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カナかなクロニクル リペア  作者: 逢坂さやか
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第弐拾九幕:クロエVSアリエスの遺作

揺れが収まった。

何だったんだろう。

いいや、とにかく急がないとクリューもだけど、カナも気になるし。

_あとは扉を開いて合流するだけだ。


カタカタ


カタカタ


仕組みから考えるとここをこうすればいいはずなんだけど、、、

「我を呼ぶは汝か」

目の前の扉その脇に立つ石像が目を覚ます。

「そうだ。いきなりで悪りぃが説明の暇はねぇ!

協力して欲しい!仲間がこの中で試練に立ち向かってんだ!」

「       」

暇ないっつってんのに妙な間置きやがって、、

「わかった」

わかってくれたかソイツは

「ならばその資格試させてもらう」

助からねぇぇぇ!

龍石の中の石像。

その歴史は古く、ここじゃ語り切れねぇが、

悪いな急いでんだよ!

「その昔、あらゆる魔法が失われた数百年の間に、ある彫刻家によって命を与えられた石像。

文化財を壊すのは気が引けるが覚悟してもらう!」

石像は鼻で嘲笑わらい、

「我を知るか。いいだろう、アリエス様の名の下にひれ伏すがいい!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ


まだ動いてもいない石像の気迫だけで、遺跡が揺れる。

クソッ!なかなかのソーマじゃねぇか!

山ん中のソーマ吸い上げてんのか!

「いや、これは私のものだ」

何その余裕ウザッ


シャァァァ ン


コイツとも随分長い付き合いだけど、もうひとがんばり頼むぜ?


少しばかり錆が目立ち始めた剣身を眺めて、柄をしっかりと握り直す。


カンカンッ


キンキンッ


何か変わった音がするな。

まるで金属みたいな。

「それにしても衰えないもんだな?」

あまりに強度の高い石像を相手に思わずそう溢すと、

「当然だ。アリエス様の想い、褪せることなどない!」

いくぞ!


キィィィィンッ


欠けた!

バカな。相手は石像だぜ?

「どうやら知らないようだな?」

私の体はハウザウネ鉱石で構築されている。

_?

何だって?

「およそ1000万年前の鉱石だ」

その鉱石で構築された私の体は朽ちることはない。


いいことを教えてやろう。

貴様の剣は既に折れている。


ピキピキピキ


バァァァァァァンッ


「!?」

その瞬間大きな剣が錆の辺りを中心に粉々に砕け散った。

大気中の魔素マナと大地のソーマで強化はしていたようだが、それも大した効果はあるまい。

より強固なものとぶつかれば、何れはな。


愕然とした表情のクロエはやがて口端を上げて、柄だけになった剣を投げ捨てた。


カラン


「いいもん見せてやるぜ」

「この世界は既に2回滅んでいる。知ってるよな?

これは今から二世界前の技だ」

「二世界前だと!?」

クロエは言って両手の指を何度か組み換えて辺りのソーマを探り始めた。

クロエの姿が幾重にもブレはじめ、やがて四人にもなる。

「いくぜ」

四人のクロエが消える。

頭上の四方にそれが現れ、石像を攻撃しはじめる。

「ッ」

しかしそれは全て本物で、ソーマによって作られた剣で一斉にかかってくる。


こんなものでアリエス様の想いに勝てると思うなよ!?


バキンッ


カンッ


ドンッ


ゴスッ


四人のクロエは大きく後ろへ吹き飛ばされた。

刹那、空中で旋回して勢いを殺し、足をバネにして片手をつく姿勢をとる。

その時にはクロエの技は解けていた。

「それでこそ勇者だ。だが勇者は心構えだけで為せるものではない!」

言ってくれんじゃん!


ガィンッ


残された力を片手に集中させたクロエは懐に潜り込み一太刀を浴びせた。


パキッ


「くぅ貴様!アリエス様の遺作によくも!」

人の形をとっていた衣装の袖が少し欠けた。

ハウザウネ鉱石は込められた想いの強さによってその強度を変える。

この世界最硬の鉱石であった。

稀代の芸術家アリエス・ルゥはその鉱石に想いを込めて世界各地に異物を遺して勇者の出現に備えた。

アリエスの時代から幾せいそう、永く眠っていた石像のソーマはすっかり色褪せていた。

彼の話によるとアリエス・ルゥは勇者のために鉱石を使って聖剣を打ったこともあるという。

その三振りの聖剣はここにはないが、彼はそれを継ぐのに相応しい者をずっと探していたという。

「んならあとの二人は」

必要ない。

お前を見てわかった。

「クロエ!」「クロちゃん!」

遠く聞こえてきた足音と、聞き慣れた声。

_とりあえず二人は揃ったな。

そう思うと痛みと疲れにやられてクロエはその場に倒れ込んだ。


クロちゃんショーゲキ発言です!


ファーリア2回滅んでるんですって!


そんで二回前の技使えるとかどゆこと!?


次回輝石の再会

輝石と合流した一行は山を下ります。

そのあとミーティングをした後、クロエとは別行動!?

アレ?メインキャラなんじゃ?


カナちゃんは大聖堂を経由してグジルティア公国へ。


クロちゃんはイスベルク王国から魔剣を手懐けてグジルティア公国へ。


サキちゃんは、、、

その内出てきます。

引き続きカナかなクロニクル リペアをお楽しみ下さい。


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