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転移無双  作者: 天野 空
第五章 麒麟児
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麒麟児~さぁ、冒険だ~

急に大きくなったシロマに夜這い?をかけられたクロノ。

無事朝を迎えることができるのか?

翌朝。

「ああ、誰なんですか、その人は?」

なぜか部屋の入り口に立っていたアンに指差され、俺はシロマと部屋から出てきた。

「それにお師匠さま、汗だくですし、不潔ですか?」

あらぬ疑いをかけられ責められる俺。

「御主人、不潔なのか?」

シロマにも横からクンクンされてあらぬ疑いが増える。

「それより、どうしたんだ朝から俺の部屋の前で?」

ふくれているアンに聞く。

「一緒に寝ていたはずのシロマがいなくなって探してたんじゃないですか、そうしたら、お不潔さまはお楽しみ中みたいですし」

なんかお師匠さまがお不潔さまになってるし。

俺はゆっくりと横にいる女性を指差し、

「探してるシロマだよ」

疲れた声で答えた。

「マスターおはよう」

「え?」

元気に挨拶するシロマに、アンは目を丸くして固まった。


「それで話をまとめると、成体になったシロマが部屋を間違えてベッドに潜り込んできた後、どうしてそうなったか調べるのに朝までかかったと」

ま、だいたいそんなところだが、アンの睨むような目が痛い。

朝近くに潜り込んできたから調べるのに朝までかかったのは事実だが、俺は別にシロマに指一本も触れていない。

ステータス確認をして、『モンスター大図鑑』で調べた。

『モンスター大図鑑』

『スキル図鑑』のモンスター版。

これもレアスキルだ。

で、図鑑によるとモンスター種は経験を積む以外に倒した相手を補食する事でもレベルが上がるらしい。

今回は、アーリーレックスの肉を食べた事で、大幅にレベルアップし、一気に成体になったようだ。

そして、一番驚いたのは生まれてすぐスキルを持たないホワイトグリズリーだが、成体になるといきなり3つものスキルを習得していた。

『三種の身技』

力、速さ、守りの3つのステータスがアップする。

『怒りの解放』

パーティーメンバーがピンチの時に発動。

全攻撃ステータスが一定時間10倍になる。

『斬鉄爪』

爪で攻撃する際、あらゆるものを簡単に斬る事ができる。

ほぼ、S級クラスのモンスターだ。

アンの隣でニコニコ朝食を食べているが、とんでもない力をつけてたなシロマ。

「ま、私が近くで寝てても何もしてこないお師匠さまですから、その言葉信じますけど」

ぶつぶつ言いながらアンもご飯を食べる。

俺も一緒に朝御飯を食べた。

なんにせよ、大きな戦力が仲間になってくれたんだ、よしとしよう。

アンのスキルがいい方に働いたんだろうな。

「さ、食べ終わったら次に行くぞ」

そうして、俺達は冒険ギルドに向かい、そしてまた、アンとよく分かってないシロマに指を差されて文句を言われる事になるのであった。


「その女の人はなんなんですか?」

冒険ギルドで待ち合わせたノームはフードを被っておらず、その引き締まった体にライトアーマー姿をマントで隠しもせず待っていた。

そりゃ、怒るわなぁ、フード姿の時とえらい違いだ。

「話してなかったのか?」

ノームが不思議そうに聞いてきた。

「ああ、朝から一悶着あったからな」

ため息混じりで返事をする。

「これなら分かるかな?」

ノームは立ち上がりフードを被りマントで体を隠した。

「ああ、アーリーレックスの時の」

「そう、あの時は失礼したわね、あれから君の師匠と話をして、仲間に加えてもらえるようになったんだよ、ノームというよろしく」

ノームの手をしぶしぶ握り返しながら、こちらを睨むアン。

ああ、ここまで睨まれるのも初めてだなぁ。

一通り、お互いの自己紹介をすませた。

「お師匠さまはかなりの女たらしだったんですね」

テーブルに着いて一番に言われた。

「ま、俺のせいじゃないところもあると思う」

アンからの視線が痛い。

「さ、さて、これからの事だか、話をして言いかい?」

気を取り直して、話を始める。

さすがにアンも仕方ないと思ったのか、睨むのを止め、頼んだジュースを飲んでいた。

「まず、これからあるモンスターに会いに行こうと思っている」

「モンスター?」

アンが不思議そうに聞く。

「そう、ただし、そのモンスターはこの世界の中でも最上級のモンスターだ」

ノームがジュースを飲む手を止め、こちらを見た。

「七大悪魔と呼ばれていて、それぞれがこの世界の属性を冠しているらしい」

「私もその中の1体に会ったことはあるわ」

ノームはコップを置きながら答えた。

「居場所もだいたい分かる、私を仲間にしたのもその為でしょ?」

「ああ、俺はどうしてもその七大悪魔に会わないといけないからな」

「でも、倒すとかそういうレベルの相手じゃないわよ?」

ノームは少しため息混じりの声で言った。

「ま、会って聞きたい事があるだけだからな」

「そう、私が知ってるのはファモンね、ウェル山脈にある洞窟の奥にいるわ」

俺は机の上に地図を広げる。

「ここから、3日ぐらいか」

「『ゲート』は使えるんですか?」

アンが地図を見ながら聞いてくる。

「いや、始めていくところだからな『ゲート』は使えない」

「それじゃ、やっと冒険だね」

「そうだな」

アンが嬉しそうなのが微笑ましい。

「それじゃ、今から旅の準備をしようか」

「了解」「がぅ」

2人は自分の泊まっていた部屋に旅の準備に向かう。

ノームと2人残った俺は今回の報酬を提示した。

「ノーム、旅に着いてきてもらう報酬として、旅の途中で狩ったモンスターの魔晶石は全部渡すよ」

「それはありがたいけれど、報酬としては多すぎない?」

「いや、こちらはあまり魔晶石を使う事がないからな」

「なら、その報酬で構わないわ」

魔晶石で魔力を上げるほど、俺やアンは魔力を必要としてないからな。

「お師匠さま、準備できました」

「おう、早いな」

「こんな事もあろうかと準備してたからね」

にこにこ顔のアンとシロマ。

「それじゃ、行こうか」

俺達はウェル山脈へと向かうため、冒険ギルドを後にした。

これからは4人パーティーで冒険が始まります。

クロノは目的の為に着々と進んで行くようです。

果たして冒険の本当の目的は。

では、次回をお楽しみに。

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