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転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
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麒麟児~神の塔の優しきモノ~

神の塔、第一層目を無事に乗り越えたクロノ達。

次の階層の管理者であるユウと共に次の階層へと上がった。

次の階層の試練とはいかなるものなのか、そして無事に乗り越えることができるのか?

ユウと階段を上がって数時間たったような感じもするし、一瞬で着いたような気もする。

俺達の目の前には森が広がっていた。


この階層に着いて俺達はユウを先頭に森の中を歩いていた。

「この階層は全部で2つに分かれています。

6~8階は陸と空の生物、9~10階は海の生物が生息しています」

「ん?ハタケみたいに自分の部屋はないのかい?」

「ええ、だから、さっきみたいにお邪魔してるんです」

俺の質問に振り返りユウは笑顔で答えた。

「それに、基本はこの階に小屋を建ててますので」

そんな他愛もない雑談をしながらかれこれ2時間程歩いた。

森を抜け辺り一面草原に変わる。

それにしても、本当に塔の中なのかと再度疑りたくなるほどこの場所は広大だった。

草原にも多種多様な生物が生息している。

こちらを襲っては来ないが、今まで見た事もない生物も見かけた。

「ここには、この世界に生きている全ての生物が生息しています」

「どうしてここに生物を住まわしているんです?」

ノームがユウに聞いた。

「それはこの世界から絶滅して消えてしまわないようにです」

少し悲しそうな顔をしながらユウは答えた。

「外の世界では、特に意味もなく生物を殺したり、事故で死んでしまったりします。

そのせいで生物が絶滅してしまう事もあるんです。

そうならないように、絶滅しそうな種をこの塔から外の被害が少ない場所に送り出しています」

「なるほど」

ノーム達が頷く。

確かに外の世界では人間が無闇に生物を殺したり大きな魔法研究で環境をがらりと変えてしまう時がある。

それでどれだけの生き物が死んでいくのか、当の本人達は気づいていないだろうな。

「あ、そろそろ見えてきましたよ」

ユウの言葉に考えを止め前を見た。

確かにまだ少し先になるが長細い塔のような物が空に向かって伸びていた。

しかし、ここ塔の中だよなぁ。


「着きましたよ」

あれから1時間くらい歩いた俺達は、さっき見えていた細長い塔の前に来ていた。

塔に見えていたそれは、近くで見ると透明の筒のような物だった。

「後はここを上がれば海のエリアに出ます。

海の中になりますが息はできますので、そのエリアにある上へと続く階段を探すのが、このエリアの試練ということにしましょう」

「本来は違うのかい?」

ユウの言い回しに少し疑問を覚え聞いてみる。

「ええ、本当は試練は合格してるんですよ。

あなた達は、先ほどのハタケの所で、きちんと鍬を使って畑を作ってくれました。

やろうと思えば使わなくてもできたのにわざわざ使ってしていた。

その素直さと誠実さが私の試練を合格する為のものです」

「じゃ、鍬を使わず畑を作っていたら?」

ノームが聞く。

「その場合はこの階層でのペナルティを伝えないまま、ランダムで飛ばした後、上がる場所を探してもらいます。

ちなみにペナルティはこの階層で生物を殺さないこと、殺してしまった場合は即塔の外に出ます。

ちなみに襲われた場合は死なない程度の傷をつけて逃げるのは大丈夫です

少しの傷ならこの階層にいたら回復しますので」

なるほどな、確かに集中すれば大気から体に常時回復されてるようなエネルギーを感じる。

お腹が空かないのもその性か。

「それでは、くれぐれも次の海のエリアで生物を殺さないようにしてくださいね、襲われても逃げの一手で」

「わかった、ありがとう、ユウ」

俺達は透明の筒に入る。

入り口が音もなく閉じた。

ゆっくりと足元が浮き上がり、手を振っているユウから離れ、どんどん上がっていった。

「あ、町だ」

外を見ていたアンが指を指す。

確かにそこには町があった。

人が住んでいるのか?

