第零幕:異世界JCとその他大勢
異世界への突然の召喚から早や数日、誰にも連絡がつかないまま国王への謁見を求められた「高崎可奈」
身に余るほどの特別な爵位と豪華な部屋を割り当てられ、小さなメイドまでつけられた。
「魔王討伐」「五線譜捜索」その依頼のために。
時の流れがわからないここでは今どれほどの時間が元世で流れているのか、、、不安と恐怖に押し負けそうになりながら彼女は時を過ごす。
本作は現実卒業系異世界ライフとは一線を画す物語。となっております。
お聞き苦しい点もあるかと思いますがお付き合い頂ければ幸いです。
異世界と元世の平和を取り戻すため、一人の少女が奮闘します。
勇者カナは語る。
伝説の勇者が凄いんじゃないと。
凄かったのは彼の強運と周囲の協力だと。
魔王は絵に描いたような魔王で一部の隙もないほどの悪だった。
伝説の勇者は既に亡く、異世界の勇者である私、高崎可奈が継ぐ形に今はなっている。
私がやらなければならないことは一人では難しい。
曰く、
「伝説の楽譜を探してきてほしい」
幾枚かに分かれた五線譜の欠片を探して一曲の歌にしてほしい。というのが王様の話だった。
察しの通り魔王はまだ生きている。
胸に勇者の止めの一撃を受け、そのままの状態で。
誰も追撃できる体力を残している者はおらず、瀕死の魔王を残して勇者たちは一度退くこととなった。
それから何百年、兵を興すこともできず、困った末文献の中から異世界の勇者である私と、五線譜の情報に辿りついたという。
神聖ロズヴェルク帝国は持ち得た魔法技術の全てをかけて、私を召喚し、事情を説明すると以降は私を皇族として扱うこと、無事元世に帰すことを条件に私に魔族討伐を承諾させた。