表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
38/186

麒麟児~研究所の反乱~

水の悪魔に出会い、神への道の承諾を得たクロノ達。

しかし、突如アルケルより緊急クエストが発令せれる。

クロノ達は急いでアルケルに向かうのであった。

ここは高速飛竜船の中。

俺達はクリス達と共に、応接間に集合していた。

「それでは、今回の緊急クエストの内容を説明します」

クリスは1枚の紙を机に広げる。

アルケルと周辺の地図だ。

「問題の研究所ですが、アルケルから少し離れた高台の場所に建てられています。

昨日の朝、研究所から逃げてきた、研究員から今回の反乱が報告されました。

反乱者は研究員アビルズ、神器を研究所に持ち込み一躍有名になった者です」

「神器を持ち込んだ?」

「はい、研究所は神器の研究の為に建てられましたが、レプリカばかりで長らく本物の神器を扱っていませんでした。

それが、約半年前にアビルズがその杖を持ち込み鑑定。

結果が神器だったという事で、研究所はその神器についての作動、解析に着手していました」

「怪しまなかったのか?いきなりそんな物を持ち込んだやつを」

「初めは怪しんだのですが、経歴等を冒険ギルドで調べた結果は白でした。

そして何より今までに手に入らなかった神器が目の前に出されれば研究所は飛びつきます」

「なるほどな、それでこの有り様か」

「何も言えません。

逃げてきた研究員からですと、他の研究員達は他の場所に避難したそうです。

研究所長はアビルズの暴走を止めようとして亡くなったそうです」

「そうか」

反乱の責任を感じ神器相手に立ち向かったか、対策がなければ自殺行為だろうに。

「こちらに連絡が来た時に、アビルズから要求が出されました。

要求は明日の朝までに、アルケルの全権を渡す事と、アルケルにある全ての魔晶石を渡す事です」

「全ての魔晶石?」

「はい、アルケルに滞在している冒険者からも魔晶石を徴収しろという事ですね」

「なるほどな、杖の維持の為か」

確かにアルケルには大勢の冒険者が滞在しているからな、それらを集めれば神器の維持には十分だろう。

「しかし、そういう事ならアルケルから冒険者は出ていかないのか?」

「緊急クエストが出たのもありますが、冒険者の方は喧嘩を売られると買うような人ばかりなので」

クリスは困ったように答える。

「はは、確かになぁ。

それにしても明日の朝までとは悠長に待ってくれるんだな」

「たぶん、自分の力を見せつけたいのだろう」

ラウは腕組みしながら答える。

俺も同じ考えだ。

神器を扱えるようになったんだ、使ってみたいと思うのは人間の性だな。

「現在、対応としてアルケル騎士団が先発隊として1個中隊で研究所に向かっているそうです。

この時間だともう着いて戦闘に入っていると思われます」

「明日までにどうにもならない時は?」

「町長は最悪の場合、冒険者を町から撤退させ、住民の安全を最優先としながら、要求をのむそうです」

「そうか」

そういう考えの町長ならどうにかしてやらないとな。

「すいません、お話し中」

勢いよくドアが開き、1人の受付嬢が入ってくる。

「先ほど、研究所に到達した1個中隊ですが、反乱者の使役する火の悪魔と水の悪魔にほぼ壊滅状態だそうです」

「な、2体の悪魔を使役してるんですか?」

クリス達が驚く。

俺達も違う意味で驚いた。

水の悪魔はさっきまで会っていた相手だ。

それが、どうして反乱者に使役されている?

