~ただいま異世界転移中~
ユリスと魔王の戦いの最中、魔王の光線にやられたクロ。
そして、ユリス達の戦いは途中で途切れてしまった。
ユリス達は果たして勝つことができたのか?
ここは光の輪が無限に続くトンネルのような場所。
そこで俺は寝そべりながら、光の流れに身を任せていた。
「はぁ、ユリス、ちゃんと勝てたのかなぁ」
返事は期待せずに呟いてみる。
俺の名はクロ、いや、クロノ・クロイス。
異世界転生した俺は女神から授かった『転移』と『コピー』を使ってこうやって異世界を旅している。
今回は一組のパーティーと共に旅をした。
そのパーティーは魔王を倒す旅の途中ということで手伝ったのだ。
「しかし、異世界転移するのに死ぬ位のダメージを受けないといけないのはどうにかならないのかなぁ」
ぼやきが止まらない。
最後まで一緒に戦ってもよかったが、あまり手を貸しすぎると彼女達の為にもならないからなぁ。
彼女が持つ光の剣。
あれはある条件を持つ者に力を貸す、レアな武器だった。
条件は2つ。
剣の才能があり、達人の域に達していること。
魔法の才能があり、これまた達人の域に達していること、だった。
ま、『鑑定』のスキルで剣を調べたから、すぐに分かったんだけど。
彼女が持っていたスキルは『魔導王』と『激運』の2つだった。
『魔導王』はその名の通り、魔法を極められるスキル。
しかし、光の剣を使うには、スキルが1つ足りなかった。
そこで、俺は自らの持つスキル『剣聖』を彼女に『コピー』した。
ちなみにこの『コピー』のスキル、対象の者から1つだけスキルをコピーする事も出来るし、対象の者に1つだけ、スキルをコピーする事もできる、チートスキルだ。
たぶん、その2つのスキルの力で、光の剣は本来の力を発揮してると思うのだけど。
『転移』のスキルを使うと、その後が確かめられないからなぁ。
「はぁ、ユリス、ちゃんと勝てたかなぁ」
光の剣と女勇者のお話の続きとなります。
お話的には、これからもこの後の後日談を入れて三部分けで続いていきます。
次の後日談は、読まれても読まれなくても大丈夫です。
ユリスのその後が気になる方は、読んでいただいて、想像でこうなったと考えたられる方はそれで十分だと思います。
それでは、また、次の章をよろしくお願いいたします。