第九幕:才能とは、、、
バンッ
「早かったですね。その姿、成功したんですか」
私の髪は今真っ白に染まり、その中程に黄色い髪が一房混じっていた。
「クロエは?」
辺りを見渡すと倒れていたはずのクロエの姿がなかった。
私は黄色い視線で射ぬくように黒龍を見上げ、
ここは大人しく戦って聞くものだと思い直した私はすぐに首を振って、
「ルール違反だよね?」
現在の私のレベルは呪紋を含めて36レベル。
相手は20、クロエは呪紋含め26。
_ちょっと上げすぎたかな?
因みにあの時私が呪紋を成功させていても16だった。
そう思うと出直しできて良かったのかもしれない。
まずは火の精霊。
もう不死鳥と言って差し支えない姿になったヤツが黒龍の出鼻を挫く。
怯んだ先に虎に近い姿になった風の精霊をけしかけて、
私はその勢いも借りて鍛え上げたロングソードの柄尻に手を添え、突きの構えで突進する。
「できるじゃないですか?」
黒龍は捌くのに手一杯になりながらもそう溢す。
「やはり才能はあったのかもしれませんね」
_!
「違うよッ!才能は最初からあるもんじゃない!自分で作っていくものなんだ!」
爪、足、ブレスを避けて踊るようなステップを踏み、地上でトリプルアクセルをする要領で私は龍の頭上へ跳び上がった。
風の精霊の力で滞空時間が長くなる。
_青い。
こちらを凍らせて無力化するつもりらしい。
一刹、不死鳥が私を庇いに入った。
_嫌な予感しかしない。
ブリザードブレスが不死鳥の炎を鎮火する。
_うぁぁぁぁぁ!!!
その彼が遺した水蒸気に紛れて龍の逆鱗を突き刺した。
「がぁぁぁぁぁ!!」
別に魔法だから死んだとかじゃないんだけど、やっぱ気分はよくないよね?
自分になついてくれてた生き物が自分を庇って傷つくのを見るのはさ。
_だから。
ついカッとなってやっちゃった。
「白目むいてる」
即死ですかそうですか。
呪紋も消えて落ち着いたところで龍のところにいくと彼女は既に死んでいた。
「やったじゃねぇか?」
肩まで叩いて嬉しそうに私の元に私の元にやってきたのはクロエ。
少しの間反応できずにいると、
「大丈夫か?」「ッあ、クロエ!」
「今気づいたのかよ」と半ばげんなりしつつ、輝石は手に入ったぜ?と言ってくれる。
「ソイツが呑んでたみたいだな?」
うわッ強いはずだよ!
カナちゃん初めての戦いです。
規定レベルに達していなくて、一度は引き返しましたが、やっとです。
これからに期待。
次回はブラックドラゴンの捌き方です。