第五話...雲寄りも宙寄り高い場所
立ち上がった女の体から赤い炎が顕現、俺とアズサを囲む様に炎を放射する。
高さ30m程の炎壁が俺達を囲み、相手は指の骨を鳴らしながら一歩を踏み出す。周囲にも武器を箱から取り出す者、銃口を向ける者が俺達を囲む。
炎で俺達を囲んだのは化け物から身を守る為と、俺達をここから逃がさない為だろう。逃げないけど。
「リョウガ先生の能力は戦闘系ですか?」
「能力は死者に関係する事だけ伝えておく」
「良くもやってくれたな」
「殆ど爆発の衝撃を受けてないな?結界術師がいるな」
「それがどうした?先ずは火力でお前を殺す」
「どっちつかずの返答か。俺もお前と同じ独壇場で戦ってやる」
炎を互いにぶつけ距離を詰める。瓦礫を踏み台にして跳躍、宙で身体を反転し左からナイフの投擲をする男に拾った釘を投擲、ナイフを手の甲をぶつけて落とし着地と同時に瓦礫を蹴って男との距離を詰め、拳を腹に3発程叩き込む。
距離が近い相手には結界術の応用で斬撃を飛ばして首を両断、構築術で細い糸を創り出して操り、対空する生首数個を繋いでハンマーの様に相手にぶつける。
魔力で頭部を補強していふので、ハンマーがぶつかると相手の頭部が潰れて脳髄を地面にぶちまける。
アズサは操った糸で弾丸の弾道を逸らし、首にナイフを突き刺す。危うい場面は俺が結界術で防いだりしているが、余り俺の助力なしで戦えているのは嬉しい予想外。
「アズサもナイフだけじゃなく、糸を相手の脳みそに突き刺せ。そして頭部にある糸を他の物に組み変えて脳髄を完全に破壊しろ。人間はそう簡単に死んでくれない」
「分かりました」
能力を発動させる《力》を使い果たせば色々体に異常が出るが、良い経験になるから言わなくても良いか。
めんどくさいわけじゃない、何事も経験だ。
振るわれた剣をナイフのソードブレイカーで受け止め、破壊する。そのまま脚を引っ掛け倒れ込んだ女の頭部にナイフを突き立て、視界に入った2人にナイフを投げ付ける。
投擲したナイフの持ち手には構築術で作り出した糸を絡み付かせ、肉眼では確認出来ない細さの糸を瓦礫に隠して周囲の人間のアキレス腱に括り付ける。
「凄いですね、普段は余り動かないから肉弾戦がそこまで得意とは思いませんでしたよ」
「は?学園最強だが!?三年の三強の中で美声で、美しく」
「その話し、後にしてくれません?」
「はぁあ!?聞けよ」
「そんな事より、技名とかないんです?」
「えーと.........オルフェイス!見たいな?」
「どんな技何です?」
「.........」
技名何て言って、ポンポン技出せるか?シンの奴はやってるんだけどなぁ...
俺もそれポイ奴を......思いつかん。矢張り神話とかに精通していた方がいいのか?ソレか、グングニルとかニョルニル?見たいな神器の方が。
まぁ、こんなのは大抵アレだろ、ノリ的な感じでか〇はめ波とか言ってるだろうし。俺も大声で、恥ずいけどやるか。
「オルフェイス...!」
天空から極太光線を6本を放ち、地面を切り裂く。6本を操ってクルクルとミキサーの様に回転させ、爆裂させる。
飛び散ったエネルギーが炎壁の炎を吹消し、炎の異能者を5m吹き出して地面に叩き付けた直後にレーザーを振らせ奴の肉体をこの世から完全に消滅させる。
「おお!技っぽい」
「だ、だろ?」
これで良いのか、定期的に使って行こう。
体に纏った炎を解除に、南から来る般若の面を被った和装の男に振り返り、腰に吊るした俺のトモグイのガンブレード_ベガをホルスターから引き抜き、肩に乗せて足を地面に滑らせ腰を低し、構える。
般若面の男の背後から15m程の股を広げた王冠を被る人骨が奴を守る様に顕現し、大きな尾の骨を地面に叩き付けて軽い土煙を立てる。
「案外強そうじゃないか、人間」
「あんな奴らに俺と同じ世代が殺される訳がねぇと思ってはいたが、予想以上の化け物が現れやがった」
「それはそれは、容易く葬られた奴らの屍を背に、俺に挑んで見せろ。イカロス」
「誰だよ。勘違いしなで?泥要素欠片もないよ?あんな馬鹿と一緒にされると困るんだが?」
魏皤孁錷...たかばりょうが
年齢18歳
種族人間...身長173cm...体重61kg
誕生日10月4日
趣味...一人カラオケ
得意事...結界術、構築術、歌う
隠し事...一万円は決してくだかない
好きな物...観覧車、星座
苦手な物...パセリ、正座
能力名...無制限の夜想曲