幕間
4.5話くらいの話です。
皆様、お久しぶりです。シスイ様の部下の一人、アオイでございます。
現在、吊るされて放置されているわけですが、健康上問題はないのでご心配なく。
第四話の後、次はシスイ様の過去の話かと思っていた方々には
申し訳ないのですが、なかなか重い話なので、一度休憩の場を
設けさせて頂きました。これの次がその話となっております。
現在、夜刀神様と他三人が、必死にシスイ様をあやしている最中です。
作者が拙いながらも、何とか月に一回、少しでもいい物を!と
必死に書いておりますので、どうかこれからもよろしくお願い致します。
ここでの話は、ちょっとした小話だと思って下さい。
さて、何を話しましょうか・・・・・。雑談はあまり得意では・・・。
ああ、一つだけネタがありました。アヤメ様に会う前の話なのですが、
私とヤドリ、シキ丸で、ある山へ食材を採りに行ったのです。
我々の言う食材とは、鹿や猪、山菜、昆虫などですね。
「ぃよっしゃあ!仕留めたァ!見ろ!この猪!」
「あなたの声の方が大きいですよ?おかげで私の獲物が逃げました。」
「へーへーすんません。」
「は?」
「あ?」
「アオイ、シキ丸。喧嘩するなら離れてろ。」
いつもこんな感じですが。
この日はこの後、ヤドリが川の向こう側にいた大きな鹿を仕留めました。
私たちを対岸に待たせ、彼が倒れた鹿を回収して川を渡ろうと時、
いつもつけているお面がとれたんです。
あの、中国の演劇で出てくるような猿の面が、枝に引っかかって。
びっくりしましたよ。彼、筋肉質で大柄な、漢って感じの体型なのですが、
顔だけはどこぞの王族かと思うほど整ってました。
二次元の方で言えば、ベ●ータの体に渚カ●ルに似た顔が、
三次元の方では、柔道の選手の体に男性アイドルの顔がくっついてると思って
頂けるとわかりやすいかと。
そっちの時代は江戸時代じゃないかと?作者から色々聞いてますので。
あの人、普段は人前に出ると固まるわ、休日は部屋にこもるわで
全然人と関わらないのに、二次元の方の話になると途端に・・・おっと、
これくらいにしておきますね。作者に私の存在が消されるかもなので。
さて、当のヤドリはすぐさま、仮面を枝からとってかぶりました。
折角の美しい顔は一瞬しか見えなくて残念でしたよ・・・。
「おい、アオイ?どした?」
「・・・!いえ、ただヤドリの素顔にときめいただけです。」
「・・・そうかぁ?オレときめいた事ねえけど。」
そうシキ丸と話しているうちに、ヤドリが我々の近くまで戻ってきました。
「・・・ずいぶんと盛り上がっていたが、何の話をしてたんだ?」
「おうヤドリ。アオイがお前の素顔にときめいたって。」
「・・・見えたのか。大した顔ではないと思うが。」
「いや、大した顔ですが?!」
ここから私が、いかにヤドリが整った顔をしてるか二人に熱心に
話したのですが、二人は終始、頭にはてなマークが浮かんでいました。
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ふう。ただヤドリの素顔が綺麗だったって話でしたね。
つまらない話ですみません。そういえば、私たちの身長の事を、
作者はあまり書いていませんでしたね。
まあ、シキ丸が一番ちいさ・・・小柄な方で160cm程です。
その次が私で、175㎝、ヤドリは189㎝くらいだったかと。
アヤメ様は、シキ丸と同じかそれより少し低いくらいですね。
シスイ様の身長は、時と場合によって変わるので詳しくはわかりません。
まぁ、ヤマタノオロチとしての姿だと山ほどの大きさらしいので
おそらく単位は変わりますね。私が見た中で一番小さい姿だと、9㎝でしょうか。
以前、夜刀神様のお屋敷に行った時、何故だかふたつきのお椀の中に
シスイ様が隠れて・・・というか寝ておりまして。ふたを開けた夜刀神様を
