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詩集<独白>  作者: インジュン
詩編(1)
34/95

想いを想って

赤い薔薇:花言葉で「情熱」

月下美人:花言葉で「はかない美」や「繊細」、「快楽」

あなたが薔薇の花束をもって

わたしの眼前でなにごとかを

いって、誘っているときには

わたしは霞みの先に咲き誇る

月下美人に恋い焦がれている


あなたが差し出した花束は

たしかに赤く芳香が栄えて

美しくはある、あるのだが

しょせんただの薔薇なのだ

薔薇以外のなにになるのか

なにになりえるのだろうか


そよ風にゆらゆら揺られて

一滴の朝露に花弁がふるえ

せわしなく虫と交わりあう

そんな月下美人に恋をする


けれど電子と数式に囲まれた

白衣を纏った私には届かない

ハッブル望遠鏡のはるかさき

熱と宇宙線とゆらぎより遠く

誰も知らない煌めく夢幻郷に

咲き乱れる月下美人に、私は

いつからか恋をしているのだ


ふと私の心はピープ音に引き戻され

あなたは薔薇をゴミ箱に投げ入れて

机に立てていた、月下美人を握った

だれかの笑顔が倒れていくのを見て

 自分の瞳をはめ込んだカメラを構え

  くたびれた花弁の薔薇を捉えるのだ

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