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秘密の華  作者: 永井晴
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移行

ーー光の向こうに太陽が、堂々とあの白さを率いながら姿を見せる。日光が地上を照らし出して間もなく、光は皆消えてしまった。東の方は樹々もなく、よくひらけ、手間にはコンクリートの壁が、正確な弧を描いて、嫌になる程、横に続いていた。ここはダムであった。然し、今は放流時期ではなく、ただ周囲には退屈な程に、張り詰めた緊張感が漂っているだけであった。

それから次々と、長いような、短いような時の間に、山から、草木の欠片が流されてきた。それはまるでこの静かな場所に、時の流れを伝えに来ているようであった。そして、それを頼りに自然は移り変わった。とても穏やかに、時が流れるように移り変わった。青々しい葉が増え、虫の音が微かに鳴った。


ーー季節はとっくに移ってしまったーー


そして或る、日光が燦々と水面を照りつけていた日、水中の深い所から、図太い揺れが湖中に走った。それは森や川、山をも揺らす勢いの、鈍い揺れであった。水面の光沢も徐々に揺れを増し、周囲の秩序は今に崩れようとしていたーー

ーー壁の外では一滴の水が滴り落ち、それが次々と連なりを成していった。霧のように、降り注ぐ微細な水滴は、森をも包む勢いで、落ちていった。そして姿を変え、下界へ続く一筋の白い道となった。下の方でそれは、大きな歯車のように激しい流れを以て、その先に続く川へと注いだ。白く、鋭利な刃を何個も備えたその歯車は、勢いよく回り続けていたーー

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