後日談~異界図書館より~
ここはどこにあるのか分からない、異界図書館。
全ての世界の物語が納められたこの場所で、あなたは何を望むのか?
本日は何をお捜しですか?
きょうふのうみそしるがでるやかたのその後が知りたい?
分かりました、しばらくお待ち下さい。
お待たせしました。
それでは、続きをご覧下さい。
無事に保護されたシャーロは、助け出した冒険者の言うように、数ヶ月の事を忘れていた。
冒険者ギルドは直ちにシャーロの身元探しと冒険者の言う屋敷への道を封鎖した。
シャーロの身元はすぐに分かった。
大都市にある魔導大学卒業後、行方をくらましていたある貴族の娘という事だった。
数ヶ月前から探索願いが各冒険者ギルドに出回っていたので、その貴族へ魔導通信機により確認、本人だと分かった。
屋敷の方はちょうど向かう道が土砂崩れにより通行出来なかったのでそのまま封鎖。
冒険者が言うように屋敷の扉が開いた場合最悪な魔物が現れるとの事なので、職員が交代で見張る事となった。
なぜ、冒険者の指示に従うかと言うと、その冒険者は数ヶ月前にある地域で町を襲うドラゴンを退治した者だったからだ。
その事も確認が取れており信頼できるという事になった。
また、封鎖に当たっての多額の援助。
そして、もし開いた場合にそれに向かうパーティーに渡すようにとある杖を寄付した。
冒険者はその後どこに行ったかは分からない。
それから数年がたった。
シャーロは持ち前の『天才』と『最善手』で様々な冒険をしていた。
天才策略家と呼ばれ、自らがスカウトしパーティーを組んだ仲間と大活躍をしている。
そんなシャーロ達は、ある村に来ていた。
それは、シャーロが数年前に保護された村だった。
この村に来るきっかけはシャーロに届いた1通の手紙だ。
内容は数年前にシャーロを助けた冒険者から、館の扉が開いたらシャーロに初めに連絡して欲しい。
そして、願わくばその時、冒険者として活躍しているだろうから館にいるアンデットを倒して欲しいという事だった。
まるで、未来を予言するような内容だったが、約束だったので連絡したという事だ。
シャーロは、冒険者ギルドから1本の杖を受け取る。
するとシャーロはこの杖にどんな能力があるか何故か理解できた。
これはアンデット専用の消滅魔法が込められた杖だ。
これで、館に巣くう不死のアンデットを倒せる。館に行く道は土砂崩れは撤去されていた。
しかし、途中厳重な結界と門があった。
シャーロ達は門で通行書を見せ館に向かう。
館は静まりかえっていた。
シャーロは初めて来るはずだがなぜか懐かしさを感じていた。
ゆっくりと門を開ける。
すると、奥から こちらに向かい凄い勢いで何かが転がってきた。
ソレをシャーロの仲間が受け止めた。
シャーロのパーティーメンバー、ゴーレム使いのゴーレムだ。
ゴーレムに受け止められたソレをよく見ると、だんご虫のような肉の塊だった。
手は人の手や足が多数あり、腐っていたが人の顔のようなモノが付いている。
シャーロは杖を高く掲げ力を解き放つ。
「ホーリーライト」
ゴーレムごと光の柱に包まれたソレは、甲高い声を上げながら消滅した。
最後の断末魔はシャーロには何故か安堵した声に聞こえた。
廊下を進むと、巨大なゾンビが立ちはだかった。
トロールゾンビだ。
その巨大な腕で殴られてはどんな生き物も無傷ではすまない。
しかし、「秘技鉄糸縛」目にも止まらぬ早業で、トロールゾンビは動きを止められていた。
素早さが遅いトロールゾンビにパーティーメンバーの忍者が動きを封じたのだ。
シャーロはまた、杖の力を解放する。
トロールゾンビは消える瞬間笑ったように見えた。
奥の大広間に続く廊下。
初めて来るはずのシャーロは何故か道が分かっていた。
奥から何やら長く大きなモノが蠢いている。
ゆっくりと近づくシャーロ達。
ソレは突然襲いかかってきた。
ワームゾンビだ。
顔のないはずのワームの口には腐った人の顔らしきものが付いている。
ゴーレムがまたも押さえつける。
しかし、土で出来たゴーレムではワームを止められない。
ワームは大きな口を開けゴーレムに噛みついた。
しかし、崩れるはずのゴーレムは崩れない。
先程まで土で出来ていたゴーレムはいつの間にか鋼に変わっていた。
パーティーメンバーの錬金術師がゴーレムを鋼に変えたのだ。
シャーロは杖を使う。
ワームゾンビもまた断末魔を上げながら消えていった。
もう少しで大広間だ。
最後のモンスターなのだろうか。
廊下の真ん中に何かが立っていた。
こちらが見える場所に来ても動かない。
パーティーメンバーの1人、吟遊詩人が前に出る。
そして、魔歌を奏で始めた。
シャーロが一歩踏み出すと同時に、ソレは激しく震えだし、体中の穴から怪音波を発した。
マンドラウッドだ。
マンドラゴラが成長しきった姿。
しかし、マンドラゴラはここまで大きくはならない。
これも手を加えられた生物だ。
怪音波は魔歌に遮られシャーロには届かない。
杖の力を解放する。
光の柱に包まれたソレは最後に「ありがとう」と言ったような気がシャーロにはした。
大広間に着く。
その奥には身体中何者かに噛られたり、引きちぎられた人のようなモノが横たわっていた。
「やっときたのか」
そのモンスターは喋れるようだ。
「早く終わらせてくれ、もう、こんな生は嫌だ」
顔も半分になっているそのモンスターはシャーロに懇願した。
仲間が止めるも、シャーロはゆっくりと近づく。
シャーロはそのモンスターの横まで来た。
「誰か分からないが、早く終わらせてくれ」
もう、目も見えないのだろう。
シャーロは何故かそのモンスターを見ていると涙が出てきた。
ゆっくりと杖をモンスターに当てる。
そして、力を解放した。
「やっと終われる」
そう最後に言い残し、モンスターは光に消えた。
シャーロ達は町に戻り冒険者ギルドに報告。
その後、また旅に出たという事だ。
数年後、天才策略家はある国の軍師になった。
そして、その横には数人のパーティーメンバーが共にいたそうだ。
次回はキャラ紹介。
その後は新章になります。
では、次回お願いします




