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転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
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麒麟児~海上の戦いその1~

モンスター大量襲撃の討伐を受けたクロノ一行。

水の悪魔の情報も、もしかしたら手にはいるかもしれない。

クロノ達は早速海岸に向かうのであった。

翌朝、外の騒がしさに目が覚めた。

窓を開け外を見ると、大勢の冒険者が海岸の方に向かっていた。

町の人は店の準備で大忙しだ。

冒険ギルドの関係者は、海岸で魔法を使いバリケードを作っているようだった。

やはり、今日モンスターの大群が町に押し寄せるみたいだな。

なぜ、年に一度この時期にモンスターが押し寄せるのか分からないらしいが、町にとってはいいイベントになっていると聞いた。

そして、一度もこの町にはモンスターが入った事はないと言うことだ。

なんでも、押し負けそうになった時に決まって謎の人物が現れて、戦況を覆すらしい。

なので、町の人はいつもお祭り騒ぎにしてしまうと言うことだ。

しかし、戦う方は命懸けだ、レベルアップにはもってこいだが、囲まれて押し潰されれば死人もでる。

だから、パーティー参加が鉄則らしい。

「お師匠さま、起きてますか?」

外から扉を叩きながらアンが起こしにきた。

「ああ、起きてる、今から用意して行くから下で待っててくれ」

「分かりました」

タタタとアンが行く音を聞いて、俺も着替えることにする。

上は体にフィットした通気性のいい服、下は短パンだ。武器もこの剣一本あれば充分だろう、他は『アイテムボックス』にしまっておくか。

俺は準備を終えると部屋を出た。

下に降りるともう準備万端の3人が待っていた。

3人とも昨日と同じ格好だ。

昨日の夜に御飯を食べた後、水用装備は俺が魔法で乾かしておいた。

ちょっとした防御アップの加護もついでに付与している。

ちなみに、ノームは自分でするといっていたけど、マントくらい乾かしてやるのに…

「さて、俺達も海岸に向かうか」

「はい。朝から冒険者の人達が海岸に向かってましたよ」

「がぅ、海のモンスター美味しいかな?」

昨日はそこまで大きなモンスターに出会わなかったので、肉にありつけていないシロマ。

「朝からいきなり来るとは聞いていないから、場所の確保にみんな動いてるみたいね」

「なるほどな、俺達も場所の確保しとくか」

「はい」「がぅ~」「そうね」

それぞれの返事を聞いて俺達は宿を出る。

海岸への道中、屋台で朝食がわりに食べ物を買って食べながら向かった。

町は本当にお祭りみたいに賑やかだった。

屋台も豊富で食べ物以外にも、武器、防具等の装備品、回復薬などのアイテム、それに救護施設のような場所もある。

「戦いの休憩にここでいろいろと準備したり、回復したりするんでしょうね、聞いたところによるとモンスターは倒しても倒しても、1日中押し寄せてくるみたいだから」

「それって海がとんでもないことになるんじゃ」

ちょっと嫌そうな顔でアンが呟く。

「ああ、倒したモンスターの事か?」

「そうです、お師匠さま」

「それは大丈夫のようね、押し寄せてくるモンスターなんだけど、倒すとなぜか霧のように消えて後にはこの大陸の通貨が落ちてるらしいわ」

「そうなのか?

