表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
32/186

麒麟児~火の悪魔と新たな依頼~

洞窟の奥、火の悪魔に続く門にたどり着いたクロノ達。

この先に、クロノが求める物があるのか?

そして、それを手に入れられるのか?

「さぁ、行こうか」

大きな扉の前に立ち、俺は扉に手をかけ押した。

「うわぁ」

そして、俺は見事にこけたのだった。

「だ、大丈夫、お師匠さま」

「やはり、そうなるのね」

アンの心配そうな声と、またかというノームの声が重なった。

「あはははは、くぅ、はははは」

扉?の先、質素な洞窟の中、中心付近にこの洞窟には似合わない真っ赤な玉座があった。

その上で1人の男性が腹を抱えて笑っていた。

「もしかして、あれがそうか?」

俺はゆっくりと立ちながらノームに聞く。

「ええ、あれが火の悪魔ファモンよ」

あいつかぁ~

無性に怒りがわいてくる。

「この扉は触るまでは実体があり、触ると霧のように通り抜ける、厄介なことに通り抜けたと同時に必ず転ける呪いがかかっているそうよ」

ノームも呆れ顔で説明してくれた。

「たち悪いなぁ、ファモンってのは」

俺は愚痴りながらいまだに笑いこけてるファモンの元に向かった。

「よくきたね、くく、冒険者、ん?なんか見たことあるやつもいるな」

ファモンは笑いながら、ノームを見た。

「ファモンだな」

「ん?そうだよ」

ノームから俺に目を移すファモン。

「依頼を受けて来た、報酬の酒もここにある」

俺はシロマに目配りした、シロマはうなずきながら龜をファモンの前に置いた。

「ああ、いつものやつね、了解了解」

ファモンはゆっくりと玉座から降りると、龜を一気に持ち上げそのまま、中の酒を飲み干した。

「うん、やっぱりこの店の酒は上手いね。

さて、これで君たちの依頼は完了だけど、他に用事はないのかい?」

ファモンは、俺の方を見てニヤニヤ笑っている。

なんとなく俺がファモンに用事があって来たと感ずいているのだろう。

「ああ、用事はある、ある事を教えてもらいたい」

「ふ~ん、ある事ね、ま、話にもよるよ」

「この世界の神について、居場所を知りたい」

「ふ~ん」「な」「?」

俺の言葉にそれぞれが別の反応をする。

「どうして神の居場所を知りたいんだい?」

ファモンの問いに

「聞きたいことがある」

と答えた。

「一応、これでも世界の理に属する存在なんだけど、この僕より神に直接質問したい、とはね」

ファモンの雰囲気が徐々に変わってくる。

ノームやアン達は身構える。

しかし、これは

「いいよ、教えて上げても」

やっぱり、確かに威圧感はあったが本気じゃない。

俺達が少し安堵した後に、ファモンは

「じゃぁ、やりあおうか」

とにこやかに言った。


俺達はファモンから少し距離をおいで臨戦態勢をとった。

「戦わないじゃないのか?」

「ん?さっき言ったように内容にもよるってわけさ。

最初の山脈のモンスターの件ぐらいなら酒で十分だけど、神の情報となると僕の暇潰しぐらいには付き合ってもらわないと」

ファモンは先ほどと同じような口調だが、明らかにその雰囲気が別物だった。

「アン、いけそうか」

俺が聞くと苦笑いしてこちらを見た。

アンでも分かるのだろう、自分では相手に勝てない事が。

確かにまだアンには荷が重い。

「ノーム」

「この前は勝てなかった」

俺が聞きたい事をすぐに答えてくれる。

そうか、ノームぐらいのレベルでも勝てないか。

「別に全員できてもいいよ」

ファモンはゆっくりと浮き上がり、また中央の玉座に足を組んで座る。

「どうする、お師匠さま」

「俺が1人で相手をする」

「な、それは無茶だ、確かにクロノはラウに勝てるぐらい強いかもしれないが、相手は別格だ」

「そうかもしれないな」

ノームの言葉に同意しそして、

「俺も規格外の存在なんでね」

と笑って返した。

アン達はゆっくりと臨戦態勢のまま後ろに下がる。

「へぇ、君1人が相手かい?」

ファモンは玉座でふんぞり返ったまま。

「ま、俺が聞きたい事だしな」

さて、相手の強さがいまいち分からないからなぁ、どうしたものか。

俺は一歩一歩ファモンに近づく。

