表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

モーニングスターな俺、オワタ

 モーニングスターって知ってるかい?明けの明星を意味するんだけど、朝星棒とか星球武器なんて呼ばれ方もする。


 要は「星形の武器」だ。別に、夜の星でもいいのに、なんで明けの明星なのか、俺は知らない。知っているのは、一見さわやかな呼び名のこの武器が、星形のトゲトゲ鉄球を鎖付きの棒を持って振り回す、えげつなさでは超ド級の凶悪な武器で、寝起きの悪い奴の目覚ましとしては使い手にとって最高(そして使われる方にとっては最悪)だってことだ。

 なんで急にこんな事を言うかというと。


 気がついた時、俺はモーニングスターだった。

 何を言ってるのか判らないとは思うが、俺も何をされたのか判らない。


 とにかく言えることは、俺が気がつくと、台座の上に置かれた俺がモーニングスターでモーニングスターが俺だった。

違う、別に入れ替わっているんじゃない。とにかく俺の意識がモーニングスターのなかにあるってことだ。そしてそれ以外のことは何にも覚えていない。元々の名前もどこの誰であったのかもだ。


 手も脚もないし目もない。目もないのに、自分の意識がモーニングスターとその周囲に張り付いているって言うのかな、意識するだけで360度見る事出来るようだ。でも動くことは出来ないのね・・・・・・動けたら、いわゆるアニメート・ウェポンってものになるんだろうに。空中をふわふわと漂ってさ、出っくわした冒険者相手に襲いかかるんだ。


「アニメート・ウェポンが現れた!」って感じにね。


 それはさておき。自分がどれだけ動けるのかの確認を続ける。どうやら、モーニングスターのトゲトゲだけは動かせるようだ。伸ばしたり、縮めたり。全部収納して丸坊主も可。

 ってか、いちいちモーニングスターって言いにくいよな。略してモニスタで良くないか?どうせなら、モニ☆スタにするか、うん。


 台座が置かれているのは、どこかの神殿っぽい感じの部屋だった。だだっ広い空間の周囲は、白亜の円柱が立ち並んで天井を支えている。天井は細かな、天使達のレリーフが彫り込まれ、あちこちに光るのは水晶か何かが埋め込まれているのだろうか。窓がない部屋だが室内はその光によって明るい。

 床は良く磨かれた大理石のようだ。入り口はこの台座の反対側に、両開きの扉がある。もしかしてこれって、どっかのダンジョンにある宝物庫状態?

 誰か取りに来るまで動けないのかよ~、つまらんな。


 それどころか、俺の知識によると、大抵のゲームじゃ勇者は剣使うものであって、いくら攻撃力のある棍棒とか手に入れても、鞄とか倉庫の肥やしだと思うんだが・・・・・・なんで剣じゃないんだよ。俺、オワタ。


 記憶がないのに知識があるってのも変だよな(笑)


 とりあえずやることがないので寝よう。俺はトゲトゲを全部引っ込めて丸くなって眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