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転移無双  作者: 天野 空
第九章 運送屋、異世界を走る
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運送屋、広野を走る

広野を軽トラックで走る1人の男。

幌の着いたそのトラックは強風が吹く広野もものともせずに進んでいた。

彼はなぜ広野を軽トラで走るのか?

彼の運送業務が今始まる。

俺の名前は運竜寺送助。

俺は今、広野をある荷物を積んで走っている。

この世界によくある馬車や巨大鳥がひく荷台でもなく、鉄で出来た軽トラでだ。

この世界には鉄で出来た自動で走る車なんてない。

しかし、俺はそれに乗って走っている。

さて、どこから話そうか?

そうだな、なんで俺が異世界に来てまで運び屋をやってるかって事からか。


あれはちょうど2年前になる。

俺は某有名配達会社に勤めていた。

どんな荷物もきちんと運ぶをモットーに日々頑張ってきたつもりだ。

そんなある日、いつも通り配達を終え俺は家路と急いでいた。

ま、帰っても誰もいないボロアパートなんだが、昨日は遅くまでテレビを見ていたせいで少し眠かった。

それがいけなかったんだろうな。

歩道から急に子どもが飛び出してきて、それを助けに1人の男性も歩道から飛び出てきた。

俺は慌ててブレーキを踏んだが間に合わない距離だ。

俺は思わず目をつぶった。

しかし、一向に悲鳴や車に何か当たった音は聞こえない。

俺はゆっくりと目を開けるとそこは知らない場所だった。

俺の後方にさっきまで乗ってた軽トラがある。

周りは光に包まれてるのか、ただただ真っ白い世界だった。

「ようこそ、運竜寺送助さん」

「え?」

さっきまで人がいなかったのに、今は目の前に1人の女性が立っていた。

「だ、誰だ?ここはどこだ?」

俺は思った事を目の前にいる女性にぶつけた。

「ここはですね、私が管理する世界の狭間です。

そして、私は貴方に分かりやすく言うと神様って事になりますね。

あ、見た目は気にしないでください。

私に本来の形はないので、貴方が話しやすい姿になっていますので」

「管理する世界の狭間?神?何を言ってるんだ?」

「あ、なんか本で読んだ事ないです?

異世界転生モノとか」

「いや、読んだ事はあるがそれフィクションだろ」

「はは、そちらの世界の神はゆっくりと広めてるみたいですね。

なら、いいです。

実はあれってフィクションじゃないんですよ。

本当に行われてる事なんです」

「な、なに?

じゃ、俺は死んだのか?」

「ん~そうですね、死んではいないのですので、今回は転移って、形になりますかね」

「なら、戻してくれ。

いきなりこんな別の世界に連れてこられても困る」

「はぁ、別に戻せますが戻った場合貴方は子どもと男性をその車でひくとこになりますがいいんですか?」

「な、なんで」

「なんでって私は貴方が事故を起こす寸前に時間を止めて貴方をここに引っ張って来てますので戻るならぶつかる所からです」

「戻れば必ずぶつかるのか」

「ええ、必ず貴方は2人をひいて殺してしまうでしょうね。

その後は殺人犯として刑務所に入り、賠償金やらなんやらである意味、貴方と言う存在は死んでしまうでしょう。

いくら犯罪者に救済がある世界でも、現実はそこまで甘くないですから」

俺は真実を告げられ考えた。

いや、選択肢は俺にはもうないんだな。

あの2人を殺す事になるのなら、俺はこのままでいい。

「わかった、この世界に住まわせてくれ」

「ありがとうございます。

それでは、向こうの世界の時間停止を解除しますね」

神は手を何かを払うように動かした。

たぶん時間を動かしたんだろう。

「さて、これで貴方は晴れて転移者になったのですが、この世界で過ごすのに1つお願いがあります」

「なんだ?」

俺は胡座をかいて神の前に座りなおす。

神もその場に座る。

「お願いと言うのはこれです」

神は背後から1つの金魚鉢を取り出し俺の前に置く。

その中には土が入っており、1本の苗木が植えられていた。

「これは私の世界にある世界樹の苗です。

これをある場所に持っていって植えてほしいのです」

「あんた神様なんだろ?