ということは、そのモンスターは何かの力によって作られたモノって事かな」

「たぶんね。そして、大量のモンスターを作り出せる力を持つってことは」

「それだけ、巨大な力を持つモノ、すなわち水の悪魔の可能性もあるって事か。

やはり、ここは優勝してこの町の偉いさんとも会わないといけないな、何か知ってそうだ」

「気合い入れていかないとね」

「がぅ~」

「そうそう、モンスターを倒す前に、ギルドからもらったカウンターをどこかに付けるのを忘れないように」

「たしか、倒したモンスターの数をカウントしてくれるものなんですよね」

「そう、忘れないようにね」

俺はズボンの横に、アンとシロマは胸のところに、ノームは…

「私はこのマントの下につけてるわよ」

俺の視線にノームは答えた。

はは、じろじろ見るんじゃなかった。

「それじゃ、改めてみんな頑張ろうな」

「おー」


海岸に着いた俺達は、海岸のいたるところに陣取っているパーティーを見る。

魔法で防御壁を作ったり、砲台のようなものまで用意してある。

かなりの人数だか、こんなにたくさん冒険者がいると、

「巻き込みを気にしてるのかな、クロノさんは?」

俺達の後ろから声をかけられた。

振り向くとそこには、2人の女性が立っていた。

「よ、最近ぶり」

にこやかに笑う女性といたずらっ子のように笑う女性。

「クリスさんにラウさん」

アンが驚いくのも無理はない、俺もなんでこの2人がと思ってる。

「毎年、この時期に応援に呼ばれるんです」

クリスはにこにこと答える。

「もしもの時の備えとしてね。

ま、そんな事は一度もなかったからこの期間はのんびり観光してるよ」

ラウがあっけらかんと答える。

「そうなんですね。でも、お2人とも水用装備なんですね」

「ええ、せっかくだから今年はクロノさん達もいるので戦闘に参加しようと思いまして」

そう言ったクリスは赤を基調とした丈の短いチャイナ服のような装備だった。

背中がすごく空いている。

しかし、クリスって案外着痩せするタイプなんだな。

「こら、クロノ見すぎだ」

声に視線を少し下げる。

胸元に大きなリボンの付いた薄いピンクのワンピースが特に体型に似合っているラウがいた。

「おい、あまり失礼な事考えてるとヤるぞ」

なぜかこの町に着いてからというもの、みんなに心が読まれているような気がする。

「で、巻き込みの事なんだが」

なんとか話を変えないと。

「話を変えようとしてるのがバレバレだ」

「もう、ラウあまりクロノさんをいじめない」

おお、さすがクリスだ。

「ま、下品な視線を向け続けた時は止めませんが」

以後気を付けます。

「で、その巻き込みなんですが、さっき皆さんが着けたカウンターが仲間認識をしてくれて、この期間に張られる結界内の中ではお互いに傷つけることができないんです」

なるほど、期間限定のレアアイテムって事か。

「ちなみに、カウンターには期間限定の持ち主登録もされますので、拾ったり奪っても効力は発揮されません」

良くできてるな、俺は自分のカウンターをまじまじと見つめた。

期間限定とはいえ、全ての攻撃を無効化できるのはアーティファクト並みだな。

やはり、この町の町長にいろいろと聞いてみないとな。

「で、クロノさん聞いてますか?」

「え?」

なにやら俺が考え事している間に話が進んでらしい。

クリスとラウは俺のパーティーに一時的に加わる事となった。

ま、これだけ戦力があれば負ける事はないだろうな。

さて、海岸に向かいますか。


海岸に着いた俺は、まず海岸のあちらこちらに拠点を作ったパーティーを見た。

「これは出遅れたなぁ」

「いえ、実際に戦闘が始まれば、あまり拠点は意味をなさないですよ、待っているだけでは数は倒せませんから」

俺の言葉にクリスが答える。

確かに、少し海岸より高台になるこの場所、他にもこういった場所にちらほらパーティーがいる。

となると、このパーティー達が競争相手になる感じか。

しばらく周りを観察していると、突然海岸のパーティーから大声が聞こえる。

見ると水平線が波立っているように見えた。

『千里眼』を使い水平線を見る。

