第三話『いざ夢世界へにゃん』
第三話『いざ夢世界へにゃん』
《いいのかにゃあ》
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「にゃあ、ミーにゃん。
ホントのホントにいいのにゃん?
イオラにゃんに黙って、
こんにゃとこまで来て」
「いいも悪いもある?」
『精霊しか入ることの許されない夢空間』
「だなんて。
そっちのほうがよっぽど問題があるのわん」
「まぁ気持ちは判るのにゃけれどもぉ」
「とかなんとかしゃべっている間に、
……来ちゃったみたいなのわん。
ほら。前方を見て。
アタシたちの周りに立ち込めている、
霧のようなもんが薄れかかっているのわん」
「にゃら、あそこが」
「多分ね」
『麗華の園』
「なのわん。
やったぁ!
ついに見られるのわぁん」
「にゃにをにゃん?」
「とにかく、すっごいらしいのわん。
ありとあらゆる霊木がね」
『自分こそは美しい、と、
主張するかのごとく咲き誇る美しい花』
『もうお別れなのね、と、
ひらひらと舞い落ちていく可憐な花びら』
「この二つを『美』の化身にしてね。
夢の競演を繰り広げてるんだって。
大精霊をもってしても」
『豪華絢爛』
「なぁんて呼ばせちゃう眺めらしいわん。
……ああんもう。
アタシったら、
あこがれの真ん前で、
なにぐずぐずしてるのわん。
さっ、ミアン。
よけいなおしゃべりはここまでにして、
早く行こっ!」
ぱたぱたぱた。
《ウチは……モチ、お伴しますのにゃん》
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ががあぁん!
「——と、がく然とするしかないのわん——
これは……。
衝撃の光景なぁのわぁん!
今、アタシの目の前では、
あり得ない現実が展開されている。
いや、いない。
いや、いる。
いや、うわわわぁん。
どっちか判らないのわぁん!」
「にゃあ、ミーにゃん。
つかにゅことをたずねるのにゃけれども?」
「なにわんなにわんなにわん?
この非常事態に。
浦島太郎が竜宮城で、
悪質極まるストーカーでも、
やらかしたというのわん?」
「にゃあにメチャクチャいってんのにゃん?
にゃあ、ミーにゃん。
あんた、
にゃあんであぁんにゃにも、
ここに来たがったんにゃっけ?」
《とネコが忘れてしまうくらいの光景を前に、つづくのにゃん》