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推敲と沈黙の果てに
詩を堕とそう シタンの食卓から
散らばるペルシャ絨毯の切れ端、
錆びた銀皿あるいは垢塗れの手へと
欠けた爪で割き、分ち合おう
(赤錆がなにかを整えている)
意味が有るというのか
人の四肢、哲学者の骸よ
まだ見ぬ者を迎える為の堕落が
我ら全ての堕落であるならば、
あるならば、果たして
この言葉に 一体 何が 宿る?
(沈黙があって、全ては推敲される)
猛禽類のような鋭敏さを以て
あの正午を騙る宮殿を散り散りに
(推敲の思考の試行の果ての沈黙)
地平に潜む闇の高揚、照ら
される青空の憂鬱、風に
草臥れるのみの雲の惰性、
それら全てを肯定しよう
(沈黙、推敲さえも言葉へと収束)
ただ血の一滴に生きると誓う
言葉と推敲、沈黙によりて
私は詩人 我らはヒト だ
(積み重なった骸らに告ぐ)
やがて全てが形になる
見えずとも、聞こえずとも
これが堕落というならば
お前の沈黙はなんとなる?
否定も肯定も忘れた離塔に
住まう、賢者の襤褸を纏う者よ
お前の
沈黙
と
推敲
に
言葉
は
宿ら
ない