恐怖のぅ味噌汁が出る館
自らが出資する会社に流れた変な噂の詳細を知るべく、社長と同僚に話を聞くネクロ。
しかし、その真意は分からず、ネクロは自分の部屋に戻るのであった。
その夜は雨が降りしきり、寝ていてもその雨音がはっきりと聞こえていた。
それでも、眠気には勝てず私は目を閉じた。
そして、いつの間にか眠ってしまっていた。
ドアが激しく叩かれる音で私は目が覚めた。
「すいません、就寝されているところ」
ドアを開けると、何か慌てている夢花が立っていた。
「どうしたんだい?」
ふと時計を見ると9時になっている。
外はまだ雨が降っているせいか暗かった。
「ゾン博士の部屋で」
青い顔をして夢花は声を震わせている。
私は夢花を連れて急いでゾン博士の部屋に向かった。
そこには部屋を覗きながら写真を撮るグル。
外にはフランを抱き締めているシャーロと青い顔をしたスケル社長。
「どうしたんだ」
私の声にシャーロは部屋の中を指差す。
私はグルを入り口からどかせて部屋の中を見た。
そこには1人の男性が倒れている。
よく見るとそれはもう動かなくなってくる助手のクロだった。
それから一通り部屋を見た後、私達は昨日食事した食堂に集まった。
「今朝、朝食の用意が出来ましたので、皆様を起こしに部屋を回りました」
淡々と夢花が話し始める。
「始めに旦那様のお部屋に行きましたが鍵がかかっていて返事はなく、昨日は遅くまで起きていらっしゃったのでまだ就寝されていると思い、他の部屋に行きました。
シャーロ様はお部屋から返事がありました。
次にスカル社長のお部屋に行きましたがこちらも返事がありませんでした」
それを聞いて慌ててスカル社長が
「その時間には起きていて、トイレに行ったり食堂の方に行っていたよ」と言った。
「ああ、それは俺も見たよ、水が欲しくてね。
俺も食堂に行った」
グルは先程撮った写真をカメラを操作し確認しながら言った。
「次にゾン博士のお部屋に行きました。
同じように声をかけましたが返事がありませんでしたが、何故か扉が少し開いていたんで、悪いとは思いましたが確認させてもらいました。
すると、中でクロさんが倒れていたんです」
「悲鳴を聞いて私はどこから聞こえているのか探しながら客室を回ったわ」
シャーロは静かに言った。
「その途中でフランにあったの」
フランは頷く。
「2人で探していると廊下に座り込んでいる夢花を見つけて私は駆け寄ったの。
ただ、フランは部屋の中を見てしまって、それで気分が悪くなったみたいで」
それで抱き締めていたと言い訳か。
私はもう一度、部屋の中を思い出す。
ほとんど部屋は荒らされていなかったが、唯一ゾン博士に調べてもらう為に渡した緑の薬の瓶が割れ床に広がっていた。
誰かが踏んだのだろう部屋の外まで緑の足跡が続いていたが途中で消えている。
助手のクロはあの後、調べてみたがやはり息はなくなくなっていた。
腕の部分と足の部分に噛まれた後があった。
ただ、それだがで人が死ぬとは考えにくい。
何か他に原因があるはずだが。
「どうするんだよ、あの死体」
グルが怒ったように言う。
確かにあのままにしていると厄介な事になるかもしれない。
「地下に巨大な冷蔵庫がある。そこに安置しておこう」
「いいのか勝手に動かして」
「ああ、直ぐにこの屋敷に人が来ることはない」
「どういう意味ですか?
今日解散という話では?」
スカル社長は声があげる。
「大変申し上げにくいのですが、昨日の雨でこの屋敷に通じる道が塞がってしまっています」
「私達を起こす前に、夢花が土砂崩れを確認したらしい」
「ああ、何て事だ」
頭を抱えるスカル社長。
「しばらく待って雨も止めば、どうにかする事もできます。
それまで待ちましょう」
私の言葉に頷くシャーロ達。
「でも、ゾン博士はどこに行ってしまったんでしょう」
シャーロの言葉に部屋が静まり返る。
そうなのだ、クロの死体はあってがゾン博士の死体はなかった。
なら、博士はどこかに隠れているか逃げているはずなのだ、この屋敷にいる真犯人から。
ぐぅ~
グルは慌ててお腹を押さえる。
「何かご用意しますね」
少し笑顔を作りながら夢花が行った。
「な、なら俺も手伝うよ」
さっきのお腹の虫が恥ずかしかったのか、夢花のボディーガードをかってでる。
「私も行きます」
シャーロは私の方を向いて頷き、3人は部屋から出た。
シャーロは格闘技も習得していて強い。
何かあっても安心だ。
私は顔を青くしたままのスカル社長と何か考え事をしているフランと共に食堂に残った。
そして、私も部屋の中の事で気になる事を考える。
床に垂れていた例の薬だか、広がり方から全て溢れたように思える。
なので、今回は緑の薬の影響ではないということだ。
あと、クロが噛まれた後も動物に噛まれた感じではなく人に噛まれた感じだった。
私はスカル社長と食事を運んできたグルに声をかけ、夢花が帰ってきた後、助手のクロの死体を3人で地下の冷蔵庫に運んだ。
「さてと、トイレに行ってから帰りますよ、先に戻ってください」
食堂の前のトイレに入りながらグルが言った。
私と社長は食堂の近くだったので安心して、部屋に戻った。
「なかなか帰ってきませんね?」
夢花が作ってくれた味噌汁を飲みながら、シャーロが言った。
確かにあれからだいぶ時間がたっている。
私は席を立ち、食堂のドアに手を当てた。
「ぎゃーーーーーーーーー」
その時、突然大きな悲鳴が聞こえる。
すぐさま扉を開けた。
廊下の電気は何故か点滅していて、よく先が見えない。
「ど、どうしたの?」
シャーロ達も部屋から出てくる。
廊下の先に誰かが立っている?
それと、誰かが這ってきているのか?
「俺の腕、俺の腕」
突然、雷が鳴る。
突如、廊下の電気が付いた。
床を這ってきているのがはっきりと見える。
両腕をもぎ取られたグルが、まるで芋虫のように自分の腕を探しながら這ってきていた。
その奥で、グルの腕だろうか口に咥えた何かが立っていた。
「ゾン博士?」
誰が言ったのか分からないだけど確かに博士だ。
しかし、その体は。
年老いた体ではなく、いびつに盛り上がった腕の筋肉。
それに合わない小さな下半身。
そして、何より腕を噛み咥えられるくらい口が大きく開いていた。
「おでのうで、おでのうれぇ」
下を見ると、グルの顔は崩れ初めていた。
頬の肉は垂れ、片方の目玉も顔から飛び出して来ている。
「うぅー」「あ、あわ、あが」
後ろで声がする。
フランが社長が怖さに負けて、逃げ出した。
「待って、何が起きてるか分からない行かないで」
シャーロの言葉は2人には届かない。
「ダメだ、私達も彼らを追って逃げるしかない」
私はシャーロの手を引き逃げた2人を追った。
「どうして、何でこんなことに」
シャーロは涙を流し一緒に走る。
私は後ろを振り向く。
変わり果てた2人を見て、私は薬の効果を確認した。
始めにこれは推理小説ではありません。
ほぼ、B?C級ホラーです。
さて、犯人は誰でしょうはありません。
さぁ、次回は最終回、ハッピーエンドはダレデショウ。




