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月夜の下で
瞳に眠気が落ちてくる
呼吸の継ぎ間に熱を感じる
鼓動はまだも続いている
肌が溶け合う、汗と共に
私はお前を愛している
ふと霞めた、一筋の流星に
掠れぼやけた声でお前は願う
それは叶わない過去への執着か
はたまた次こそという意気込みか
どちらにせよ、それは悲しい祈りだ
お前が僅かに伸ばしたこの手は
はたして私自身に向けてか
それとも網膜に焼き付いている
私を引き鉄とした光景へなのか
どちらにせよ、握られたのは私だ
遠く淑やかに、震える寝息を
そっと、私は、抱きしめた
壊さないように、労わるように
私が慈しんでいるのは、お前か
あるいはこの日常をなのか
どちらにせよ、今宵は静かな満月だ