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【完結】魔法が使えるようです  作者: ちゅらちゅら
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28  アイザック領

アイザック領での新しい生活

 冬の月の終わりに卒業となった。それぞれの別れを惜しみながらも、旅立っていった。

ダリアには、王都に残らないのと泣きつかれた。多量のお菓子とつやつや髪になる髪専用の液体石鹸を渡して泣き止んでもらった。スミス先生には、俺の指導補助がいなくなると文句をいわれた。王都に来て、共に学ぶ友人が出来た。錬金薬の技術以外にも多くの事を学んだ。


 馬車に乗りカレンさんの街の反対の反対、モリナスに向かった。モリナスはアイザック領の中では領都に近く、森とダンジョンで賑やかな街。冒険者の森やダンジョンからの品物を扱う商人も多い。さらに領都に近いため治安が良い。住むにも商いするにも良い土地のようだ。クロフィードおじ様の紹介で移り住む住居は、各種ギルドが集まる商店街の一角にある。


 駅馬車から降りて、地図を片手に歩き始める。手を振るフィアットおばあさまが見えた。迎えに来てくれたようだ。王都にいるころから、亡くなった娘に似ていると、何くれと気にかけてくれる。今回の転居は、老い先短いおばあさまの我儘だからと店舗付き住居を探してくれた。目抜き通りの中央に冒険者ギルト、薬師ギルド、商業ギルドの建物が並んで立っていた。さすがに冒険者ギルドは、他のギルドの3倍ほど大きい。昼間のせいか防具や剣を持った冒険者は少なかった。


 私の住居はメインの道路より1本内側に入った、住宅街と商店街の間のやや静かな所。目抜き通りと違って小売店や小さな宿屋や食べ物屋が並んでいるのに、落ち着いた雰囲気だった。


「ララちゃん疲れたでしょ?私のとこで休んでからお家に行ってもいいのよ。本当なら わたしと一緒に暮らしてほしいのに。ララちゃんもクロフィード様もダメだって言うから・・・・」

「ありがとうございます。そこまで甘えたら自分が駄目になります。せっかく学園卒業したのだから 自分でお薬作って食べていかないと。最初から、店舗付きの住宅なんて贅沢です」

「奥様あまり我儘言っては、お嬢様が困りますよ。旦那様からほどほどにと」

お付きの執事に笑顔で諭されていた。


 母のカエデにあるお店ほどの店舗に、2階は住居になっている。以前はお菓子屋さんだったので 店舗の奥にしっかりとした厨房がある。ここを少し手を入れて調剤室に出来る。食材保管庫もある。1階奥に広めのリビングがあり、2階はベッドのある部屋が3つ。一つは主寝室らしく広い。独り暮らしには勿体ない広さだ。師匠の本や道具を置く場所に困らない。母が来ても、ダリアが来ても、お泊りできる。建物はとてもきれいな木目を生かしている。屋根が緑のため大樹の中に家があるよう。


「これが店舗の表の鍵と厨房の裏の鍵。下水道は完備されてるけど裏には井戸がある。ここのお店の決め手は、モリナスの森から流れつく井戸水があることだったらしい。こだわりが強い菓子職人らしい。 そのせいか弟子が居つかず昨年閉店した。水を使う薬作りには、良い店舗だわ。でもね、治安はいいけど女の子一人なのは心配ね」


「フィアットおばあさま。大丈夫です。私の師匠の家で使っていた見守りの魔法陣があります。師匠は色々な魔法陣を組み込んで、築150年の家を維持していましたから。それに学園で防衛と攻撃の訓練も受けて合格してます。大丈夫です」

「そうなの?何かあったらすぐに相談するのよ」

「落ち着きましたらご連絡入れて、挨拶に伺います。今日は有難うございました」

 執事に促され奥様は馬車で帰宅していった。


 まずは、風魔法で軽く風を起こし空気の入れ替えと埃を吹き出す。お掃除はしてあったようだ。各部屋ごとにクリーンをかける。寝室の窓にカーテンをかけ、服をクローゼットに収納。お布団出していつでも寝れるように準備した。


 寮に入ったばかりは制服以外1・2枚しかなかった私服が今は10枚以上ある。女の子らしい色合いのドレスまである。おばあさまが卒業のお祝いだと買ってくれた。娘の幼い頃の服だと譲ってくれた物もある。さすがに領主様のお嬢様の洋服は着る機会がない。リメイクしよう。まだ店は開けないので時間はたっぷりある。師匠の遺品の整理もしなければならない。


 寝る前に防犯の魔法陣を組み立てる。出入り口に配置して魔力を込める。これが結構魔力を吸い取る。師匠の家から取り出すとき魔力を空にしたから、う・・師匠の家の魔法陣私が知っているのだけでも5個は外してきた。男爵様はそんな余計な物あったら買い手がいないと言っていたけど。築150年だったよね。見た目きれいでしっかりした建物に見えたけど。魔法陣なかったら・・まあ考えないでおこう。私のせいではないから。防犯の魔法陣は家の敷地全体に張り巡らす。そのまま魔力切れで魔力ポーションを飲んで倒れるように寝た。


 翌日、カバンに入っていたパンと紅茶で朝食を取る。厨房の横の食材保管庫は棚が沢山ある。このまま保管庫に保存の魔法陣を設置。これで薬草や薬品が劣化することなく保存できる。食料品も大丈夫だ。さらに、厨房の出入りドア・ 薬品保管庫ドア・自分の寝室のドアに、個人認証の魔法陣を設置した。毒物を扱うこともあるので厳重管理が必要。これ全て師匠の受け売り。母の調剤室も自由には出入りできなかった。


 一応家の管理が終わった。まずは食料品を購入。近くに小売店が沢山ある。散歩がてら見てまわろう。初めての街にわくわくしながら、お買い物バックを斜め掛けにして出かけた。そういえば 随分料理をしていない。師匠の家の鍋にケトルにお玉に包丁・・・・・・包丁は鍛冶屋に特別に作ってもらった。ナイフだと使いづらい。師匠は珍しそうに握ってみた。指を切りそうで使用禁止にした。

師匠の家には仕事以外に趣味がないので仕事関係以外の物が少ない。男爵様は高価なものがあるかと期待していたようだ。老人のひとり暮らしの様子に期待外れだった。


 お店や市場、ギルドまでの道を散策した。卵とベーコン・パンとミルク・お礼に何かお菓子でも作っていこうか・・・小麦粉にバター、リンゴに砂糖、リンゴタルトを作ろうか。

誤字脱字報告ありがとうございます

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