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転移無双  作者: 天野 空
第七章 人馬一体
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~ただいま異世界転移中~

この世界での役目を終えたクロノ。

光のトンネルの中、今回の旅を振り替える。

ここはいつもの光のトンネル。

「まさか、あそこで会うとはなぁ」

俺は彼らとの出会いを振り替える。


俺はいつもの服を脱いで、懐かしい装備に着替える。

黒い服に黒のライトアーマー、愛用の黒いブロードソードだ。

そして、俺は住み慣れた家を出た。

「やっぱり、どこかに行くんだな」

玄関を出たところで、目の前に俺とよく似た装備の人物が立っていた。

俺と違うとところと言えば、フルフェイスの兜を着けてるところか。

「本当にそっくりの装備してるな」

俺の言葉を無視して、クロスは喋り始める。

「まさか、俺達と分かれた後、こんなところで家政夫をしてるとは思わなかったよ」

「ま、あれからいろいろとここにはお世話になったんでな、それの恩返しみたいなものだよ、それよりさ」

俺は一瞬で剣を抜く。

キンと音がして、クロスの兜が2つに割れて落ちた。

中から金髪のロングヘヤーの美しいというよりは可愛いと言った方がいいだろう少女の顔が現れた。

「な、な」

驚くクロス。

「やはり、着けてない方がいいと思うけどな」

「何するんですかぁ」

先程とはうって変わって可愛らしい声だ。

あの兜、声まで変えるようになってたみたいだな。

「せっかく可愛いのにそんな兜を着けてたら台無しだろう」

「な、可愛くないです。それに、こんな姿だったらなめられます」

はぁ、それで俺みたいな装備してたのか。

このクロス。いや、本当の名前はセリーナだったか。

俺がこの世界で初めて会った人物であり、弟子でもあった。

どこからか家出してきたみたいだったが、案外剣と魔法の素質があり、俺が『急成長』のスキルをコピーした事もあって1年半で十分強くなった。

そんな時に勇者一行に出会って、彼女を預けたのだ。

「しかし、剣の腕は上達してるけど、ここはなぁ」

俺はセリーナのある部分を見る。

「また、変なとこ見てますね」

腕組みしながら防御するセリーナ。

「別に成長してない訳じゃないけどね」

声は横から聞こえてきた。

「もう、正体ばれてもいいみたいですね」

勇者一行だ。

「ありがとうな、セリーナの事」

「いえいえ、とても助かっています。

しかし、余程クロネさんが好きなのか装備はあれですが」

「な、好きじゃないです」

顔を真っ赤にして否定するセリーナ。

それを見て勇者一行は笑っている。

「そうだ、旅立つ前に会えてよかった。

ほら、餞別だ」

俺はアイテムボックスから白い防具を取り出し、セリーナに渡す。

「これって?」

「師匠が夜も寝ながら一生懸命作った装備だ」

「いや、寝ながらって」

「あとは預かってたこれだな」

俺はアイテムボックスから一振りの剣を出した。

刀身は白く彩飾も綺麗な一品だ。

「それって剣聖デュラハルですか?」

さすが勇者、お目が高い。

「ほら、テインの家借りたらいいから着替えてこい」

「あ、はい」

素直に武具を持って家に入るセリーナ。

「まさか、セリーナが隣の国の第6王女とは」

勇者がため息混じりに声を出した。

「みたいだな」

「知っていたんですか?」

「いや、知らなかったけど身分が高いだろうとは思ってた、あの剣そこら辺で売ってる品物じゃないし」

「隣の国では騒ぎになったんですよ、2年半前に王女と国宝級の剣が行方不明になったって。

でも、今は落ち着いてますね」

「ああ、弟子にとる時に実家に連絡してからじゃないとダメだって言ったからな」

「なるほど」

「そういえば、クロネはまた彼等に何かしたの?」

横から魔法使いが声をかけてくる。

「何か?」

「そう、テイン達にさ。最後一瞬で決めちゃったじゃない?」

「ああ、あれか」

そう、あれは俺がマフリャーを渡す時に、テインとミスティにコピーしたスキル。

2人の名前が、あまりにも俺の知ってる武器に似てたから、もしかしたらと思ってコピーしたんだけど、結果上手くいった。

「さぁ、2人の実力だろう」

「また、はぐらかしてる」

魔法使いが頬を膨らます。

美人でこういった子どもっぽい仕草をするからやたらに人気があるんだよな、この魔法使い。

「お、お待たせしました」

家から着替えたセリーナが出てくる。

「お、似合ってるじゃないか」

俺の言葉に勇者達も賛同する。

簡単に言えば、俺が装備している服、鎧の白色版だ。

ただし、装飾を付け多数の補助魔法のアミュレットを埋め込んでいる。

そして、腰には剣聖デュラハル。

刀身はショートソード並でガードの部分が普通より広い。

その武器の性能は魔力を通す事で刀身に魔力の刃が包み、バスターソード並の刀身になる。

魔力で出来ているので重さは変わらず、片手で十分に使うことができる。

「ありがとうございます」

珍しくお礼を言ってくるセリーナ。

「ま、素直が一番だ、それじゃこれで俺は行くよ」

「し、師匠。一緒に行きませんか?」

セリーナが悲しそうに言ってくる。

「お前はお前の道を行くんだ、無事魔王を倒したら1度家に帰れ」

「嫌です、もう城の暮らしは」

「それなら、また旅に出ればいい、今度は家出じゃなくて堂々とな」

俺はセリーナに笑いかける。

そして、勇者を見た。

「セリーナを頼んだ」

「はい、必ず」

「魔王をどうにか出来る事を祈ってるよ」

「ありがとうございます、いつかまた」

「はは、誰かと同じ事を言ってるな」

俺はセリーナの頭を撫でた後、勇者達と分かれた。


そして、今ここにいる。

テイン達と勇者達がこれから先良い物語を紡げるように祈りながら俺はトンネルの中で寝転がった。

今回は家政夫になっていたクロノ。

少し、クロノがどのキャラになっているのか分からないように書いたつもりですが、バレバレだったかも。

それでは、次は後日談、キャラ紹介に続きます。

お楽しみに

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