「すまない、少し席を外す」

俺はそう伝え、飛竜船の甲板に出る。

速いスピードが出ているはずだか、甲板には風が吹いていなかった。

俺はすぐさま『念話』を使い水の悪魔ウォーサンに連絡をとった。

「聞こえるか?」

「こんな事も出来るんですね」

俺の呼び掛けにウォーサンがすぐに答えた。

『念話』は対象の相手に直接、声を届けるスキル。

「今は大丈夫なのか?」

「ええ、そちらはどうなっているんですか?」

「詳しくは長くなるから割愛するが、神器を持ったやつが反乱を起こしたらしい。

それでそいつが火の悪魔と水の悪魔を使役してるって聞いてどうなってるのかと思ってな」

「なるほど、それで心配になったのですね」

「ま、さっきまで話してた相手がいきなり使役されてるとは考えにくかったから」

「確かに、もちろん私は屋敷の方にいますよ。

その神器はもしかして杖状の物ですか?」

「ああ、よく分かったな」

「なら、賢者の杖ですね」

「神器が分かるのか?」

「ええ、賢者の杖は大昔、神が私達七つの悪魔が暴走した時に止める為作った物です。

ただ、私達を使役するには人間の操れる魔力では到底足りません。

例え大量の魔晶石があってもです。

ですので、たぶん反乱者は私達に似た存在を作り出して使役しているのでしょうね」

「そんな事もできるのか?」

「ええ、大量の魔晶石を集めていたなら出来るでしょう。

ただ、実力は私達には到底及びませんが」

「なるほどな、ありがとう、本人じゃないならいいんだ」

「本気で潰せるって事ですかね」

ウォーサンが笑って答えている姿が目に浮かぶ。

「そうそう、私達本人ではないですが、仮にも賢者の杖で作り出されている者ですので、雑魚ではないですよ、それだけはご注意下さい。

それと、もし可能なら賢者の杖は手に入れておいた方がいいと思います。

神への道に行くには神器が必要になりますから」

「分かった、それじゃまたな」

「はい、ご武運を」

俺はウォーサンとの『念話』を止め、応接間に戻った。

「どうでした?お師匠さま」

アンが心配そうに聞いてきたが笑顔で頷く。

アンはそれを見てほっとしたようだ。

「クリス、確実な情報として、その悪魔は本当の悪魔ではないみたいだ」

「そうなのですか?」

「ああ、それで…」

俺はウォーサンから聞いた情報を提示する。

クリスは「分かりました」と答え、応接間を出ていった。

たぶん、アルケルに連絡をするのだろう。

そろそろ、アルケルに着く。

今回は少し気合いを入れてかからないといけないかな。


アルケルに着いた俺達は、すぐさま冒険ギルドに向かった。

冒険ギルドでは、野外に緊急な集会場が作られていた。

冒険ギルドに着いた俺達は、作戦会議をしている部屋に通された。

「はじめましてだな、私はアルケル騎士団団長イクシオだ」

真っ白い鎧を身に纏ったひげ面で屈強な男が握手を求めてきた。

「Bクラス冒険者のクロノだ」

俺はそれに答える。

俺の言葉にイクシオは少し笑っていた。

「私は2回目になるかな?

アルケル騎士団副団長ショークだ」

ああ、アンが初めて受けたクエストをやたらに親切に解説してくれた。

「覚えてるよろしく」

こちらとも握手を交わす。

「さて、様々な情報を集めた結果。

これより我が騎士団の精鋭とクロノパーティー、そして、この2人の受付嬢によって、魔導研究所攻略をおこなう事にする」

イクシオはテーブルの上にある地図に駒を置きながら今回の作戦を説明した。

まず、騎士団と緊急クエストに参加している冒険者で研究所の周りにいる敵を殲滅。

その間に俺達とクリス達で研究所内部に侵入、反乱者を抑えるという事だ。

今、出されている緊急クエストは研究所にいるモンスター殲滅なので、冒険者の力も借りつつ、研究所内に侵入する事になったらしい。

先発隊も撤退は完了しており、死者はでなかったようだ。

「君達には戻り次第ですまないが、よろしくお願いする」

イクシオが、頭を下げる。

「大丈夫だ、これくらいで根をあげるパーティーじゃないさ」

俺の言葉にアン達も頷いた。

「それでは、魔導研究所攻略を開始する」


各冒険者達、騎士団が一団となって研究所を目指した。

俺達も少し遅れて出発する。

「お師匠さま、私達は正面からは行かないんでしたよね?」

「ああ、騎士団と冒険者達で注意をひいてくれてるうちに、裏側からの潜入になる」

「騎士団と冒険者さん達は大丈夫かな?」

「ま、見たところ回復役が案外いたから死人はでないだろうさ」

しかし、俺たちの方が一応危険なのだか、アンは案外余裕なのかな?

「しかし、イクシオだったか?

団長なのに先頭きって行くとはなかなかの強者だな」

「一応、アルケルの町長ですので」

クリスが横に来て答えた。

「え?町長?」

「はい、彼がアルケルの町長であり、アルケル唯一のA+の冒険者ですよ」

「まじかぁ」

A+といえばSクラスになってもおかしくない実力だな。

それが、町長とはアルケル侮れないな。


研究所近くの森の中から、『千里眼』で騎士団達が戦闘に入った事を確認する。

「そろそろ行くか」

「戦闘に入ったんですね」

俺と偵察に出ているノームが聞いてくる。

「ああ、見たところ悪魔はまだ出てきてないみたいだ」

「それでは、早めに行かないといけないですね」

俺とノームはすぐに仲間のところに戻り、研究所に向かった。

道中モンスターに会わずに研究所に着いた。

騎士団達が注意をひいてくれてるみたいだ。

「秘密の入り口みたいなのがあるのか?」

俺は一緒に来ているクリスに聞く。

「いえ、そんな話は聞いてませんが」

「そうなのか?ならどうやって入るんだ?」

「ラウお願いします」

クリスの言葉にラウは頷く。

ラウは愛用のクレイモアを壁に向かって一閃。

その後、クリスが壁に手を当て目に見えないぐらいのスピードで突く。

壁は音もなく粉々の砂に代わり風に舞った。

後に残ったのは扉がない入り口だった。

「これで入れます」

クリスは何事もなかったように言った。

「ああ」

どうやったのかは見た通り、ラウが入り口の形に剣で切り、その後邪魔な物をクリスが波動だろう、粉々に砕いた。

言うのは簡単だが、普通にそれをするのはかなり難しい。

さすがは、最強クラスの受付嬢だ。

どんだけ実力隠してるんだか。

中に入ると右と左で別れていた。

俺達は右をクリス達は左を探索する為別れた。

研究所内は思ったより静かだった。

モンスターもおらず、人の気配もない。

ただ、とても居心地の悪い瘴気だけが漂っていた。

研究所に突入したクロノ達。

次回はアビルズとの対面、戦闘です。

お楽しみに


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