君_がいなくても、笑って
声にして読まれて恥ずかしかったので、ちょっち本気で考え作りました。彼奴、許せねぇ。今回はちょっとキャラを動かしただけなので、次回は長いと思います
「君の名前は、何と言うんだい?」
「私の名前はツカノアズサです」
今の状況を説明する為には、5分前の出来事を伝えなければなりません。
5分前、私はテストで赤点をとった事にショックを受け、通学路にある天満宮に足を運んでいた。___はずでしたが、鳥居をくぐるとそこは17段の階段がある古い下宿屋の玄関。
慌てて後ろに振り向き、ドアノブをガチャガチャと音を鳴らして回しても鍵がかかっているらしく、少し動く程度。
そんな事をしていると背後から「誰かいるの?」と幼い声が聞こえ、返事をしていいのかと迷っていると声の主が私の前に姿を現した。
小柄でか細いエプロンを着けた幼い少女がお盆に薄いオレンジ色のスープを乗っけて、ファースリッパと地面が小さく擦れる音をたてながらテーブルにスープを階段の淵に置いた少女は優しそうな声で語りかける。
「君は誰なの?そっ......ええ、違うわね。藍川和馬に何か用かしら?」
「えっと、その...」
「ああ、迷い込んだ個なのね」
「そうなんです!」
「何やら騒がしいと思えば、届いたか」
左手で左顔を押さえた白髪の中性的、美形的とも表現できるミケランジェロのダビデ像の様に美しい顔をしたアズサと歳はそう変わらない青年が階段に足を掛ける。
何故か青年の一歩一歩、歩を進める時間が長く感じられ、時間が狂ったかの様に気付けばアズサの前に移動していた。
そんな彼の瞳は紅く、猫の様に瞳孔が細く、吸い込まれそうな程美しい瞳の色は、到底人間の眼球ではない事を悟らせる。
「一階で話そう」と言われて階段を登り、廊下を通って扉を開けると応接室にも居間にも見える雑然とした一室。作りからして相当古く、日本の建物ではない事は察する事はできる、でも、レトルトな雰囲気の直感では数十年前のものではないと確信出来るほどに古い。決して使い古した家ではなく、現代の建物と比べての話し。
部屋の四隅は書き付けの束で埋れ、扉の正面には暖炉。暖炉の周りには獣の皮のジュータンや木造の椅子、ソファーなどが並べられ、右側には大きな書棚。その隣りには大きな出窓がある。ボウ・ウィンドウと言われるものでこの出窓なら表の通りや来客等が良く見えるだろう。
扉の右端にはサイドボード、英語で書かれたラベルが付いたお酒やお茶、食器類等がしまわれている。
「かけてくれ、ロゼッタは食事をテーブルに」
「はいはい」
5人以上で食事が出来そうなほど大きいテーブルに先程の御盆に置いてあった湯気が立つスープ等を置くのを横めに青年、藍川和馬はソファーに腰をかけて腕を組んでブラックコーヒーを啜る。
悶々としているアズサを一目見て、コーヒーカップをソーサーに置いて
「さて、四の五のは嫌いな質なのでね、単刀直入に言おうか」
「......」
「君に、異能の才能がある。戦ってはくれないか?世界の為に」
「へ?」
何を言われるのだろうと緊張していたアズサの喉から素っ頓狂な声が出る。それは突拍子のない事、普段なら彼の言葉に耳を貸さないだろう。だが、彼の面妖な雰囲気を考えればさっきまでの話が現実味を帯びてくる。
「まぁあ?無理強いはさせられないが、命を賭けなければ得られない物があると僕は思う。_____命、とかな?」
「ん?」
「伝わって居ないみたいだな。そういう所は彼奴に、似てるかもな。君の世界の裏では異能や結界術、霊力やら魔力なんやら丸でファンタジー小説や漫画見たいな世界が広がっている。君はどう思うね?電子機器にウイルスが混入した場合、その機械はどうなると思う?」
「壊れる?」
「そう......君を引き寄せる事や____しか出来なかった俺の代わりに、ある事件を食い止めてくれ」
そして今の現状に戻り、少し時間を進める。
テーブルにデッキケースが二つ置かれ、白髪の少年と青紫髪の小柄なら女の子がカードで遊び、紫髪の少女が端で本を読んでいる。
テーブルの下には布団がモゾモゾと動き、紫髪と黒髪がはみ出ている。そんな空間は学園のクラブ室、いや、ある意味支援学級。
俺の名前は何処にでもいる高校生と自己紹介したい年頃の高校生、アカイシンユ。
俺もサンタクロースを信じなくて母親と三田グローズ=サンがキスしている所以下略、を学園前の坂を歩きながらモノローグとして語り出して常人には興味が無いと言う少女に出会う怠そうな主人公のモノローグを暗記して、眼を瞑りながらでも復唱できる俺は高校生デビューが完璧だと思いたい時期があった!
