2 私はララ
目を開けたらそこに母がいた。優しく私の髪を撫でていた 。
「ララ、わかる? お水飲みますか? 何か食べますか?」
優しい声が、柔らかな茶色の瞳が語り掛けてきた。暖かな手だ。ララは愛されているんだな。健康だったら良かったのに。心残りだったんだね。私があなたの居場所を取ってしまったのかも?そんなこと思いながら、またうとうとと目を閉じてしまった。
天国とはこんな所なのかと思う。青い空、ふわふわとした白い雲、緑の丘に色とりどりに咲く花。そこにかわいい女の子が、花冠を作っている。わたしに気付いたのか、こちらに手を振る。
「わたし元気になったの。お外も歩ける、お花も摘めるようになった。お友達もできたの。だから心配しないで。これあげる」
わたしの手には彼女が作った花冠が乗っていた。かわいい少女はお友達のほうへとかけていく。輝く虹色の橋を渡って。
少女に声かける間もなく周りの景色が消えていく。目が覚めたら部屋の中は真っ暗だった。私の横には疲れた母がうとうとしていた。
彼女の代わりに生きようと思った。いえ、私として生きていこう。
ここがどこだかわからない。もとの私は死んだんだろう。心残りも沢山あったのかもしれない。ララ、私頑張ってみます。
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