~ただいま異世界転移中の前~
ここはいつもの光の道に入る前。
別の世界に行く前にやるべき事を終わらせて行かないと。
「本当に厄介なものを飲ましやがったよな」
突然声をかけたのが悪かったのか、化け物と2人の人間がこちらを向く。
それと同時に俺は『アイテムボックス』から愛剣のブロードソードを取り出し一閃。
「ギャ~」
化け物の長い腕を切り落とした。
化け物はそのまま背後の壁に激突。
捕らえられていた女性、確かシャーロだったか?
彼女はその場に座り込んだ。
「その薬品も物騒だよな」
ブロードソードを1振り剣撃を飛ばす。
ネクロだったな、男が手に持つ試験管を破壊した。
「な、何なんだ、どうして生きて」
ネクロは面白い事を聞いてくる。
「おいおい、お前が作った薬、死んで生き返らす薬なんだろ?
なら、俺が生き返っても不思議じゃないだろ」
俺は呆れながら答える。
「確かにそうだが、すぐにアンデット化しなかった、だから、失敗したのかと」
何故か安堵しているネクロ。
ネクロはシャーロの方に振り向いた。
「君に飲ませる薬は失くなってしまったが、また、作ればいい。
それにあんな強いアンデットが私の物になったんだ。
これで私の研究を邪魔するやつもいない」
何かおかしな事を言ってるな、あいつ。
ネクロの言葉に怯えながらも俺を睨むシャーロ。
「おいおい、そんな目で睨まれても別に危害はくわえないよ」
「そ、そうだぞ、君には私の側にいてもらうからな」
俺が勝手に喋って焦ったのか話を合わせようとするネクロ。
だいぶ、勘違い男が鬱陶しいなぁ。
その間に化け物がゆっくりと立ち上がり、切り落とした腕を伸ばす。
すると切られた腕が元に戻っていった。
再生能力付きか本当に厄介なモノを作り出したな。
「さて、それでは、シャーロ。
君は私の新たな薬が完成するまで、しばらく部屋にいてもらおうか」
ゆっくりとシャーロに近づくネクロ。
しかし、俺は『ゲート』を使いシャーロを側に引っ張った。
「な?」
状況が分からないネクロとシャーロ。
「『天才』なんだからさ、もっと考えなよ」
俺はネクロに冷たく言う。
ネクロは何が起こっているのか分からない顔でこちらを向く。
同じくシャーロも、こちらを見ていた。
「俺は別にアンデット化してないよ。
さすがに『不老不死』だけど、あんなに毒やら呪いやら魔術てんこ盛りの毒薬飲まされたら、なかなか解除できなくて今までかかっちゃったけどね」
「な、なに?『不老不死』だと」
「ああ、いつだったかな、そんなスキル『コピー』したからね」
「全ての人間の夢である『不老不死』になっているのか」
ネクロは、興奮ぎみに聞いてくる。
「ああ、間違いなく何があっても死なない老いない」
「おお、おお」
俺がアンデット化してない事よりも『不老不死』に会えたことの方が驚く事なんだなぁ。
「さぁ、調べさせろ、お前の体を」
「いや、命令されてもねぇ、従順の魔術解除してるから」
「く、くそぅ、夢花、やつを捕らえろ」
「え?あの化け物が あのメイドさん?」
じゃ、もう眠らしてあげた方がいいか、来世はいい人生を送りなよ。
俺の投げたブロードソードが夢花だった化け物の胸に刺さる。
そして、「ホーリーライト」光の柱が夢花を包む。
柱が消えるとそこには1本のブロードソードが落ちていた。
「な、なんだ?」
ネクロが焦った声をあげる。
「アンデットにしか効かない消滅の魔法。
彼女の料理は美味しかったからね、せめてものお礼だよ」
『ゲート』俺はブロードソードを拾う。
「さぁ、君にもギフトをあげようね」
トン
俺はネクロの肩を叩く。
そして、『ゲート』で移動してシャーロをお姫様抱っこする。
「ちょっと寝てて」
魔法でシャーロを寝かす。
「ま、まて、何をした」
俺はシャーロを抱えたまま部屋を出る。
それを追ってネクロが続く。
「君には『封印』のスキルをコピーした」
「『封印』?」
俺はまっすぐ玄関に向かう。
それを追ってくるネクロ。
しかし、距離は縮まらない。
「君のスキル『状態異常無効』なかなかいいスキルだからコピーさせてもらった、なんでお返しにそのスキルを『封印』してスキルをコピーした」
「な、何を言ってるんだ」
玄関に着く。
ゆっくりと扉が開いた。
「ま、まて、どこに行くんだ」
「ここにはもうようがないからね」
俺が外に出ると同時に扉が閉まる。
そして、俺は『封印』を使った。
「な、なんだ開かない」
「スキルで閉めてるからね、開けたかったら自分のスキル使いこなしなよ」
「ま、まて、おい」
中からドンドン扉を叩く、ネクロ。
そして、扉を叩く音が止む。
たぶん、彼らが来たんだろう。
「な、なんだ、お前達は近づくな、近づくなと言っている。
どうして私の言うことを聞かないんだぁ」
「そうそう、彼らの従順魔法『封印』してるから解きたかったら頑張りなよスキル修練」
俺はシャーロを抱えたまま、館から去る。
「ま、まて、まだ私は薬を完成させてない、ああ、やめろ、足が腕があぁぁぉぁ」
悲痛な叫びが聞こえるが、今は『状態異常無効』は働いていない。
毒が体を蝕むだろう。
ようやく彼も望んだ体になれるんだ。
よかったな、ネクロ。
さて、近くの冒険者ギルドに行って、彼女を預けこの館の事も話しておこう。
もし、『封印』が破られたその時は、討伐するようにと。
俺は彼女のここ数日の記憶を『書換』た。
そして、ポンと背中を叩く。
スキル『最善手』この子の『天才』と合わせればどんな困難にも立ち向かえるだろう。
俺は彼女を抱え、近くの町に向かった。
さて、彼は無事にハッピーエンドになったのでしょうか?
次は後日談、キャラ紹介に続きます。
その後は、また新たな章へ
それでは、次回お会いしましょう。




