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第四話『お花見にゃん』

 第四話『お花見にゃん』


《美味しい食べもんをおともに、にゃん》


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


「だから、いったじゃない。

 アタシみたいにね。

 キレイなもんを鑑賞したかったって」

「ふにゃ?

 ——ウチの親友ったら、

 突如、意味不明にゃセリフを——」

「んもう!

 そんじょそこらのネコより、

 でっかい図体ずうたいしてるクセに、

 カワイく、ちょこ、っと、

 首をかしげてんじゃないのわん!

 ——ちっくしょう。

 さらり、

 といってのけたつもりだったのにぃ。

 失敗かぁ。

 ミアンったら、

 なぁんでこういうのにだけは鋭いのわん?

 ネコってこういうもんなのわん?

 ……なぁんて、

 頭の上を疑問符でいっぱいにしても、

 しょうがないっか。

 あんまりこだわっていると、

 どんなツッコミが、

 襲ってくるともかぎらないしね。

『キレイなアタシって好きですか?』は当分、

 この小さな胸の中にだけ、

 しまっておいて、っと。

 ……うわん。

 まだ、

 こちんこちん、に固まったままなのわん。

 なぁんかいってやらないと、

 ゆるゆる、と動きそうもないのわん。

 ならとりあえずは、

 本来の目的な『キレイ』のほうで——

 お花見、お花見なのわん。

 ほかじゃあ、めったにお目にかかれない」


狂喜乱舞きょうきらんぶ


「との言葉にぴったりな、

 ——意味は、さぁっぱりのぱり、だけど、

 それは内緒の緒。

 アタシだけの秘密なのわん——

 ぱぱぁっ! と咲き乱れる姿をね。

 じぃっくりのくり、に、

 この目に焼きつけたかったのわぁん」

「……はっ!

 ——にゃあんか我に返ったのにゃん。

 んでも、

『我に返った』ってことはにゃ。

『固まっていた』ってことにゃん。

 にゃあんでまたおしゃべりの最中に?

 ……まぁいいにゃん。

 過ぎ去ったことを、くよくよ、考えても、

 ネコはネコのままにゃもん。

 にゃら今は前向きに、

 おしゃべりに没頭するとしようにゃん——

 お花見とはにゃあ。

 ウチも好きにゃんよ」


『「生きる」の幸せ、素晴らしさを、

 表わすかのごとく、

 満開に咲いている花々の美しい眺めに、

 ほれぼれ、としにゃがら』


「は、いうまでもにゃいのにゃけれども」


『この世の哀れ、はかにゃさを、

 表わすかのごとく、

 悲しげに舞い落ちる花びらの雨に、

 身も心も、うっとり、としにゃがら』


「にゃあんて心持ちで、

 美味しいもんをほおばるのもまた、

 風情ふぜいがあって、

 およろしいんじゃにゃあい?」


《およろしいもんで、つづくのにゃん》


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