最愛の人は、、、
「じゃあ、高校行こっか。」
僕、佐伯颯太は最愛の彼女に言った。
「うん!」
僕の彼女、小林葵は答えた。
二人は俗にいう幼馴染であり、今は高校二年生である。
彼らは高校一年生の春、入学と同時に付き合い始めた。
高校に着き、教室に入ると同級生は皆僕たちに目を向けなかった。
「なんで皆僕たちを見ないんだろうね」
「さぁ?」
僕が思った疑問を彼女は気にもかけずに適当に答えた。
僕たちは自分たちの席に着くと彼女の席の上には百合の花が置かれていた。
「綺麗なお花」
「そうだね」
「誰が置いたんだろう」
「誰だろうね」
僕たちは不思議に思いながらもその花に見とれていた。
ガラガラガラ…
「お前ら、席に就け」
先生が入ってきて、今日の学校生活が始まった。
お昼休み
「颯太せんぱ~い!」
彼女は高橋結衣。僕の一つ下の高校一年生だ。
「先輩、一緒にお昼食べませんか?」
「ごめん、お昼は彼女と食べるんだ。じゃ!」
「え!でも、先輩の彼女は、、、」
僕はその後の言葉を聞かず、彼女と屋上に行き、お昼を食べた。
その後も学校の生活は何事もなく終わりを告げた。
「起立、気をつけい、礼」
「「「さようなら」」」
「葵、一緒に帰ろう」
「うん!帰ろ」
僕たち二人は一緒に帰ったが、、、
「先輩、待ってください!!」
結衣が僕たちを呼び止めた。
「何だ、結衣。僕はこれから彼女と帰るんだ。見て分からないのか?」
「先輩こそ!もう気づいてください!」
「何をだ。」
「先輩の、彼女は、、、」
そして僕は聞きたくもない、認めたくない事実を突きつけられる。
「もう、この世にいないんですよ!」
「う、、そだ、、、噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ噓だ!葵は生きている!僕の隣にいるんだぞ!嘘なんか」
「嘘じゃない!嘘なんかじゃ、、、ありませんよ!」
結衣は目に涙をためながら、僕に訴えてくる。
「あなた達二人は、高校一年生の夏に下校途中に居眠り運転していたトラックに引かれたんですよ。二人とも意識不明の重体でしたが、先輩は助かりました。ですが、葵先輩は、、、」
「でも、葵は僕の隣にいるんだ!」
「それは、あなたが自分自身で見ている、葵先輩の幻覚ですよ!」
「葵、うそ、、だ、ろ。葵は生きているよな、、、」
「ううん。私は死んでるよ。その時に。」
葵の体が徐々に透明になっていく。
「葵、行かないでくれ!僕を一人にしないでくれ。頼む!僕は君がいない僕は、僕は、、、生きる意味が分からないよ。
「颯太、今は分からなくてもいいよ。でも、これだけは覚えていてね。簡単に死なないで。私の分まで必死に生きて。そして、いつか幸せになってね、、、」
「葵、やだやだやだやだ。消えないでくれよ、、、、、」
葵が完全に消えてしまった。
「先輩、葵先輩は何て言ってました?」
「生きろ、、、だってさ」
「だったら先輩、生きましょう」
「でも、生きる意味が分からないよ、、」
「先輩、葵先輩が亡くなった事実を受け止められなくて幻覚を作り自分の殻に閉じこもりました。皆先輩に気付いてもらおうといろいろ手を尽くしたんですよ。まあ、遠回しにですけど。それが、いけなっかんですかね、あなたはそれを全て脳内で自分が都合が良い方向にしてしまったんでしょうね。ねぇ、先輩これからあなたはどうしますか。死にますか、それとも生きますか。」
「生きるよ、頑張って」
「そうですか。先輩の人生に幸せなことがありますように。」
読んでいただきありがとうございます。
どうでしたでしょうか?初投稿のためいろいろと気になる所はあったかと思いますが、気にいってくれたらうれしいです。
これからの作品にも期待していただけると幸いです。