後日談~異界図書館より~
ここはどこにあるのか分からない、異界図書館。
全ての世界の物語が納められたこの場所で、あなたは何を望むのか?
いらっしゃいませ。
ここはあらゆる世界のお話が納められた異界図書館。
本日は何をお捜しですか?
運送屋、異世界を走るのその後が知りたい?
分かりました、しばらくお待ち下さい。
お待たせしました。
それでは、続きをご覧下さい。
彼は走っていた。
山を越え、谷を越え、広大な荒野を走り、時には森林地帯や戦場を走り抜けた。
途中多くの出会いや別れを経験し、彼の名はこの異世界で有名になった。
《伝説の運び屋》そう噂され始めたのももう2年前になる。
この世界に来て5年目。
未だに送助は世界樹の苗を植える場所にたどり着いていなかった。
いや、向かっていなかったと言うべきか。
数年前のアリベとシロさんとの出会いの後、送助は自分なりにこの世界の事を調べていた。
上界の事、下界の事、神の事、そして、世界樹の事。
情報は様々で良いように聞いたり、悪いように聞いたりした。
しかし、1つだけ送助が信じられたのが、目の前に現れたアリベの言葉だった。
2年前、お客もなく、荒野でクロウと一緒に外で焚き火に当たっていると彼女が現れた。
姿は別れた時のまま。
焚き火を挟んで座る彼女はポツリポツリと話し始めた。
今は神に使われている事。
あの時以上の力を手にいれ、世界を飛び回り力を持つ者に試練を与えている事。
そして、送助の近くにいる時だけは神の呪縛から逃れられる事。
首にしているチョーカーを触りながら疲れた顔でアリベは言った。
裏切ればこのチョーカーが締まり苦しみながら死んでしまう。
「愚痴を聞いてくれてありがとう」
そう言ってアリベは焚き火から離れ、暗闇へと消えていった。
人を人とも思わない残虐な事をしていた彼女だが、今望んだものを手にいれた姿はとても悲しそうに見えた。
彼女が真実を伝えていたのかどうかは分からないが、送助は神を信じるのは危険なのではと感じた。
そして、今に至る。
世界樹の苗は枯れることなく今も助手席で苗のままだ。
もらった時から全然変わらない。
アリベともあれから1度も会わず、世界樹を指定の場所に持っていかないにも関わらず、神さえも姿を現さなかった。
送助は今も異世界を走り続ける。
多くの出会いと別れを繰り返しながら、いつかは自分の答えを出して、この世界樹を言われた場所に持っていこう。
その時、彼はそこにいる神に刃を向けるのか、苗を差し出すのかは今はまだ分からない。
次はキャラ説明に移ります




