表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集<独白>  作者: インジュン
詩編(1)
37/95

まえへ、征く

過ぎ去っていくばかりだ

楽しいことも悲しいことも

思い出はけしてふえずに

すこし離れたところから

ぼろぼろ風化をして


黒い衣をたなびかせたのが

時の矢をとめどなくつがえ

僕をつらぬいていて

おびえて後ろをむいてみても

ふとそいつの影が目にはいる


それでも光はさきにある

あんな真っ黒いやつのうしろに

らんらんと、さんさんと

かがやいているから怯えている

僕はいま、うでを伸ばすのだ


振りかえらずまえをむいて

一歩をふみだしたから

どうせあの鎌からは

逃げられやしないのだから

僕はいま、走りぬくのだ


誰もがおそれる速さで

なにもかもを振りきって

息もわすれて光のなかへ

倒れこんでゆけたなら

僕はもう、なんにもいらない


きっとやつも笑うだろうさ

骨の顔で、それでいてにんまりと

大の字に寝ころんだまま

おなじように笑ってみたいから

僕はいま、まえへ、征く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