第五十六話『ミリアにゃんのライバル現わるのにゃん』
第五十六話『ミリアにゃんのライバル現わるのにゃん』
《にゃにがどうしてこうにゃったん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
もくもくもく。
「ほっほっほっほっほっ。
おぉっほっほっほっほっほ」
「——なぁんて不思議な。
不意に私の目の前へ、
白い煙が現われたと思ったのも束の間、
その中から、
不敵な高笑いまで聴こえてくるなんて——
だ、誰です! あなたは!」
「ほっほっほっほっほっ。
問われて名乗るもおこがましいが、
ワラワは『メルーサ』というもの。
生きとし生けるものすべてに愛を授ける、
聖なる愛の女神。
ありとあらゆる命が、
崇めてやまない大いなる存在よ」
じゃああぁぁん!
「——と、どこからともなく、
聞こえてきた演奏とともに、
ついに、お姿まで現わしましたか。
ふぅぅむ。
どこが目で鼻で口で耳で足で腕か、
判らないながらも、
神々しいまでにピンク色に映えた、
ハート型マークの身体からは、
『自分は愛の女神』
というだけのオーラが、
どこはかとなく漂って……はっ!
わ、私ったら霊体のクセに、
なに血迷ったことを——
んなアホなぁ!
——すみません、ミーナさん。
あなたが定番とするセリフを、
心ならずも奪ってしまいました。
すべては、
私の目の前にいるメルーサさんのせい。
なので怒るなら、そっちに——
冗談じゃありません!
愛の女神は、ひとりでたくさんです!」
「なに?
すると、
ワラワ以外にも、
愛の女神がいるというのか?」
「はい。あなたの目の前に」
《ミリアにゃんったら、いきにゃりの宣戦布告にゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「私、ミリアこそ愛の化身」
『愛』
「そのもの、
といっていい存在なのです。
これでお判りですよね。
愛を授けるのは私の役目。
どんなに神々しい光を身にまとおうが、
しょせんはあなたはインチキな女神。
出番など、どこにもありません。
こうしてばれたからには、
あなたが、
やらなければならないことはただ一つ。
とっとと、
天空の村から立ち去りなさい!」
「ほっほっほっ。
なにをいい出すかと思えば」
『井の中のカワズ』
「とは、まさにそなたのことよ」
「わ、私が『井の中のカワズ』……」
《ぼぉぜん、と立ち尽くしたもんで、つづくのにゃん》