ファモンは相変わらずその場でニヤニヤしている。

たまには、本気を出してみるのもいいか。

俺はファモンへの最後の一歩を踏み出した。

『次元転移』

俺は『転移』のスキルを使う、目の前のファモンと2人次元の狭間に飛んだ。

はは、驚いてる驚いてる。

いきなり玉座が消え、見たこともない空間に移動させられたファモンは、少し焦りの顔をしながらこちらを睨んだ。

「お前何者なんだ」

「なんか、よく聞かれるなぁ、俺はただのBランク冒険者だよ」

「Bランクがこんな力を持ってるはずないだろう」

「仕方ないだろ、Bランクなんだから。じゃ、いくぞ」

俺はいつも通り『封印』を解除した。

最近は『封印』解除することが多くなったなぁ。

別に構わないけど。

「な、なんなんだ本当に」

「暇潰しの相手してやるよ」

『縮地』『巨人の籠手』『絶対零度』

俺は一瞬でファモンの懐に入り、巨人の一撃のような拳を打ちつけ、吹き飛ばした。

「がぁ~」

火の化身である悪魔の自分がまさか物理攻撃で吹き飛ばされるとは思っていなかったんだろうな。

ファモンは起き上がりながら殴られた場所を確認している。

俺が攻撃した腹部は完全に凍っていた。

「この僕を凍らせるとは」

凍らせた部分に手を当てて数秒、瞬く間に氷が溶けた。

「へぇ、やるなぁ」

「まさか、ここまでとはな、『縮地』なんて久しぶりに見たなぁ」

苦笑いだがまだ余裕はあるみたいだな。

「双龍のユニークスキルだったと思ったけど、なるほどお前の正体がなんとなく分かってきたよっと」

ファモンの手から大きな火球が放たれる。

『消滅』

火球は俺に当たる前に消えた。

「どうだ、暇潰しにはなりそうか」

今度は俺が『絶対零度』で作り出した氷塊を放つ。

「暇潰し以上に楽しめるね、お前異界渡りだろ

?」

俺の氷塊を片手でしのいだ後、ファモンは自信の周りにたくさんの炎の刃を生み出した。

「さぁ、避けてくれよ」

ファモンの号令に一斉にこちらに飛んでくる炎の刃。

俺はそれを避けようとはしなかった。

次々と突き刺さる炎の刃。

だが、

「へぇ、それもスキルかい」

炎の刃に突き刺されながら笑う俺を見て、ファモンも笑っていた。

『火炎の体』第2形態

自信の体を炎に変える。

火炎で出来た刃ならダメージは受けない。

「さて、そろそろ戻らないとみんな心配するからな、終わらせてもいいか?」

俺の言葉に、ファモンは両手を上げ、

「これ以上はいいよ、終わらせるの意味も怖いし」

「はは、ならここで止めるよ」

俺はスキルを『封印』して、その場に座った。

「で、そっちの聞きたいことなんだけど」

ファモンもいつの間にか近くにより座る。

「異界渡りだったら、なんとなく神に会う理由も分かるよ。

で、どっちなんだい?」

「さすが、この世界の理にいる悪魔だな。

あの女の子だ、俺が助けてくれという言葉を汲んで連れてきた」

「そうか」

ファモンは少し考えた後、

「神への道は俺達、7悪魔の内2人の承諾があって初めて行ける。

トーラス大灯台がその入り口だよ。」

「2人か」

「そうだ。ま、僕は承諾してあげるから、後1人は自力で探しなよ。案外、ギルドとかに聞くと分かるかもよ」

「ありがとうな」

「いやいや、久しぶりに楽しかったからね」


その後、俺は元の場所にファモンと戻り、情報をもらえた事をアン達に伝えた。

用事も終わり帰ろうとしたところ、ファモンに止められ、宴会をする事に。

宴会中ではファモンが自分の名前がマスコットキャラみたいな名前で不満だとか、ひたすら愚痴を聞かされた。

アン達も、ファモンの眷属が用意してくれた食事や飲み物を飲み食いしとても楽しんでいた。

そして、その日はファモンの居城で宿泊(ちなみに洞窟はまだ入り口でもなく、もっと奥に続く道があり、途中異次元を移動してすごく立派な城があった)させてもらった。

翌朝、「また、きなよ」とファモンと眷属に見送られながら俺達はカゴノ村に戻るのであった。

クロノが求めるものは、神に会う為の手段だった。

クロノは神に会って自分の目的を果たすことができるのか?

次は夏らしく水着回に突っ走る予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