「確かに人も生物よね」

ノームがポツリと呟く。

人間が頂点ではない、絶滅してしまう危険があるという事か。

「そろそろ出るね」

上を向くと水のような膜が見えた。

さて、次は海のエリアか。


飛びだした先は海の中だと思う。

どうしてはっきりしないのか、それは周りが真っ暗だったからだ。

自分の手さえも見えない暗闇だが、体全体に圧を感じる。

ユウが言ったとおり、息はできている。

周りの気配を探るとアン達がいるのがわかった。

俺は『生命の盾』を発動。

自分とアン達を包み込むように四角い箱のように形を作った。

「お師匠さま、ありがとうです」

アンの声が聞こえる。

海の中でも声は聞こえるようだ。

俺は小さな声で、

「明かりは出せないからゆっくりと座って」

と伝える。

目も慣れてきたのか、目の前にアンとシロマ。

俺の横にはノームがいた。

「どうしてですか?」

アンも小声で返してくる。

俺と横のノームは親指で後ろを指差す。

ノームも分かっていたみたいだ。

一瞬アンが後ろを見た後、慌てて口を塞ぎ後ろに倒れる。

俺はゆっくりと『生命の盾』を上へと『重力』で持ち上げていった。

周りがぼんやりと明るくなってきた時に下を見た。

ゆっくりと何か大きな物が動いた気がした。

少し明るくなった海を漂いながら、さっきアンが見たものを教えてくれた。

それは俺達2人を軽く越える大きな目がこちらを見ていたそうだ。

ま、気配でなんとなく巨大な何かがいたような感じがしたからたぶんそれだろうな。

やはり、深海は何がいるか分からないな。

それから、俺達は海の中をさまよいながらいろいろな生物に出会った。

上半身が人で下半身が魚の人魚。

上半身が魚で下半身が人の魚人。

この2組の人?達から次の階に上がる階段?の情報を聞いた。

ある場所で海流が渦のように巻き、上に向かっている場所があるそうだ。

そこが入り口ではないかと言うことだった。

ただし、その近くには巨大な海竜が住んでいるとの事。

たぶんそれが門番的な役割をしているのだろう。

俺は教えられた方に『重力』を操作して『生命の盾』を動かした。

他にも綺麗な魚の大群や様々な色を出すクラゲの大群等、美しい光景も目にできた。

ま、時折鮫らしき生物に『生命の盾』が噛まれたり、巨大なタコに絡まれもしたが、その度に死なない程度の攻撃を加えて逃げている。

しかし、こうやって海に漂っているとアンと初めて会った時を思い出す。

あれからだいぶ月日はたった、俺はアンをきちんと育てられたのだろうか?

「お師匠さま、あれじゃないですか?」

仰向けに寝て思いにふけっていた俺はアンの呼び掛けに体を起こす。

他のメンバーもアンの指差す方を見ていた。

確かに渦が上に向かっているのがここからでも分かる。

そして、確かにいるな門番が。

渦の回りを巨大な長い竜が守るようにとぐろを巻いていた。


「よく来たな」

あれから数時間後、渦の道近くに来た俺達を、拍子抜けするような優しい声でその竜は出迎えてくれた。

「管理者から聞いている、ペナルティを受けずにここまで来たのだ、この渦に乗って次の階層に行くがいい」

「そうなのか?」

俺はあまりにも簡単にことが進みいささか驚いた声をあげた。

「はは、戦いたかったか?」

竜はそんな俺を見て笑いながら答えた。

「いや、別にそうではないが」

「なら、行け。私も無益な戦いはしたくないからな、それにお主らとやって勝てる気もせん」

巨大な竜にそう言われるとなんかこそばゆい。

「私もけして弱いとは思ってはいないが、そなたらはもうこの世界では上位の存在だろう、十分に神に会う資格はあると我が管理者も感じているのだろうよ」

「そうか、ありがとう」

俺は竜に礼を言って渦の中に入った。

「次の階層と、その次の階層は簡単と言えば簡単だ。

お前達に我が神の祝福があらんことを」

その言葉を聞きながら俺達は渦の勢いに乗り、次への階層へと上がっていった。

クロノ達は次なる階層へと向かう。

クロノの目的地まであと僅か、アンの未来の行方はいかに

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