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カナかなクロニクル リペア  作者: 逢坂さやか
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第拾壱幕:暗唱ストック

ともかくまだ四合目だ。


山頂を目指す。

光の輝石。


そして祭壇へ。

「カナちゃんこのままいくよ?」


タブレットを開いて、、、何してんのそれ!?

クリューは持っているタブレットから地図アプリを開いてそれを拡大、スライドして外に出した!?


ビニールシートのように辺り一面に広がる地図。

_おぃおぃ。


そんな機能は確実に私のタブレットにはなかった。

_心臓に悪いな。


クリューに任せるのはやめた方がいいかも。

別に分解されてるワケじゃないんだけど、こう度々新機能追加されたら身が持たない。


「カナちゃん今いるのがここなんだ」

話が全然頭に入ってこなかった。


道案内がうまいのは伝わってきたけど。

うん。このままにしよう。


もう増えないだろうし。

「ついてきて」


アプリを閉じると吸い込まれるように地図はタブレットの中に戻っていった。

そして軽くタップして地図アプリを再起動、脇道の脇道を進んでいくクリュー。


_またおかしなことになってんな。


画面上ではなく空中に透けたモニターが現れて先ほどのマップを映してくれていた。


_わぁ見やすい。


じゃねーよ。


黙して語らなくなった扉を背にして私もついていく。

クリューのマネをして右足をかけ、左手でつかまりながら次のところを探す。


ガレ場というヤツだった。

大きなゴツゴツした岩が犇めく中をクリューは軽々と進んでいく。


またも置いていかれそうになる私。

クロエが、


「息切れしてんぞ?ちゃんと整えながらいけよ?

後が辛いぞ?」

そうだ。


一人増えたんだ。

いや、減ったのか。

鍛治屋さんは最後までメェメェ言いながら帰って行った。


一刻も早く武器を作ると言って。

_頼もしい。


どんな武器になるのか今から楽しみだ。

と考えていると足下に違和感を覚えた。


ガクッ


足下の石が崩れた。

「………ッ!?」


ガシッ


「     」と私が三つほど息を吸う間に、何mかを落ちたと思った。

「大丈夫か?」

クロエに片手を掴まれていた。


_たしか何の魔法も使えないんじゃ。

単純な腕力だけなら私一人を片腕で持ち上げるのはキツいはずだ。


「うん。ありがと」

雑念は振り払って、何とかそれだけは言う。


「右足をかけろ」「左足はかかるか?」と順当にクロエが教えてくれてことになきを得た。


が、こんなとこ登る必要なかったんじゃ?


横に立派な登山道があったのに。

「クリューとはぐれるワケにはいかないだろ?」

_命よりクリュー!?


ほどなくして四合目に辿り着いた時、先に上がっていたクリューが私達を待っていた。


「遅ぃよカナちゃん!?運動部なんじゃないの?」


ごめんなさい。

ロッククライミングは陸上部の範囲越えてます。


クリューを何とか説得して、私はクロエの野営を手伝うことにした。

今度はクロエばかりに任せずに私も手伝う中クロエが、


「お前何で暗唱ストックしとかねぇの?」

と呟いた。


不死鳥とかあんだろ?

「俺はまだレベルも足りねぇしそんな高レベル使えねぇだろうからさ」


風で下から押してもらえば良かったのに。


_あ、忘れてた。

風の精霊使えば良かったんだ。


威力さえ調整できれば空を飛ぶくらいできるんだ。

すっかり忘れてた。


今度からストックしておこう。

「ところで暗唱ストックってどうやるの?」


ジト目(-_-;)で睨まれた。

「完成」と手を払ってからクロエは不甲斐ない私の方を向いて、


「旋基、覚えてるか?」

旋基とは魔法を放つのに必要な周囲の魔素マナを集める手伝いを精霊にお願いする言葉で、基本的に人の口はそれを発音できない。


そのため、頭に思い浮かべる必要がある。

「それが暗唱だ。そして暗唱はストックしておくことができる。

お前魔法使ってたじゃん」


あの要領で暗唱だけして、放たないの。

やってみ?


素直に私は不死鳥の暗唱をしてみた。

改めて唱えてみると意外に長くて、一分半ほどかかった。


_魔法レベルかなり上がったからな。

上がるのに比例して旋基も長くなる。


当然必要な魔素マナも多くなる。

「終わったよ」


ここまでが暗唱ストックだ。

んじゃ放つ。

言われるままに放つ。


攻撃するワケじゃないからそっと放つと、隣にいた。

羽根を閉じて私の命令を待っている。


ほら、できただろ?

「ホントだ」


そういや私、道中この子連れて歩いてたな。

色々と忘れていることが多かった。


「焚き火でもするか」

クロエが木材を拾ってきて組み上げた。


吹いてみ?

私は息を、、、

「お前ぇじゃねぇよ」

_やっぱり?


普通に間違えた私はちょっと恥ずかしくなった。

気を取り直して不死鳥に火を吹くことができるか聞いてみる。


「クワァ」

嘴の先からスプレーのような光を吹いて木材に火をつけた。


しっかり組まれた真ん中に火をつけた不死鳥はとても満足そうだった。

「よしよし」


思わず子供にするように頭を撫でてあげると不死鳥は

「クゥゥ」

首を捻って喜んだ。


んじゃこれからの作戦だが、、、

クロエが焚き火の灯りを頼りに地面に何やら描き始めた。


「あ、待って」

クリューをぐっと抱き寄せた私は

「タブレット借りていい?」


赤い顔でコクコク頷くクリューはミニリュックからタブレットを取り出した。

タブレットは画面も大きく見やすくなっていた。


「このマップに描き込んで」

描き込みモードにして専用のタッチペンを渡した。


「珍しいの持ってんな?」

別にタブレットが珍しいワケじゃないと思う。


_ここでコレを持ってるのが珍しいんじゃないかな。

元世じゃ当たり前のものだし。


「おやつ食べる?」

と、クリューがミニリュックの前ポケットからチョコレートを取り出した。


_案外持ってるな。

ひょっとしたら用意してあったのかも。


会って間もない私のことを察して用意してくれていた。


_何か恥ずかしいな。

仕事の合間を縫って手作りの保存食やら何やら用意していたらしい。


折角なのでつまみながら話を進めていく。

全部は持ってこれなかったのか、数はそれほどなくレベルアップには至らなかった。


はい。

だいぶ書き直しております。


すみません。黒龍は闇属性で三合目です。


わかりにくくてすみません。


言い回しやら抜いたところも多々あります。


原文を元に直しているので流れまで違うことはありませんが。


これからもよろしくお願いします。


次回は

教えてクロエ先生。魔法の仕組みです。


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