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転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
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麒麟児~神の塔の本と宝~

2階層を無事にくぐり抜け次への階層へと上がったクロノ。

次の階層は簡単に行くと門番である竜に言われ上がっていったクロノだったが果たして簡単に上へと上がれるのだろうか?

たどり着いたそこは図書館の中だった。

「いらっしゃい、久しぶりだねお客さんは」

机に座ってこちらを見ている青年が声をかけてきた。

渦に巻かれて最後はくるくる回っていたところまでは覚えているのだが、あまりにも回りすぎて一瞬気を失っていたのか?

回りにはアン達が横たわっていた。

「あの渦から来たんだ、気分が悪くないだけすごいよ」

にこにこしながら青年は席を立ちこちらに向かってきた。

「えっと自己紹介しとこうか僕はそうだねブックとでも呼んでくれるかい?

この階層を管理している神人だよ。

ここは前の2層と違い11から15階をぶち抜いて1つの層にしている。

見てのとおり本の山だよ」

ブックの言うとおり周りは本がぎっしりと埋まったら本棚が天井が見えないくらいの場所にぎっしりと重なり伸びていた。

「ここはこの世界の全ての情報が、自動で本に記載され保存されている」

「全ての事が」

「そう、ただし未来の事が書かれたものはないよ、現在進行形の事を記載しているからね。

過去から現在までの情報がここにはある」

ブックは本を片手に俺に優しく説明してくれた。

「さて、君達は上に行きたいんだよね?」

「そうだ、最上階にいる神に会いに来ている」

俺はすぐさま答える。

「なら、ここでの試練を伝えるよ。

ここでの試練は自分で上に行く方法を調べる事。

調べものにはここは最適だからね」

周りの本を手の平で指しながらブックは嬉しそうに言った。

「確かにな、調べものには最適だな」

ようやく目が覚めたのか、アン達がゆっくりと起き出す。

さて、竜が言ったように簡単に上に行く方法見つけられるといいんだが。


それから、俺達はブックが案内してくれた1つのテーブルを拠点に本を調べ始めた。

まずはこの山のようにある本がどのように並んでいるか法則性を見つけるために近くの本を手にとって読んでいった。

しかし、天井も見上げても見えない。

端から端も見て分からないこの巨大な図書館で本当に目的の本が見つかるのか?

ある程度調べていくうちに、アン達と同じ結論にいたった。

「バラバラだな」

「ええ、ランダムね」

「本当に規則があるように見えないです」

「もう、文字嫌い」

みんなの意見どおりここの本はなんの法則もなくランダムで置かれていた。

歴史書と思えば横にあるのは料理の本。

言葉の順かと思えばバラバラだ。

本の大きさ色も様々だし、これはどうやって見つけるんだ?

あの竜は簡単に上に行けるような事を言っていた。

アン達は探し疲れたのか、机にもたれ掛かったり、椅子にぐったりと座っていた。

今まではだいたい体力勝負みたいな感じが多かったから、この試練は疲れたのだろう。

ふと俺はブックを見た。

管理者だと言った彼はどうやってこの本の山から目的の本を手に取っているのだろう?

よく見ればさっき俺達に説明していた時とは違う本を持っている。

俺はダメもとでブックのステータスを見た。

アンノーンと記載された、ステータス画面が出る。

やはり、Sクラス冒険者と同じようにステータスを見れないように出来るのか。

「はぁ、神に会うために来たのにここで足止めか」

俺は仰向けになり、なんとなく手を上に伸ばした。

「ん?」

何かが手に当たる。

俺は仰向けになったまま、その手に当たった物を掴んだ。

それは一冊の本だった。

「神に会う方法」

そう題名には記載されていた。

???

なぜこの本がここにあるんだ?

俺は本を開いて見てみる。

ま、内容は簡単に言えば、神に会う為のいくつかの方法が書かれていた。

その1つは俺達がやった方法だ。

しかし、塔の攻略までは書かれていない。

しかし、なぜこの本がここに?

俺はもう一度本を見る。

どこにでもある本だ。

しかし、何かおかしな気配はする。

俺は試しに本に対してステータス画面を見てみた。

ステータス画面が現れて、この本に関する説明が出る。

神に会う方法が書かれた本。

そして普通こういった本にはないスキルを所持していた。

『自動更新』『情報収集(特化)』『空間移動(限定)』

な?

『空間移動』のスキルを持ってるのか、この本。

限定とは言え、このスキルはレアなスキルの分類だが。

俺は『スキル辞典』を使う。

『空間移動(限定)』

無機質が持った場合、どこにあっても望んだ相手の手元に移動する。

終わった後は元の場所に戻る。

ただし、このスキルが発動するには条件が存在する。

なるほどな、探しに行くんじゃないのか。

勝手にこちらに望んだ本がくるんだ。

だから、ランダムに置かれていようと構わないわけか。

「はは、分かったみたいだね」

いつの間にか側に来たブックが仰向けになっている俺を覗きこんだ。

「だから、前の階層の門番の竜は簡単と言ったんだ」

「なんだ、ヒントもらってたんだ」

「ヒントって感じじゃなかったけどな」

「じゃ、後は簡単だよ、その本がどうやったら手元に来るか、その条件を見つければいい」

「ああ、それならもう分かってる」

そういう俺の手には、この階層の見取り図が収まっていた。

「へぇ、種が分かれば一瞬ってわけね」

ブックが笑う。

そう、ここの本は探してはダメなんだ。

探すのではなく、ゆったりとした気持ちで、いる本を望めばいいんだ。

そう、図書館で本を読むように心静かにして。

「さすがここまで来た事はあるね」

ブックは笑顔でそう言いながら、自分の座っていた場所に戻った。

すぐさま、俺はアン達と共に見取り図を見る。

あった。

上への階段、いや、扉か?

