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転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
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麒麟児~なぜ山に登るのか、それはそこに用事があるから~

カゴノ村に着いたクロノ一行。

火の悪魔のいるウェルズ山脈に行く前に、まずはラウから受け取った注文書を酒屋に持っていくのであった。


馬車を借りてからほぼ半日くらいになるか。

こうやって、馬車を運転するのも久しぶりで楽しいな。

後ろの屋根付きの荷台では、今日の戦闘が効いたのかアンもシロマもよく眠っている。

荷台の中には布団まで用意されてるなんて、あのおっちゃん気が利くな。

「夜までには着きそうね」

荷台から地図を片手にノームが顔を出した。

「ああ、モンスターも出てこないし順調だよ」

「街道も整備されているし、人の行き来も多いから」

ノームの言うとおり、町を出てから何台かの馬車とすれ違った。

冒険者らしい一団もよく歩いていた。

「街道までは出てこないけど、ウェルズ山脈の近くの森はモンスターが多く生息してるから、その素材で生計やレベルアップをしている冒険者も多いのよ」

「なるほどね。そのお陰で無事に移動できるって訳か」

「運転は代わらなくてもいいの?」

「ああ、これだけ安全なら大丈夫」

「分かったわ、少し休むから何かあったら声かけて」

そう言い残して、ノームは荷台へと下がった。

俺はまた、のんびりと馬車の手綱を握り直し、カゴノ村へと走らせた。


日が落ちようとした頃にカゴノ村に到着した。

案外町には活気があり、冒険者や村人で町は賑わっていた。

馬車は村に入ったすぐの馬車小屋に預け、俺達は今日の宿を探した。

道中屋台も多く、アンやシロマは串焼きやパンなど買い食いして楽しんでいた。

俺も串焼きを食べながら、村の様子を見渡しながら歩いた。

町にしては小さく村にしてはやや大きい感じの村、ノームが行っていたように冒険者がレベルアップや素材集めの拠点にしているからだろう、食事場所や宿屋も多かった。

俺達はその中の1つに泊まる事にした。

ここからはウェルズ山脈まで、歩いて登らなければいけない。

十分に英気を養うため、食事も少し豪華に済ませ、ゆっくりと眠りについた。


翌朝、俺達はラウに渡された注文書を持ってある酒屋に来ていた。

「おはようございます」

アンは酒屋の入り口を覗きながら声をかけた。

「は~い」

中から若い女性の声が聞こえた。

「あら、可愛い方ですね、ご用はなんでしょうか」

爽やかな笑顔で酒屋の店員であろう、1人の女性が出てきた。

「これを預かって来まして」

俺はラウに渡された注文書を渡す。

「ああ、ファモンさんに届けてくれるのは今回はあなた達なんですね」

ん?火の悪魔をさん付け?

「そうです」

戸惑いながら答える。

「ちょっと待っててくださいね」

女性はそう言って奥に戻る、少しして帰って来た手には50cm程の甕を抱えてきた。

「これがご注文の品です」

カウンターに置かれたそれをシロマが受け取る。

「ただ、それで完成品ではないんです」

店員から1枚の紙を渡される。

「その絵の花がウェルズ山脈に咲いているので、その花を甕の中に浸けてくだされば完成します」

「この花は?」

アンが興味深そうに横から絵を覗いてきた。

「炎魔草の花です、ウェルズ山脈の火の池近くにしか咲かない花で、人が口にすると体が焼けてしまうと言われていますが、火の悪魔やモンスター、精霊などは好んで口にするんですよ」