驚かせるつもりで、能力を使ってこっそり茶碗の中に入って待っていたそうで。
でもなかなか来ないし退屈だしで、いつのまにか寝てしまったとの事です。
実はシスイ様、体の大きさを変える他にも能力を持っていて、この時は
その能力を使っていました。どんな能力かは、次回以降のお楽しみという事で。
「一人で何喋ってんだアオイ!気味悪いんだよさっきから!!」
「あ、いたんですねシキ丸。この部屋寒いので移動したいんですが。」
「るっせえ!今昼なんだからまだましだ!それにお前、
オレとシスイ様のみたいに蛇じゃねえんだから大した事ねえだろ。
つーか今色々やべえから静かにしてろよ?!」
・・・全く、そんなに乱暴にふすまを閉めては壊れ・・・ああ、私も
やっちゃってましたね。反省しています。
先ほどシキ丸が、お前は自分とシスイ様と違って蛇じゃないと
言っていましたが、少し違います。私、母が清姫という名の大蛇、
父が桂男という月に住む妖怪でして、いわゆる妖怪同士のハーフなのです。
それぞれ気になる方の為に簡単に説明いたしますと、母、清姫は元人間で、
僧侶の安珍に惚れて告白したものの振られ、それにキレて
追いかけまわすうちに大蛇に変身。遂には寺の鐘に隠れた安珍を鐘ごと
焼き殺した事で有名ですね。母曰く、安珍はかなりの美男子だったようです。
言い伝えの方では、母は入江で入水して安珍の後を追って・・・と
続くのですが、本当にそうだったら、私はここにはいないでしょうね。
実際、母は入り江に向かいました。その日は綺麗な三日月だったそうで、
母はつい先ほど、自らの手で葬ってしまった男の事を思いながら、
空を見上げていました。するとどうでしょう。月から亡き安珍そっくりの
美青年が、自分の方へ降りて来るではありませんか。
彼は母の目の前まで来ると、手を差し出し。
「どうして泣いているんだい?君みたいな美しい人に、涙は似合わないよ☆
さぁ、城へ案内しよう。僕のお・ひ・め・さ・ま・☆」
・・・・本当に、間違いなく、はっきりと、こう言ったそうです。これが後の
私の父、桂男のプロポーズ(この時点だとナンパでしょうか)です。
かなりイタいですが、母は飛び上がって喜び、こう返したそうで。
「ああ、安珍様!私を迎えに来てくれたのですね!あなたとならどこまでも
ついていきます!」
ええ、母は勘違いしたんです。安珍と父を。何なら今でも父を安珍様と呼びます。
母の中では、美男子=安珍様となっているんでしょう。
幼い頃に馴れ初めを聞くと、必ずこの話を延々と聞かされたものです。
思ってもなかった答えに、父も一瞬首を傾げましたが、なんかついていきたいって
言ってるからいいか!とそのまま月にある自分の城(屋敷ですね)に連れていき、
なんやかんやあって私が生まれたのです。
父である桂男は、月に住み、その姿を見たり、手招きされると寿命が縮む、
もしくは命を落とすとされる妖怪です。父は自分大好きで、
「僕は老若男女問わず、様々な人を惚れさせ、昇天させてしまう。そう、この
美しさゆえに!ああ、僕の愛しい息子よ!どうして僕はこんなに・・・・
ああ、すまないね。簡単な質問だった。それは僕g」
というのをこれまた延々と・・・。母もこれに乗っかって褒めちぎって
息子である私の前でイチャイチャし始める、というのが日常茶飯事でした。
毎日イライラしっぱなしで・・・本当、家を出て正解でした。
それでも160年(人間でいう16年程)いましたが。
それから縁あってシスイ様の部下となったのですが、その話はまた今度。
作者の書くネタが無くなってしまいますからね。
──ふふ、こうして話すのもいいものです。それでは、また機会があれば。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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