いきなりその場所に飛んで植えればいいんじゃないのか?」

「確かにそれもできますが、そうした場合、この苗がこの場所と向こうの世界の環境の違いについていけずに枯れてしまうんです。

なので、植えるまでに慣らしをしたいというわけです」

「どのくらい慣らすんだ?」

「そうですね、貴方を飛ばす場所からですと何もなければ5年ほどあれば付く場所ですね」

「5年?」

簡単にいうなこの神は。

「あ、もちろんその為に最低限のお金とアイテム、そして、特別なスキルを差し上げますよ」

「ま、それなら」

いいのか?

「では、まずはこれを」

神は布袋を渡してくる。

「これはアイテム袋です。

無限に入るわけではないですが、何でも入りますよ。

もったままウィンドウと念じれば何が入っているか分かります」

俺は神から袋を受け取りウィンドウと念じる。

すると目の前に透明なウィンドウが現れそこにいくつかの名称が表示された。

5十万G、旅人の服、ライトアーマー、ショートソード等。

「これはお金なのか?Gはゴールドとかか?」

「ああ、私の世界ではグーイと言われてますよ。

価値的にはそちらの世界と同じぐらいです。

ま、名称が違うと思っていただいて大丈夫です。

そのくらいあれば、私の世界では1年は普通に暮らせますね」

「なるほどね。しかし、1年か。5年かかるんだよな?」

「はい、残りは私の世界で自力で稼いでみてください。

それも楽しみの1つですので」

「ま、確かにな」

俺は袋を腰に着けた。

「では、次にスキルですね」

神が指を鳴らすと俺は淡い光に包まれそして光が消えた。

「貴方には2つのスキルを渡しました。

1つは『セーフティゾーン』

貴方が決めた場所を何者にも犯されない安全地帯に変えれます。

ただし、1ヶ所のみですけどね」

「いや、どんな事にも耐えれる安全地帯なら、1ヶ所作れれば十分だよ」

「もう1つが『インビジブル』

簡単に言うと自分と自分が触れている物を任意で透明化する能力です。

透明化してる間はどんな方法でも探知不可」

「なんか無敵っぽいな」

「ま、それぞれ弱点はありますから、そこは自分で確かめてください」

「それも楽しみの1つか?」

「はい」

にこやかに笑う神。

「それでは最後に貴方の後ろにある軽トラですが」

俺も軽トラを見る。

「あれは私の世界にはないのですが特別に持っていっていいですよ

燃料はガソリンはないので魔昌石と呼ばれるモンスターを倒すと出てくる石を給油口に入れれば走るように改造しておきましょう。

初めは燃料満タンにしておきますね」

「わかった」

「では、無事に届けられるのを祈っています」

そうして、俺はこの世界に降り立った。

愛車の軽トラと共に。


(そろそろ町に着くよ)