でもここは?

「見つけたなら進むといいよ、それで試練は合格だから」

ブックの言葉に俺達は初めてここに来た場所に戻った。

後ろの壁には扉が1つ。

そう、そこが上へ行く為の扉だった。

「初めから上に行く場所にいたのか」

「そうだよ、だから、竜も言ってたでしょ、簡単だって。

先に急ぎたかったら扉を開ければその時点で上にいけるんだから」

ブックは笑う。

「確かに簡単だよ」

俺も笑った。

「さて、次の階層だけど、君達はもう試練を合格してるからすぐに上に行けるよ。

ま、せっかくだし上に行ったらそこの管理者とお茶でもしてやってくれ、何せここにお客がくるのは希だからね、僕達は基本暇してるんだ」

「分かった」

俺はブックに頷くと手を振り扉を開ける。

ブックも後ろで手を振ってくれていた。

そして、俺達は扉をくぐった。

さぁ、次の階層はどんなところなんだ?


「いらっしゃい」

扉を開けてくぐった瞬間、眩しい光が目の前に広がりそして、収まると同時に俺達は先ほどと違った場所に立っていた。

しかし、そこは先程の場所とあまり大差はなかった。

目の前には1人の青年、部屋中本棚ではなくショーケースが並んでいた。

目の前の青年は先程のブックと瓜二つだ。

俺達が部屋を見てぼーと立っていると、青年が話しかけてきた。

「久しぶりのお客さんだね、ようこそ神の宝物庫に。

僕の事はそうだね、トレジャーと呼んでよ」

「分かった、よろしくトレジャー」

俺は言葉を返す。

「それにしても前の管理者とよく似てるな」

俺は素直に感想を言った。

「ま、同時期に神に作られたからね」

トレジャーは俺達をテーブルに誘導し、座るよう促した。

俺達は椅子に座る。

トレジャーはどこからともなくお茶とお菓子を持ってきてくれた。

「前の神人にお茶でもしろって言われたでしょ」

トレジャーは笑いながら座る。

「ああ、基本暇してるって言ってた」

「そうなんだ、僕達神人は基本この塔からは出ないからね、こうやってお客さんが来ない限り1人が多いかな

ま、例外はいるけどね」

お茶を飲みながら笑顔のトレジャー。

「さて、僕の試練だけど」

俺達はお茶を飲み次の言葉を待つ。

「君達が持ってきた神器をもらおうか、それが試練だよ」

「神器を渡す?」

「ま、返却するっていうのが正しいかな。

ここは、神が作った武具道具が保管されてる場所だから」

「なるほど」

俺はその言葉を聞いて周りをもう一度見渡す。

確かになショーケースの中には様々な道具や武具が並んでいた。

どれもこれも普通の道具や武具が持ち合わせない神属性の力を感じる。

「でも、この世界の神が作ってない武器も持ってるみたいだね」

トレジャーはアンやノームを見る。

確かにアンは草薙剣と俺が作った『神性』を持つ神木刀を、ノームは異界の武器ブラックイレイザーを持っている。

「ま、僕が保管するように言われているのはこの世界の神が作った物だから」

そう言うトレジャーにアンは持っていた、賢者の杖を渡した。

「確かに、ありがとう。

この武器は人が使うにはちょっと規格外だったから心配はしてたんだ。

使おうにも上手く使えないでしょ。

なんせ、最低でも七大悪魔達ぐらいの魔力を持っていないと正常に動かないからね」

確かに人が使ってあの程度の召喚しか出来てなかったしなぁ。

「ま、本来はこの杖、七大悪魔達を呼ぶための物だったからね」

そう言いながら、トレジャーは賢者の杖を上に放り投げる。

賢者の杖は空中で姿を消し、遠くの方でカチャンと音がした。

「これで賢者の杖があった場所に戻ったよ」

トレジャーは笑顔で言った。

「さて、ゆっくりと休んでいって欲しいけど、急ぎなのかな?」

「ま、お茶くらいする時間はあるさ」

俺はトレジャーに笑顔で言った。

アン達も頷く。

「そう、ならいろいろと話を聞かせてもらってもいいかな?」

俺達はトレジャーとこれまでの事を話ながらゆっくりとお茶をした。

そして、トレジャーに見送られ、次の階層への階段を上がるのだった。

さて、とうとう塔も半分が見えてきました。

クロノ達もラストスパート、最後までお付き合いください。

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