麒麟児~神の塔の1~
ハーレム状態で寝ることになったクロノ。
アンやノーム、そしてシロマの柔らかい感触に悶々としながらもいつの間にか寝入ってしまっていた。
そして、目を覚ましたクロノが見た光景は。
なんとか寝れた俺が目を覚ました場所は、フィッシュの部屋ではなかった。
やたらと大きな布団にはアン達も寝ている。
俺達の荷物は布団の横にある棚に綺麗に置かれていた。
「おはようございます」
「あ、おはようございます」
半分寝ぼけて答えた先に神官のような姿の神人が立っていた。
回りをよく見ると綺麗な真っ白な柱が奥までずっと続いている神殿の中のようだった。
床も綺麗な白色でツルツルだ。
俺はアン達を起こし身支度を整えた。
それを神人はずっと笑顔で待っていた。
「お待たせ」
俺達は身支度を終わらせ、神人に声をかける。
「いえ、大丈夫です。
では、参りましょうか」
神人に連れられ俺達はその真っ白な通路を奥へと向かった。
「私はそうですね、ファーストと呼んでください」
「あんたが初めて神に作られた人って事か」
「ええ、そうです。
そして、貴方達に最後の試練を与えるもの」
「最後の試練か」
「といっても貴方達は神に会う資格はありますけどね」
「え?」
ファーストの言葉に驚く。
「ふふ、今までの試練は簡単に言いますと、私が貴方達が今までこの世界でしてきた事を調べる時間稼ぎのようなものです」
ファーストは前を向いたまま、ゆっくり歩き続ける。
「クロノさん、貴方は多くの人を助け導いてくださいました。
それに神器も返却してくださった。
アンさん、貴方は我が主の古い友から託された方。
クロノさんのお陰もありますが、立派に育ってくれて主はとても喜んでいらっしゃいましたよ。
ノームさん、貴女もこの世界で多くの人を助けてくださいました。
クロノさんと出会って心の傷も少し癒えたみたいですね、出会ってからの貴女はとても素晴らしかった。
シロマさん、自身の主を見つけよく頑張ってここまで来てくれました。
貴女の種はあまり成長せず神の元に逝くことが多いですがよくここまで成長してくれましたね」
「なるほど、最後の試練って訳じゃないんだ。
これが本当の試練なんだな。
もし、ここでファーストが神に会う資格なしとしたら俺達は塔の外に出された訳か」
ファーストは前を向いたまま頷く。
「その通りです。
神に会わすかどうかは私に一任されていますので」
通路の奥がだんだんと明るくなってきた。
「そろそろ着きますよ」
ここからでも分かる。
巨大な扉が見えてきた、あれが光っていたのか。
その後、道中誰も話さず、ファーストの後をついて歩いた。
いつの間にか目の前に先程の大きな扉があった。
「さぁ、着きました、この先に我が主この世界の神がいます」
ファーストは振り返り笑顔で言った。
「いってらっしゃい」
ゆっくりと扉が開く。
アン達は扉の中に入っていく。
俺も最後に扉に入ろうとした時、ファーストが声をかけてきた。
「たぶん、クエスなら聞いたでしょう、貴方は本当に今から願う望みでいいのですか?」
確かにクエスに聞かれたな。
「ああ、変わらない、この世界に来た時からそれは決めていたから」
「そうですか」
ファーストは少し悲しそうな顔をした。
「でも、楽しい世界だった」
俺は素直にファーストに伝える。
「ありがとうございます、我が主も喜びます」
俺はその言葉に笑顔を向けた。
「また、よろしくな」
「はい」
俺の言葉にファーストは笑顔で答え、それを見た俺はゆっくりと神への扉に入った。
残すところ後1話。
これまで長い間お付き合いくださってありがとうございます。
クロノ達の決めた道。
最後まで見守ってください。




