらメメとポポで追い出してやる。メメも艶々になりたい」
メメの本音は艶々になりたいらしい。妖精はお風呂に入るのか?
次の日。ギルドに薬を納品に行くと、サマンサさんに声をかけられ、応接室に連れ込まれた。
「サマンサさんから聞いたの髪の液体石鹼売って頂戴」
「私にも」
「私体用が欲しい皮膚弱いの。かぶれ易いの」
「私は全部 旦那冒険者だから服が臭い汚い血で汚れる。綺麗になったのあの捨てようとした服が」
他の女性スタッフにも問い詰められる。ピーターソンさんがドア開けたけど睨まれて、そのままドアを閉めていった。
やっと応接室から出られたときは、もうクタクタ。サマンサさんが『ごめんね』と目で合図した。 多くの意見を集めようと受付嬢仲間に小分けしたのが始まりだった。今までになく使いやすい。人も洗濯物も奇麗になる。女性が黙っている訳がない、と後からサマンサさんに言われた。
「おう、うちのばあさんが押し掛けたらしいな。すまんな。店開けないと大騒ぎになるぞ。足りない物があったら俺が取りに行くから…」
ロッジおじいは奥さんに、せっつかれたらしい。
「私も売ってほしい」小声でサマンサさんがささやいた。数人なのに、毎回ギルドに来るたび攻められたら…無理だ。本気で開店準備しよう。
まずはフィアおばあさまにプレゼントしてからだ。きれいな瓶を調達して洗剤をつめる。洗剤名のラベルを付けて、使い方を紙に書く。一緒に籠に入れ籠の持ち手にリボンを結ぶ。
先ぶれを出してあったので、すんなりフィアおばあさまに会うことが出来た。近況を報告し、試作品を手渡した。
「ララの髪がきれいなのは、これを使っているからなの?さっそく今日使ってみるわね」
乙女のように目を輝かしていた。ハンドクリームをメイドさんに渡してきた。
翌日、フィアおばあさまから依頼が来た。息子たちに贈りたいと。それとおば様用に、体と髪の洗剤と入浴剤追加があった。お湯を張るのが大変だから、お風呂を使えるところは限られる。貴族や富裕層ぐらいしかお風呂を持っていない。魔石を使った魔道具を使ったり魔法士を雇ったりお金がかかる。
私はこじんまりした雑貨屋を開くことにした。午前は調剤があるし、午後は納品もある。お店に売る物も作らないとならない。午後からお店を5時間ぐらい週3日ぐらいでいいかな?一度購入すればそう頻回に購入しないだろうから。
まずは、ロッジおじんとリゼルさんに相談する。
「任せて、開店準備から手伝うわ」
リゼルさんは二つ返事で店番を受けてくれた。ギルドの受付嬢の顔に戻った。ロッジおじんは苦笑いしていた。
世間知らずのララは大いに助かる。使いやすい容器・容量・値段・商品、一つ一つ確かめながらお店の準備をする。リゼルさんのお給料はいくら出したらいいのか?
売れなかったらどうしよう?うだうだ思考が巡る。フィアおばあさまから金貨1枚が振り込まれた。多い分は、開店準備に回しなさいと注文書とともにメモが入っていた。
開店準備で忙しいある夜、ポポとメメがいつも通り森から帰ってきた。メメの方に何かいる。5㎝ほどのメイド服着た女の子。背中に透けた羽が生えてる。
「メメ、なんか連れてきた?」
「あのね、森で二人のブラウニーに会ったの。仕えていた家が燃えちゃって、お家が無くなったって言ったから家においで…」
『ララ、ブラウニーは古い家に住み着いて、その家の守る妖精なの。これからお店開いたら忙しいから・・・料理もお掃除もできる。お菓子も一度教えたら二人で作れる』
「つまり私のために勧誘してきた?食事とお菓子のために!」
ポポは下向く。
「ララ怒らないの。食事とお菓子大事。妖精と精霊に必要」
自信満々のメメはぶれない。
「「こんにちは。家事妖精のブラウニーです。ここで雇ってください。一生懸命働きます。新しいお家探してます。お願いします」」
二人?は双子か、声をそろえて頭を下げている。可愛い。こんな夜に追いだすわけ行かない。忙しくなるのはわかっているので…
「二人ともこの家古くないけどいいの?お部屋はどうするの?準備する物ある?」
「ありがとうございます。小さい箱に布でも引いてもらえれば充分です」
「何からお手伝いしますか?掃除は?今からしますか」
「ちょっと待って。夜は寝るものだから掃除は朝にしてくれるかな?とりあえず、今はおやつでも食べてお休みしてね。名前を教えて」
「「名前新しいご主人様に付けてもらう」」
「う…双子だから、赤いメイド服の子がジュモーで紺色のメイド服の子がモッジ」
合わせて双子という意味になる。
こちらの世界の言葉でない。二人のブラウニーはメメから離れて、私の周りを飛び跳ねた。
一応喜んで名前を受け入れてくれたみたい。ホットミルクに蜂蜜入れて木の実入りのケーキを食べた。 ジュモーとモッジ用のカップを用意しないと。今日はかわいい箱に花柄のハンカチを敷いて休んでもらう。家族が増えていく。人間じゃないけど。ブラウニーのハウス、売ってるかな?
翌朝、ララが朝食を作った。お屋敷の高級朝食を作られたらお金足りなくなる。台所と調剤台を分けないと。ブラウニー用の台所必要かな?そんなこと思っていたら問題ないらしい。家事は、魔法を使って済ませる。塵が躍って窓の外、ひと撫ですれば床はピカピカ。鍋が躍るし、フライパンが舞う。見ないことにしよう。きれいになって,美味しいご飯。
お菓子屋の調理場なので、魔石コンロも水場も大小合わせて3個ある。お店の出入り口の方を料理用に。保管庫近くを調剤用に。もう一つを雑貨の商品用に分けた。保管庫の中は、二つに区切り食用と仕事用に分ける。間違うことはないだろうが毒物もあるので気をつける。二人にも説明しとく。ブラウニーは優秀だった。一度教えたことはすぐに習得する。誰より頼りになる。
誤字脱字報告ありがとうございます。




