残り香
あの羽ならどこかへ去った。
部屋の隅にあった羽は、どこかへ去った。
気まぐれに動いた風が、
ふいに開けた窓から入った、必然ではない風が。
その羽をフワと突き動かした。
昨日は、じっとしていたのに。
ただ一緒にいた、それだけだったのに。
この月光のみが照らす、立方体の中に。
それだけで、よかったのに。
あの羽ならどこかへ去った。
風は、私を動かすような風は、どこからも来ない。ひたすら待った私は、自ら動こうとはしない。
羽は期待と輪郭だけを、置いていった。
あの羽ならどこかへ去った。
部屋の隅にあった羽は、どこかへ去った。
気まぐれに動いた風が、
ふいに開けた窓から入った、必然ではない風が。
その羽をフワと突き動かした。
昨日は、じっとしていたのに。
ただ一緒にいた、それだけだったのに。
この月光のみが照らす、立方体の中に。
それだけで、よかったのに。
あの羽ならどこかへ去った。
風は、私を動かすような風は、どこからも来ない。ひたすら待った私は、自ら動こうとはしない。
羽は期待と輪郭だけを、置いていった。
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