波立っているように見えたのは、モンスターの群れだった。

水平線を埋め尽くすぐらいのモンスターの群れ。

「今年はいつもより多いかもしれませんね」

「そうだな。

ま、これだけのパーティーがいるし突破はされないだろうけどね」

クリスとラウが水平線を見ながら話をしている。

「あの多さで大丈夫なのか?」

「ええ、モンスター1体はFランクの冒険者が1人でも倒せます。

ただ、群れが大きいのでいつもこのぐらいの数のパーティーが必要なんですが、今年は冒険者も多いようですから」

「それに、私達も初めから参戦してるからな」

「そういう事です」

クリスとラウが笑顔でこちらを見る。

ま、いつもは観光してるって言ってたからな、初めから参戦してたら違うか。

「よし。それじゃ、特に作戦はないからそれぞれまぁまぁ、本気で狩りに行ってくれ」

俺の作戦にみんな苦笑しながら、返事をして海岸へと降りていった。

アンとシロマ、ノーム、クリスとラウの3グループに別れたみたいだな。

さて、俺も準備をするか。

海岸へと降りた俺は、まだ少し遠くにいるモンスターの群れを見る。

確かにそこまで驚異に感じないな。

ある程度の強さのモンスターも混ざっているみたいだが、これならオートモードでもいけそうか。

俺はスキルを発動する。

『千里眼』『地獄耳』でパーティーの状況を確認。

『回避の足さばき』で敵の攻撃を避けながら、『豪腕』で攻撃力を上げ、『オールカウンター』で敵にダメージを与えていく。

万が一の被弾の為に『自動回復』も発動しておこうか。

そして、死角をなくす為に『剣陣』を使う。

言うなれば自分の攻撃が届く範囲の結界のようなものだ。

最後に『多重思考』で、パーティーの状況確認と戦闘行為の思考を分ける。

これで、自分に降りかかる火の粉を自動で払いながら、パーティーを確認する事が出来るな。

さて、そろそろモンスターの波もくる。

アン達の成長も確認しないと。


アン達は一番乗りと行っていい程、敵陣に向かっていた。

海もかなり浅瀬が広いのかだいぶ先まで普通に歩けていた。

シロマの後ろをアンが追従する形で突き進む。

「シロマ、行くよ」

敵陣にぶつかる寸前、シロマが止まり両手を付く。

シロマの手は、普段の人間の手ではなく巨大なグリズリーの手に戻っていた。

「ガァーーー」

シロマの咆哮に敵の動きが止まる。

咆哮もレベルアップしたのか、大咆哮になっていた。

相手を怯ませるだけではなく、一時的な拘束効果が出てる。

アンはそのシロマの背に乗りジャンプ、上空から「八の太刀 八艘」8人に実分身したアンが横一列になる、そこから「五の太刀雪崩」につなぐ。

合計四十の斬撃が動きを止めたモンスター達に降り注いだ。

アンの着地と同時に光の粒子が大量に舞い上がった。

シロマはアンの横をすり抜け、敵陣に突っ込む。

左右の大きな腕を振るい『斬鉄爪』で敵を切り裂いて行く。

シロマの周りに光の粒子が舞う。

モンスター達がシロマに群がりはじめだ。

「いくよ、シロマ」

アンの声に「がぅ」と返事をするシロマ。

アンが自分と神木刀に『神気』を纏わす。

「お師匠さま直伝、横一閃」

その言葉にシロマが水面に横たわる。

そして、アンの前のモンスターが全て光の粒子へと変わっていった。

シロマがゆっくりと顔をあげる。

その体は水に濡れていたがとても嬉しそうな顔でアンに振り向いた。

アンも笑顔でシロマに答えていた。

2人共にすごく成長してるし、連携もとれていた。

いつの間に「横一閃」を覚えたのか。

何回か模擬練習で見せたことはあったけど。

本当に強くなってる、これなら大丈夫そうだ。

なんて、考えている間に俺の足元には大量のコインが散らばっていた。

もちろん、アン達の周りにも。

回収大変だなぁ。

さて、次はノームか。

海上の戦いの始まりです。

今回はそれぞれに新しい場面が出てくるはずなのでよろしくお願いします。

次はノーム、クリス、ラウ。

彼女らが隠していた力を発揮されるのか。

早めにのせれるようにがんばります。

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