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詩集<独白>  作者: インジュン
詩編(1)
48/95

手を、どうすればいい、母よ


私が幼子を絞め殺したのは、

私に微笑んで向けた

瞳があまりに、

つぶらであったから。


薔薇が、ただ一輪の薔薇が、

赤く肉感に溢れていたのは、

あまたの同胞の、

血を啜っているから。


この心に掲げた理想が、

ただ一筋の誉れであるためには、

あの未熟な蕾を、

手折(たお)る他なかったから。


知ってはいけなったのだ。

あまりにも高すぎる純潔など、

たとえ額縁のなかであってさえ、

目に灼きついてしまったらば。


ましてそれが愛の、この身に受けた愛に埋もれた、かつての純白な羽根であったとしたら、母よ。私はあなたに何を手向けられるか。

冷たく弛緩した過去と、その返り血の通った手を、あなたへと差しのばさねばならないのか。

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