運転している俺の頭に直接声が響く。

これも魔法でできるらしい。

このテレパスという魔法を使ってきたのは、俺の軽トラの荷台に乗っている客の1人からだ。

俺はこちらの世界で神から頼まれた事をやりながら、運搬の仕事をしている。

初めは気味悪がられた軽トラだったが、今では安全に移動できる手段の1つとして有名になった。

今回もその移動手段として客を2人乗せていた。

「了解、それでは一旦その町で休憩しますので降りる方は準備しておいてくださいね」

俺は荷台に聞こえるように設置したマイクで伝える。

これもこの2年でこっちの世界で用意したものだ。

後ろの荷台も人が座れるようにソファーを乗せたり、簡単な食事も出きるように机も準備していた。

そして、雨風にさらされないようにドラゴンの皮を使った特注の幌を取り付けている。

その素材も前に乗せた客が軽トラを気に入ってくれてくれた物だ。

俺はだんだんと見えてきた町に向かって車を走らす。

この町は巨大な壁に囲まれていた。

この一帯は時折竜巻が起きる為、それから町を守る為のものだ。

俺は門の方に車を向ける。

「通行書を見せてもらえるか?」

門ではその町の役人がおり、通行書を提示しなくてはいけない。

俺は通行書を見せる。

「お、これは永久通行書か。

と言う事は君が無敵の運送屋か」

「ま、無敵かどうかは分からないけどそういう事です」

「うむ、とうってよし」

門が開き、俺は車を町に入れた。

この2年で多くのモノを運んだ。

どれも俺は何事もなく無事に目的の場所に送り届けた為にああいった2つ名というらしいものを付けられていた。


俺は馬車が並ぶ駐車場に車を止めると、鍵を抜いて荷台の方にまわる。

「お客さん着いたよ」

俺は荷台の入り口になる幌を外し中を見た。

中には先ほど魔法で俺に話しかけてきた女性と、大人ぐらいの巨大な白い狼、そして、頭から巨大な布で体全体をおおっている謎の人物がいた。

「はいはい、それじゃ降りますね。

ちょっと散策に行ってきます」

そう言って降りた女性が魔法使いのアリベ。

ある町に用があるらしく俺の軽トラを利用している。

確か年齢は20歳くらいか。

その後に謎の人物がゆっくりと降りてくる。

白い布には目の部分になるのか穴が2つ開いているだけ、素性も良く分からないが行きたい町があるらしい。

喋りもしないのですべて紙に書いて教えられた事だが。

そして、狼は荷台の中で横たわったままだった。

「留守番よろしくな」

俺がそういうとあくびをしながら返事をする。

この狼は俺のペット、クロウだ。

種族はデスフェンリル。

モンスターでは危険度SSランクなのだが、俺が子どものこいつを助けてからずっと懐かれている。

昔乗せたテイマーからはかなり驚かれたけどな。

「それでは、夜までには帰ってきてください」

俺は客2人にそう伝えると、2人は各々町の方に向かっていった。

俺も買い出しをしないとな。

車の鍵を締め、俺も町に向かった。

町は昼時と言うこともあり、かなり賑やかだった。

露店で買い食いをしながら、俺は車の燃料になる魔昌石を買いに向かった。

モンスターから取ってもいいんだが、戦いは未だに慣れていない。

しばらく走れる分の魔昌石を買い、次に俺は食糧を買う。

クロウの餌も買わないとな。

肉屋で品物を買う。

買った物はすべてアイテムポーチに入れる。

かさばらないし、これに入れておけば腐りもしない。

本当に良いものをくれたよ、神様は。


一通り買い物を済ませた俺は、本日2本目になる露店の肉の串焼きを頬張りながら軽トラに向かった。

いやぁ、この串焼きめちゃくちゃ柔らかくて上手いタレが付いてて本当に上手いわ。

近道をしようと俺は町の路地に入った。

しかし、それが良くなかったみたいだな。

「おい、そこのあんちゃん、見てたぜかなり買い物してたよな」

背後から声をかけられ振り向く。

そこには3人組の柄の悪い男が立っていた。

「それで?」

俺の返答に薄ら笑いを浮かべる男達。

「俺達、金に困っててなできればそのポーチを寄越してくれないか」

各々武器を取り出す男達。

はぁ、あまり戦いたくないんだけどなぁ。

しかし、『セーフティゾーン』は軽トラに使っているし、『インビジブル』は見つかってからは使えないからなどうしたものか。

俺が悩んでいると、ちょうどそこに見慣れた人物が通りかかった。

いや、ここ路地だけど。

「シロさん」

そう呼ばれた謎の人物がこちらを向く。

十字路の路地にこんなに上手く通りかかるのかなぁ。

ま、助かったかな?

「な、なんだお前」

男達は背後のシロさんにびびりながらも武器を向けた。

シロさんはそれにものともせずに俺の方に歩いてくる。

「てめぇ、無視するんじゃねぇ」

男達は武器を振りかぶりシロさんに攻撃した。

狭い路地で3つの武器。

シロさんに逃げ場はなく、冷たい凶器が襲いかかった。

「シロさん」

俺はシロさんに声をかけた事を公開しながら、男達の後ろにタックルをかけた。

新しい章の始まりです。

また、ぼちぼち書くことになりますので、お目に止まったら読んでみてください。

では、新章もよろしくお願いします。

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