~ただいま異世界転移中~
光の輪に消えた師匠。
アルスは確認しなかったが、その光の輪は全てを消し去る破壊の輪だった。
いつもの光のトンネルの中、師匠はまた1人反省会を行う。
「はぁ、今回はなんか痒かったなぁ、師匠じゃないってさんざん言ったのになぁ」
光のトンネルの中、俺はまた愚痴?をこぼす。
今回の世界は比較的安定していた。
強大な魔物に世界が脅かされてる事もなかったので、のんびり旅をしていたのだが、出会ってしまった、まだ見ぬレアなスキルの持ち主に。
「悪い癖だよなぁ」
そう、レアなスキルを見るとコピーしたくなる。
実際にコピーして使ったら当たりも当たりのチートスキルだった。
そのまま、別れてもよかったんだが、アルスの話を聞き力になってやりたいと思った。
「アルスなら、仲間とこれからもやっていけるだろう、攻守共に最強だからね」
思わずにやけてしまう。
弟子にとってはいないが、自分が関わった相手が活躍すると思うと嬉しいものだ。
彼にはレアスキルのお礼に最後、『豪腕』のスキルを渡した。
『豪腕』は手での打撃力を大幅にあげるスキル。
ある世界の魔王からコピーしたスキルだ。
「そういえば、アルスやたらに気にしてたなぁ」
俺は『スキル辞書』を使う。
名前の分かっているスキルを調べられる便利なチートスキルだ。
習得条件まで分かるし、名前が分ければ絶対に調べられる。
「えっと、あった」
『矛盾双高』
習得条件
その1 攻撃スキルを最大にする
その2 防御スキルを最大にする
「簡単だなぁ、俺ならもうなってるけど」
その3 攻撃、防御スキルの限界を感じ諦める
「はい?」
なんだこの条件?限界を感じ諦めるってどういう?
あ、そうかあの世界、スキルに限界突破なんて特殊な現象があった。
なら、あの世界は攻撃と防御のスキル両方を限界突破出来ないのか。
ま、スキルを最大にしたら、そのスキルを諦めるなんてしないよな。
「こりゃ、条件厳しいや」
で、スキル能力はと、
攻撃の時に防御力を攻撃力に加える。
防御の時に攻撃力を防御力に加える。
か、なるほどね、どちらかが最強になるって事か。
矛と盾、双方の力を合わせて高めるスキルで『矛盾双高』ってとこかな。
ま、面白そうだけど、俺にはいらないか、絶対『生命の盾』の方がチートスキルだからね。
「アルス頑張れよ、いい仲間持ってるんだから、これからの冒険楽しむんだぞ」
スキル説明と師匠がアルスに与えたスキルのネタばらしです。
さて、次はアルスの後日談、ではでは、気になる方はどうぞ、図書館へ
彼のその後を想像したい方は、次の章でお会いしましょう。
次のお話は1人の少女の物語。