「へぇ~」

「そうそう、花を摘んだらすぐに甕に入れてくださいね、そのまま持ってるとすぐに火が出て燃え付きますので」

物騒な忠告を受け、俺達はウェルズ山脈へと向かった。


ウェルズ山脈には関所のような場所があり、そこで許可書を提示する。

関所の門番は快く中へと通してくれた。

ウェルズ山脈

ほとんど草や木が生えない岩肌の山。

大小様々な岩が転がっており、モンスターはそこに隠れて冒険者を襲ってくるらしい。

所々に池のような水溜まりがあるが、モンスターが集まる場所になっていた。

「さて、まずは炎魔草の花を探さないとな」

俺は酒屋の店員から酒と一緒にもらった地図を見る。

ここから火の池までは、そう遠くない。

ちょうど、目的地の洞窟に行くまでの途中にあるな。

「それじゃ、向かうとするか」

一同頷く。

俺達はまず、火の池に向かって歩き始めた。


ほどなくして、俺達は目的の火の池についた。

そこは池の回りを火が囲っており、池も溶岩のように赤く煮えたぎっている。

そして、その池の真ん中に小島がありそこに赤い花畑があった。

「池の近くと言うより、池の中だよね」

アンは池を見ながら呟いた。

「ノームはあれを取ったんだよな?」

「ええ、取ったわ」

「どうやって取ったんだ?」

「自分で考えるのもこのクエストを受けたあなたの仕事よ」

ノームはにこっと笑って教えてはくれなかった。

さて、どうしたものか。

ざっと見渡す限りモンスターはいなさそうだが。

しかたないか。

俺は最近手に入れたばかりのスキルを使う。

『空間移動』

俺の目の前に赤い花畑があった。

一輪取り戻る。

そして、龜に花を入れた。

よし、これで完成。

ん?みんなどうして驚いた顔で見てるんだ?

俺が不思議そうにみんなを見ていると

「それは、ラウのスキルじゃないの?」

ノームが聞いてくる。

「いや、違うよ、たまたま同じ系統のスキルを俺が持っていただけだ」

嘘だ、あの戦いで俺はラウのスキルを『コピー』した。

『転移』のスキルがあるので同じような事はできるが、こちらの方が魔力効率がよかった。

「そう」

少し納得がいかないようなノームだが、目的を果たせたのでそれ以上は言ってこなかった。

ちなみにノームはあの花を取る方法として、1日に何回か池の回りの火が止まり、その間だけ池も青色の綺麗な水になる、その時を狙って池を渡り花を取ると言うことだった。

しかし、その安全な時間はモンスターも知っていて、モンスターとの戦いは避けられないらしい。

「お師匠さま、もらったお酒が赤く染まってきてるよ」

アンは龜の中を覗きながら言った。

シロマもアンと交互に覗きこむ。

「それで良いはずだ」

俺も龜を覗きこむ。

確かに花からゆっくりと赤みが広がっていた。

「じゃ、次はファモンのいる洞窟だな」


「しかし、こんなにモンスターに会わないものなのか?」

洞窟に向かっている道中、1度もモンスターに出会ってなかった。

「たぶん、ファモンが『威圧』をした後なんだと思う」

ノームが答えた。

「『威圧』かぁ」

「ファモンはこのウェルズ山脈一帯を支配する悪魔だから、この山脈ではファモンに勝てるモンスターはいないわ」

確かにこの世界の属性を冠する悪魔だから、かなり強いのだろう。

「ま、ファモンがモンスターを押さえている事により、人もモンスターも均衡が保てているといえるわね、この山脈にはレアなモンスターも何種類かいるみたいだから」

「なるほどね」

ファモンは『威圧』により、そういった希少なモンスターが乱獲されないようにしているのかもしれない。

「ほら、見えてきた、あれがファモンの住む場所への入り口よ」

ノームが指差した先に、洞窟が見えた。

しかし、ここから見てもありきたりな普通の洞窟だな。


俺達は洞窟の中に入り先に進んだ。

中も普通の洞窟とかわりない。

しかし、天然の植物なのか光を出して洞窟内は明るかった。

そして、突如大きな扉が現れる。

それに応じて洞窟内も広くなっていた。

「ここから先が本番よ」

ノームは武器を腰に指し直して、俺達に言った。

やっと火の悪魔との対面です。

なかなか更新が遅くなっていて申し訳ありません。

なるべく早くあげようと思いますので、よろしくお願いします


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