表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/100

第一話『秘境は難行苦行にゃん』

 第一話『秘境は難行苦行にゃん』


《んにゃの、ひきょうじゃにゃいの、とは違うのにゃんよ》


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


 ちらっ。


「誰か読んでいるのにゃん?」


 ちらっ。


「誰か読んでいるのわん?」


『んにゃら、始まりにゃん!』


《長らくお待たせしましたのにゃん》


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


 のっしのっし。のっしのっし。


「ほら、ミアン。

 あともう少し。

 あとわずか。

 あと一息なのわん。

 根性、根性、ど根性で踏破するのわぁん!」

「ふにゃはにゃ。ふにゃはにゃ。

 ——こっちは、満足にしゃべれにゃいほど、

 ふらふらのふらふら、にゃっていうのにぃ。

 大体にゃあ。

 今時、

『根性』を連呼するにゃんて、

 時代遅れも、はにゃはにゃしいのにゃん。

 ネコ同士にゃら、

『にゃははっ。おっ古いのにゃん』

 にゃあんて笑われて笑われて、

 笑い転げられてしまうところにゃんよ。

 ……にゃあんて、

 体育系っぽいミーにゃんにいってもにゃ。

 まっこと、せんにゃい話にゃもんで、

 ひとりグチをこぼすにゃけ、

 にしておくのにゃん——

 んもう、ミーにゃんったらぁ。

 ネコごとにゃと思って」

「ネコごとだもん」

「あのにゃあ」


《ツッコミの余地すら与えてくれにゃいのにゃん。ぐすん》


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


「はふぅ。

 ——と目一杯、深呼吸したのわん——

 ようやっと、

『天空の村』の秘境へ到着したのわん!」

「ミーにゃん」

「おや? どうしたのわん?

 美味しいもんを横取りされたような、

 不機嫌な顔なんかして」

「のほうがまにゃましにゃんよ。

 にゃんにゃの? あれは?」


『鋭くとんがった大小の灰色岩の群れが、

 まるで記念撮影でもするかのように、

 ほとんどすき間にゃく立っている』


「にゃあんていう、

 険しい岩場の難所を踏破させたりしてぇ。

 もう行くも地獄。帰るも地獄。

『道』にゃんてとてもいえにゃい、

 せまっこくてでこぼこしている、

 合間合間をにゃ。

 ぬぐうように登りつめて、

 やっとこさ、

 頂上へと踏破した時にゃあ……、

 涙ぽろぽろ、ものにゃん」


 ぱちぱちぱち。


「——とまぁ拍手喝采なぁのわん——

 エラいエラい。

 それでこそ、ミアン。

 イオラの森のお姫さまな、

 アタシが認めた親友だけのことはあるのわん」

「んでもホントの苦難はそれからにゃった。

 ほとんど垂直に切り立った崖をにゃ。

 降りたり登ったりの連続にゃん。

 ……そうそう」


『川の中に潜ってのネコ泳ぎ』


「にゃあんていうのもあったにゃあ」


『泥にゃらけで地中をはって』


「にゃあんてぇのも……はあぁ。

 ——と想い出せば出すほど、

 深ぁいため息がもれてしまうのにゃあ——

 どれもこれも、俗にいう」

『けもの道』


「を超える難行苦行にゃった」


《ネコを大切にしてにゃ、と哀願しにゃがら、つづくのにゃん》


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