記憶を消去ではない場合は夏休みが永遠に続くのはすごく羨ましい。
「今日、新入りが入るんだっけ?男が良いなぁ」
「異能者は女の子多いもんね」
「1割りもいないのは肩身が狭い......だよな?ゲント」
「ん......?先生も男だからマシだろ」
布団に潜るゲントを踏み付け、カードを動かしながら今回入る新入りの話しをしながら雑談。階段から足音が聴こえると皆が視線を向け、先生に連れて来られた新入りの姿を確認する。
黒髪ツインテール、そしてこの中では場違い感がある制服姿。
「あれ?教室此処で合って......ますよね?」
「そうだが?何か?」
「皆が制服を着ていないからじゃないかしから」
「.........制服って、さ......動きにくよね」
「分かる分かる、やっぱりあれは動きにくいよね〜」
アズサが転入前に聞かされた情報の中に、制服を学園内で着る事を義務かされている。が、あったりする。
彼等は桜花彩華高校の中で異端児だが、能力や成績の一部が極めて突出している事で程度の自由が許された生徒。
教師である先生も異端児の3年生が担当し、先生を含め計5名の異端児集団。コレを学生の中では人生の墓場やら鬼畜集団等と言わている。
生徒が教師を務める経緯の裏には、大人の本気の駆け引きがあるジャンケンがあったと言う。
「私の名前はツカノアズサです、よろしくお願いします」
「新入り、ね」
「俺達に〜?」
「この時期だと、」
「仲良くしろよ」
「......アズサ君、だっけ?立ってるのも何だから座んなよ。お茶でも飲んで話でもしようや。あんたいくつ?」
「16歳です。あっ...頂きます」
「16歳、私より二つ歳下なら一年生。運が試される年ね」
「点呼をとるぞ〜」
「1」
「に〜!」
「......四」
「三番がいないな」
「ご......むにゃむにゃ」
「ミヤギなら今日休みでーす!」
「そうか、今日は入った新人とは仲良くする様に。俺は職員会議に向かうので、クソたされたセンコウ共との会議に、くれぐれも水を刺さない様に。以上」
クソっ!なんで俺が...等と愚痴を吐きながら教室を後にするリョウガ。それを笑顔で手のを振り、珈琲豆をミルで砕き、珈琲を淹れる。
俺も初めての新入りケン、後輩なので結構ワクワク。
「あのさ」
「は、はい」
「君は何処の会社から寄付されてるの?」
「かい......社?」
「うん、色々必要だろ?異能じゃなくても、結界術とかさ。アレか?所属って言った方が良いか?」
「えー......と」
「え?アズサちゃん、冗談だよね?」
「......聞かなかった事にしよう」
「そうね」
「そうだね」
「あの、教えて」
「さぁ!今日の任務!任務!!今日一日、頑張ろうな!」
主人公組のキャラ達がカタカナの理由。それは一人一人が漢字難しくて、読むのに何て名前だっけか?と思うと思い、カタカナです。主人公の名前の漢字は通叶坍莎。これはジャブ程度、リョウガ君の名前を初見で読める人は変態です。
魏皤孁錷_いや、ド変態ですね。