わし、精霊化の真実を知る
双葉とのバトルをなんとか勝つ事の出来たわし達。
カードショップを後にし、わしらは家路についたのじゃった。
「ただいま」
遊びに行く時と違ってわしは精霊化しておるから、道中いろいろと見れて楽しんでおった。
ここが一葉の家か、初めてじっくり見れるのぅ。
双葉とは玄関前に別れた。
ま、後でまた行く事になるんじゃがな。
その後、わしが入ったデッキは机にしまわれたが、わしは精霊化したまま、一葉についておった。
双葉と別れる時、クロノから一葉からあまり離れないように言われたからのぅ。
何か危うい事があるんじゃろうか?
「おやすみなさい」
ご飯を食べ風呂に入り、両親に挨拶した後、一葉は布団に入って眠った。
さて、そろそろ行くかのぅ。
わしは何かあってはいけないので、一葉の周りに家族以外の物がきた時に一葉に危害が加えられないような魔法壁をはる。
そして、わしは隣の家、双葉の部屋へと向かった。
お、よう寝とるの。
部屋に行くとベッドにすやすや眠る双葉。
そして、空中に寝そべるクロノがおった。
「お、来たか」
空中で座り直すクロノ。
「そりゃ、呼ばれたからのぅ」
そう、別れる時にクロノから後で来るように言われとったのじゃ。
「それで、一葉にはあれからずっとついておったが、何か狙われたりしとるのか?」
わしは疑問をクロノに投げかける。
「まぁ、狙われるって、訳じゃないけどウルトラレアを持ってるからな何かしら不幸が起きる可能性がある。
他のウルトラレアを持ってる相手からな」
「そうか、ウルトラレアは精霊化出来て、力が使えるからじゃな」
「そういう事、ウルトラレアが精霊化。
ま、覚醒状態って言うんだけどその状態になってない時は分からないんだが、こうやって覚醒してしまうと他のウルトラレア持ちにもこっちの事が分かるからな。
カードを持ってる本人ではなく精霊化してる方には見えるだろ」
確かにわしはクロノの姿が見えとるからなぁ。
「分かった、これからも一葉からはあまり離れんようにしよう」
「そうしな。
で、今回呼んだのはいくつかの事をあんたに伝える為だ」
「なんじゃ、改まって」
わしもクロノの前で座る。
「まずは、お願いがある。
実を言うと俺は双葉の持つ本当のウルトラレアじゃないんだよ」
「ん?どういう事じゃ?」
「俺は双葉の父親が持っていたウルトラレアなんだ、父親は事故で亡くなってしまった、それにはウルトラレアは関係したいないがな。
その時、遺書と一緒に俺が双葉に渡されるようにしまわれていたんだよ」
「なんと、それは双葉辛かっただろうのぅ」
「ああ、今はこんなに元気だが、あの時は酷かったよ。
それを助けたのが一葉とその家族なんだがな」
「そうか、乗り越えられたらよかったわい。
それで、父親のカードだったお主がよく双葉の所におられるのぅ。
わしもちょっと聞いただけじゃが、カードショップでウルトラレアは持ち主を選び、違う者の所に行っても知らぬ間に元の持ち主に戻ると言っておったぞ」
「ああ、それは本当だ。
ウルトラレアは自分と引き合う相手の所に行くようにされている、そして出会ったらその相手からは何があっても離れないように神の力がはたらくんだよ」
「神の力?
ここにも神がおるのか?」
「ああ、どの世界にも神はいる。
ただ、積極的に出てくるか出てこないかだな。
ここの世界の神は、積極的に力を使ってる」
「そうなんじゃなぁ」
「ま、話は戻すが、元の持ち主に戻らない例外もある。
それが持ち主自身が譲渡する場合だ。
今回はこれに当たるんだが、実を言うと双葉は悲しみから立ち直った日にもう1枚ウルトラレアを引いているんだ」
「なんと、2枚持ちか?」
「ああ、だが、ウルトラレアは1人1枚じゃないといけない。
双葉はそれをなんとなく分かっているんだろう、もう1枚は机の奥にしまったままなんだよ」
「なるほどのぅ、ウルトラレア2枚はさすがに強すぎる」
「それでお願いなんだが、いつか双葉がそのウルトラレアを使う時、俺が教えたようにあんたがそいつに精霊化を教えてくれないか?」
「わしがか?」
「ああ、自然に出きるようになるんだが、教えた方が精霊化するのが早いんだよ」
「ま、それは構わんがなぜ自分で教えん?」
「俺がいるかぎり、双葉はそのウルトラレアを出さないだろうからな。
そのウルトラレアも使われるまで机の中で眠っているんだよ」
「そうか、分かった引き受けよう」
「助かる。
次に俺達がなぜ精霊化するかって話だ」
「うむ、わしもそれは気になっておった。
ショップで戦った時は見てるだけだし、精霊化せんでもよいのでは?と思っておった」
「ショップでも言ったが、本気でないなら精霊化しなくてもいいが、ウルトラレア持ち同士が本気で戦う時は精霊化しないといけない」
「なぜじゃ?」
「ま、言葉で言うより見た方が早いだろう
それじゃ、バトル」
「え?あ、バトル」
「スタート」
にやっと笑うクロノを見た瞬間、目の前が光に包まれた。
