47/95
迷宮
いかな英雄の偉業、
ヘラクレスの難業よりも
一人でゆくは険しき道。
そこは記憶の楼閣がゆえに。
誰かわたしを謗り
詰ってはくれまいか。
軽蔑と幻滅の瞳に
わたしは、
回顧という麻薬より醒め、
轟音と瓦礫に呑まれるだろう。
のべつに降る現実がゆえに。
砂塵が去ったとしても
わたしを探してくれるな。
むつかる嬰児をあやしてくれ。
かの迷宮の礎がゆえに。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
感想募集中です
――――――――――――――――――――――――――――――――――――