光が晴れるとそこは見知らぬとこじゃった。
「ここはどこじゃ?」
さっきまで部屋の中にいたんじゃが、今は森に囲まれたちょっとした広場におった。
しかし、何か懐かしさも感じるのぅ。
わしが周りを見渡していると「びっくりしただろ」とクロノが話しかけながら近づいてきた。
「お、クロノ。ここはどこじゃ?」
さっき自問した事をクロノに聞いてみる。
「どこかか、あんたは何か感じるか?」
「そうじゃのぅ、何か懐かしく感じるのぅ」
「なるほど、簡単に言うとここはあんたが生前住んでいたヴァリュキュアだよ」
「な、ヴァリュキュアじゃと?ならばわしは帰って来たのか?」
「いや、帰って来た訳じゃないな。詳しく言うとヴァリュキュアであってヴァリュキュアじゃない。
ヴァリュキュアの世界の一部を一葉が住んでいる世界の神が力で切り取ってカード対戦用に作り替えた場所だ。
だから、ここで何が起きてもヴァリュキュアには影響しないし、ヴァリュキュアに住む生物に合う事はない。ただ、影響を与えている事もあるけどな」
「そうか、帰ってきた訳ではないんじゃな」
少し寂しい気がするのぅ。
「ここでは、カードが全て現実になる。
今はいないが本当はここに立つのはそっちなら一葉で俺の方なら双葉だ。
一葉とリーダーカードが現実化して相手と戦っていく。
俺達ウルトラレアは、自分が場に呼ばれるまでは、デッキのマスターの補助をする事になるな」
「ほう、ならここなら魔法も使いたい放題というやけじゃな」
「いや、あくまでカードバトルだからな、スキルはカードに書かれているよのに限る」
「そうなのか」
少し残念じゃ。
「あらかさまに残念がるなよ。
それで、さっき言った影響なんだが、この場所を作るのに実を言うと俺達の魔力が使われている」
「なんと、全然そんな感じはせんぞ」
「今は魔力を奪われてないからな、ヴァリュキュアの世界には魔力が豊富に存在しているし。
ただ、このバトルが終わって一葉達の世界に戻る時、負けた方のウルトラレアのキャラから維持していた魔力がヴァリュキュアに奪われるように神が設定している」
「なるほどのぅ、それで魔王を弱らせれると言う事か」
「ああ、そういう事だ」
「それじゃ、もう1つの影響とはなんじゃ?」
「それはあんた達だ」
「ん?」
わしはクロノが言っている事が分からなかった。
「どういう事じゃ?」
「さっき言ったとおり、ウルトラレアで本気のバトルをするとヴァリュキュアと一葉達の世界が繋がる。
それを利用して一葉達の神はヴァリュキュアで有能な魂を引っ張ってきてるんだよ」
「ん?それで何かあるのか?」
説明されてもよく分からんが。
「ま、こっちの影響はあまり気にしなくていいさ、神の都合だからな、それより魔王に勝って魔力を減らす事が大切だ」
「確かにのぅ、一葉達の世界でやつが力を使えばたちどころに世界が変わってしまうだろうからのぅ」
そう、やつはわしがいた世界もその凶悪な力で支配していったんじゃ。
「さてと、戻ろうか」
「それは構わんが、どちらかの魔力が大幅に減ってしまうんじゃろ?」
「ま、普通はな。
ただ逃げ道もある」
そういうとクロノは一刀でわしを切り捨てた。
「な…に」
そして、消え去るわしの目には切った剣でそのまま自分を刺したクロノの姿じゃった。
「いきなり何すんじゃ」
ここは双葉の部屋。
わしは双葉の寝てる上で、クロノに怒鳴った。
「まぁまぁ、あれが抜け道なんだよ」
クロノが言うには同時に戦闘不能になった場合のみ、どちらからも魔力を奪われないとの事だった。
そして「それは魔王も知っているはずだ、だから勝てそうな瞬間も気を抜かないようにしろよ」と最後に忠告してきた。
それから、わしはクロノに別れを告げ一葉の部屋に戻った。
そこでは、気持ちよさそうに寝ている一葉がおった。
その寝顔を見ながらわしは思う。
これからこの子に大きな荷を背負わせる事になる。
わしは、わし自身の力でこの子を助けてやらないかんな、そう決意したのじゃった。
柚葉姉ちゃんのカード講座、第2回。
まだ、続くんだね。
まぁね。それじゃ、何か双葉ちゃん質問ある?
えっと、魔法カードについて質問。
はいはい。
魔法カードはデッキに3枚同じ物を入れてもいいんですよね?
ええ、ルールではそうなってるわ。
それじゃ、同じ魔法を連続で使うのはいいんですか?
それはいい質問ね。
でも、カードゲームしている双葉ちゃんはそれ知ってるんじゃないの?
まぁ、知ってますが知らない人もいるかなぁと。
なるほど優しいね、双葉ちゃんは。
それでは質問にお答えします。
魔法は基本的に1ターンに同じカードを使う事はできません。
そうなんだ。
そう、案外このヴァリュキュアワールドの魔法カードは強力な物が多いので、同じカードを連続で使うとパワーバランスが崩れちゃうんだよね。
ま、例外をもつカードもあるんだけどね。
分かりました、ありがとう、柚葉先生。
あ、先生はいい響きかも
では、次回もお楽しみに




